1 事業概要
平成3年に整備した地上系の防災行政無線は耐用年数を大幅に経過し、保守部品の入手が困難となっており、故障時の復旧にも時間を要する状況となっているため、衛星系や情報ハイウェイのネットワークを活用し、必要最小限の範囲で、更新整備を行う。
2 検討状況
地上系は、現在、ヘリテレ映像の収集伝送、テレメータデータの収集伝送、移動系無線の基幹回線及び本庁と総合事務所との電話・FAX回線として利用されている。
地上系の更新・維持には多額の経費が必要であり、決算審査特別委員会の指摘もあったことから、地上系を廃止する可能性について、検討を行ったところ、ヘリサット整備、テレメーターデータの伝送回路の整備、衛星携帯電話の整備及び情報ハイウェイの電話・FAX回線への利用が完了すれば、地上系を廃止可能という結論だった。
しかし、ヘリサットは現在実証試験段階で、消防防災ヘリが耐空検査を受ける平成23年度までに実用化される目途はたっていない。その次にヘリ整備が実施できるのは、更新期となる平成27年度であり、その間は地上系を使わざるを得ないことから、それまで延命することは不可能な地上系を更新する。
(他県の応援ヘリのヘリテレ映像を受信するためには、地上系が必要である。)
3 更新内容
・ヘリテレ映像、テレメータデータの収集伝送に必要な8中継局と本庁、総合事務所間に限って、IP対応の地上系無線を整備。
・ヘリテレ映像、テレメータデータ、電話・FAXをIP化し、情報ハイウェイを代替ルートに利用。
4 必要経費
○整備費 430,350千円
・内訳(税抜き)
地上系(汎用方式IP化) 295,020千円
ヘリテレIP化 60,240千円
テレメータ(アナデジ変換)IP化 26,600千円
電話・FAX(市町村等) 28,000千円
○基本・実施設計費(平成22年度要求分)
19,078千円
○参考
・通常経費(年) 21,090千円
保守委託料 12,900千円
衛星携帯電話賃借料50台 8,190千円