鳥取県流行性感冒(スペイン風邪)新聞記事データベース

項目
内容
 資料番号2008
 発生時期大正7 ( 1918)年 10月31日
 旧郡名・旧市町村名等全国
 現市町村名全国
 発生区分
 記事見出し今度の感冒
 被害内容等近頃の質の悪い感冒について、某病院医学士に聞くと、今度の感冒はインフルエンザであるから、悪寒や戦慄を覚え、急に39度40度の高熱を発し、神経系の頭痛が激しくするとか、カタル系の咽喉が痛いとか、鼻がつまったり咳が出たりするものもあるが、今秋は胃腸系の症状が多く、急に悪寒を覚え発熱し、胃や腸が痛みだし、下痢が激しいとか、中には便秘する者もあり、全身の関節が痛く、身体の倦怠が激しく、かなり苦痛な症状を持っている。今秋流行するのは、先頃からの梅雨のような不順な天候から寝冷えしたり、身体が湿気にあって冷えたためにインフルエンザバチルスという桿(かん)状菌や肺炎菌に冒されるからであるが、病気としては1000人中2、3人の死亡率であるから、恐るべき病気ではないが、苦痛の多い病気であるから、気管支カタルや肺炎、腎臓炎等の合併症を起こさぬように、過酸化水素を溶解したもので含嗽(がんそう)するのは健康者には予防にもなる。また、アスピリンや塩酸キニーネのような下熱剤を用いるのもよい。
 出典鳥取新報 年月日 19181031 号数 9563 記事掲載面 3
 備考