他県産地に打ち勝つブドウ生産に向けた高度栽培法の確立

この販売額低下の原因は、雪害や夏期の高温障害等の他、他産地の施設化によって本県産との競合による価格低下を招いたこと、高齢化や担い手不足によって栽培面積が減少したことが上げられる。しかし、北条砂丘畑で約60ｈａ栽培される重要な果樹である。
　鳥取ブドウの主力品種ピオーネは、近年の地球温暖化の影響により、着色不良果が発生し生産額が落ち込んでいる。また、全国に先駆け産地化し日本一の産地となった青ブドウのハニービーナスは、有利販売のため高品質果実生産技術の確立が必要である。さらに、近年のハウス施設費の高騰は、老朽化した施設の更新や新規参入を大きく妨げており、安価な雨よけ施設を利用した高品質ブドウの栽培が可能な新しい作型の開発や品種の選定が急務である。
そこで、
１）ピオーネの着色優良系統への早期改植技術の確立
　　（優良系統の選抜と低コスト自家製苗木の育成技術）
２）青ブドウブランド化に向けた高品質果実生産技術の確立
　　（ハニービーナス、シャインマスカットのアザ果、裂果軽減）
３）雨よけ施設による高品質果実生産技術の確立
　　（有望品種の栽培適性調査）
を図る。

イ　青ブドウの高品質果実生産による平均単価アップ（669円/kg→800円/kg）
ウ 新規雨よけ施設導入によるブドウ栽培面積の拡大（雨よけ面積約1ha→10ha）

　　自家製苗木育成のための接木の活着率は、緑枝接ぎが５０％、鞍接ぎ（苗木育成時のブドウの接木方法）が７０％であった。
２）青ブドウ
　　ﾊﾆｰﾋﾞｰﾅｽ、ｼｬｲﾝﾏｽｶｯﾄの種無し果栽培で、ジベレリンとフ　ルメットの１回処理により、房型が向上し脱粒しにくくなった。
３）雨よけ栽培
　　瀬戸ジャイアンツ・マニキュアフィンガーは黒とう病に弱かった。