1 事業内容
第10回全共7区、9区の交配種雄牛となっている「勝安波」の産子を和子牛セリで全共鳥取県推進委員会が直接購入し、和子牛セリ市場活性化と全国に「勝安波」のアピールを行う。
また肥育農家に「勝安波」産子を貸付け、第10回全共の7区、9区の肉牛の区で優秀な成績を収めるための飼養管理技術を習得し、第10回全共で鳥取和牛のブランド化を果たす。
(1)事業の仕組
(ア)県1/2、JAグループ1/2で第10回全国和牛能力共進会鳥取県推進委員会(以下「推進委員会」という。)に基金造成
(イ)造成した基金で、平成21年10月から平成22年1月までに鳥取県和子牛セリ市場(以下「セリ市場」という。)に出荷される「勝安波」産子を推進委員会が購入(平均524千円/頭)
(ウ)購入した「勝安波」産子を全共出品候補農家(15農家)に5頭/農家に貸付
(エ)借受た農家は、全共本番と同様の飼養管理を実施。枝肉出荷・精算後、借り受けた「勝安波」産子の購入代金の80%(上限500千円)を基金に返納(生後24か月出荷という通常肥育とは異なる出荷のため(収益が減少する)、農家負担軽減のために、80%に圧縮)
(オ)「勝安波」産子購入代金を返納された推進委員会は、その1/2ずつを県とJAグループに返納
(2)事業実施主体:第10回全国和牛能力共進会鳥取県推進委員会(事務局:(社)鳥取県畜産推進機構)
(3)事業費:39,642千円(JAグループ1/2、県1/2)
基金39,300千円+事務費342千円
基金積算根拠:524千円/頭×5頭×15農家=39,300千円
2 補正の理由
(1)第10回全共に向けて、「勝安波」産子の肥育をして、その牛の特徴をつかんでから本番に向かいたいとの肥育農家の声が多い。
(2)平成21年10月から平成22年1月までの和子牛セリで勝安波産子を導入、生後24か月肥育技術習得を終え、平成23年5月からの第10回全共本番の肥育に向かわなければならない。
3 事業の目的
(1)「勝安波」産子の確保
・「勝安波」産子は平成21年9月からセリ上場
↓
「勝安波」産子は県内外で期待度が非常に高く、さらにセリ市場では県外購買者の購買力が非常に強いため、県内購買者が購入できないことが予想。
↓
推進委員会が、技術習得用の産子を県外購買者に競り勝って購入し、肥育農家に貸付すればそうしたリスクはなくなる。
(2)和子牛セリ市場活性化
・推進委員会と県外購買者が競りあうことで、セリ価格が一定水準を超え、和子牛セリ価格低迷により経営悪化している繁殖農家の経営安定化の一助になる。
・セリ市場の電光掲示版で、推進委員会の購買が公表されることにより、「勝安波」のアピールと県内生産者の全共に対する意欲向上につながる。
(3)貸付制度による肥育農家に対するリスク低減
推進委員会が「勝安波」産子を肥育農家に貸付すること(購入価格80%圧縮)は、枝肉価格低落と飼料費高騰のため、経営悪化している肥育農家に対し、肥育素牛代金及び実証事業リスクを軽減化して、肥育技術習得の役割を果たす。
4 事業の背景
第9回全共で惨敗した(第7区:12位(14県中)、第8区:15位(21県中)、第9区:42位、65位(それぞれ74頭中))肉牛の区で、第10回全共において優秀な成績を収めることで、和牛産地としての鳥取県の復活を果たし、鳥取和牛のブランド化を果たす。