鳥取県流行性感冒(スペイン風邪)新聞記事データベース

項目
内容
 資料番号1205
 発生時期大正9 ( 1920)年 1月22日
 旧郡名・旧市町村名等県内
 現市町村名県内
 発生区分
 記事見出し流感とワクチン 注射注意 衛生課長談
 被害内容等流行性感冒は日々増加しつつある状況で、22日迄の累計は4219名で同日の新患者は329名、毎日平均300名は発生しているが、予防に関して各地方共にマスクを使用する人も大部分で、インフルエンザ菌ワクチン予防注射を町村民一般に行える所も沢山できた。衛生課に世話を頼んだワクチン液も1万以上に達している。注射の方法、消毒の事は開業医によく周知させるも、注射液の容器に注射針並びに注射の部位の消毒が完全でなければ間違いが起こりやすい。まず予防液の容器は20倍ぐらいの石炭酸水でよく消毒し、注射針は1人毎に、初め20倍石炭酸水にて消毒した後、200倍石炭酸水にてよく洗い、消毒して、また注射の部位は純沃度丁幾(ヨードチンキ)を塗り、其上酒精で拭い、消毒する。もしこの消毒を怠った時は他の病毒を感染する危険がある。また心臓の弱い人、肺結核、腎臓炎、脚気(かっけ)等の病気に罹る人、妊婦は注射を見合わす方が良い。注射前には健康診断を受ける事も必要で、予防注射当日は飲酒、はげしい運動、入浴は禁止。また流感加熱ワクチンも感作ワクチンも効力は同じで、附近の医師で注射を受ければ良い。
 出典因伯時報 年月日 19200125 号数 8795 記事掲載面 3
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