1 目的
本県東部に江戸時代から伝わる生姜せんべい(※1)を、本県唯一の生姜産地である鳥取市気高町瑞穂地区の生姜(※2)の生産者及び観光業者と連携して、その由来や歴史等と結びつけて鳥取県の特産品として売り出し需要拡大を図ると共に素材となる生姜の生産振興及び消費拡大を図る。
(※1) 生姜せんべいは本県東部に江戸時代から伝わり、「雪が薄っらと積もる砂丘の風紋」をイメージした形は全国唯一である。
(※2) 本県唯一の生姜産地である鳥取市気高町瑞穂地区の生姜は、一部実需者(加工業者等)に他県産よりも高く品質評価されている優れた産物である。その栽培は、約400年前に亀井公(鹿野城主(1581〜1617))が朱印船貿易で東南アジアから移入・栽培奨励したのが始まりで、県東部の食文化を支える伝統的な食材となっている。
2 現状と課題
(生姜生産の現状と課題)
生姜は特に規格がないためくず物がなく収益性や作業効率 が良い上に、軽量であるため高齢者でも取り組み易い有望作
物であるが、生産者間の技術差が大きく、技術向上により生
産の安定を図る必要がある。
高品質に対応した高評価の獲得と需要の拡大が充分でな
いため、生産振興が進んでいない。
瑞穂生姜は、防空壕等を活用した生姜穴に貯蔵(温度
15〜16℃、湿度90%以上)し、通年出荷するため品質が安定
する。当面は生姜穴に余裕はあるが、今後生産拡大した場
合、特性をいかした新たな貯蔵方法について検討する必要が
ある。
(生姜加工品(生姜せんべい)の現状と課題)
生姜せんべいは本県東部に江戸時代から伝わり、その形
は「雪が薄っらと積もる砂丘の風紋」をイメージしているが、
その歴史やいわれは余り知られていない。ファンの多い美
味な菓子であるも、観光土産品としての販売展開が余りさ
れていない。
3 効果
・ 生姜、生姜せんべいのすばらしさの評価が高まり、双方とも逸
品として育成できる。
・ 生姜の面積拡大、栽培者数増により生産が増大する。
・ 生姜の栽培技術向上が図れ、生姜生産が安定・増大する。
・ 生産者、加工業者、観光業者(料亭等を含む)が一体となって、
生姜の新たな利用、活用方法を考案することにより、農業、観
光等の分野において相乗効果が図られる。
(例: 県東部特産物(白イカ等)とのセットによる販売、料理等
による相乗効果)
4 事業の内容
(1)要求額 2,230千円
〔内訳〕 (単位/千円)
○生姜、生姜せんべいの情報発信
・生姜せんべいのいわれと由来等をPRするパネルやパンフレッ
ト、のぼり旗の作成
・モニュメント製作
冬の鳥取砂丘の写真をバックに、風紋を摸したモニュメント
(1.5m×2.0m程度(生姜せんべい約470枚使用))を展示
印刷製本費、モニュメント制作費など 322千円×2/3 214千円
○パッケージ改良助成事業 200千円×4社×2/3 533千円
○種苗費助成
・新規生産者 新規作付面積10a×600千円/10a 600千円
(補助金額 400千円 2/3補助)
・面積拡大生産者 拡大面積30a×600千円/10a 1,800千円
(補助金額 900千円 1/2補助)
○優良モデル圃場 記帳手当 20千円
○栽培研修会開催
生育前期5〜6月、生育後期9〜10月: 計2回
○先進地視察 高知県(3人)
※ この視察においては、特に貯蔵技術面を視察し、22年度以降に 必要となる、生姜を通年出荷するための貯蔵施設の整備の参考とする。
○宣伝、消費推進の講演・交流会
・参加者 生産者、小売業者、消費者他
・講演会 「生姜の効能と特性」(仮題)について
・交流会 ショウガ利用料理体験
・商談会
(2)全体計画(平成21年〜23年度)