1.査定内容
【ゼロ査定】
県産材を使った木造住宅の普及や地元工務店等の支援については、他事業の活用により目的達成が可能と判断される。
2.復活要求理由
・当該補助事業は、県産材を活用した木造住宅の普及という目的以外にも、木造住宅に係る事業者団体の自主的な活動を支援することで、事業者団体の組織力強化や異業種も含めた住宅関連事業者間の連携体制整備を図ることが目的であり、これは他事業では達成できない。
・県からの助成が唐突に打ち切りになると、団体の士気や今後の活動に支障をきたすことが懸念される。
・大手住宅メーカーに比べ営業力、商品開発力の弱い県内木造住宅生産者の広報宣伝活動を支援することは、県産材の利用拡大、県内の経済への波及効果の観点から必要。
⇒これまでの活動実績を踏まえ、事業内容や事業費の見直しを行ったうえで、助成経費の下方修正し復活要求を行う。
<主な事業内容の見直し>
・イベントに具体的なテーマを掲げ、テーマに沿った内容とする。
(例:環境配慮住宅)
・地元工務店が建設した住宅の現地見学会を行い、来場者に実際の木造住宅の良さを体験してもらう。
・前回のイベント来場者の要望により、住宅リフォームに関する相談窓口等を設置。
3.事業概要
木造住宅の建設に携わる者の組織する団体が行う下記の目的を達成する事業を支援する。
・木造住宅の普及推進(フェア、講演会等)
・県民の住文化の向上
・森林環境保全及び県産材需要拡大の推進
・伝統技術の普及及び継承
<事業主体> 木造住宅の建設に携わる者の組織する団体
<補助率> 当初課長要求時:事業費の2/3を助成
⇒補助率を1/2に見直し。
<復活要求額>
助成経費;6,000千円×1/2=3,000千円
(国;4.5/10 県;5.5/10)
4.背景・目的
住宅の着工戸数が年々減少するなか、県内工務店の多くは大手住宅メーカーの商品力・営業力に押され、苦戦を強いられている。
林業、製材、大工・左官等と、多くの産業が関わる木造住宅は地域の風土に根ざした家であり、それは、伝統、地域の経済、文化という観点からも振興が必要である。
このため、木造住宅に係る生産者団体の企画力向上、また県民に広く木造住宅の魅力を伝え、県産材需要拡大を推進する団体の活動を支援することにより、地元住宅産業の振興と森林・林業の活性化を行うとともに伝統技術の継承に資する。
5.支援の必要性
県産材や伝統的技術を活用した木造住宅は、環境負荷の低減に貢献するものであり、そのような住宅の良さを県民に広くアピールすることは、ニーズ喚起の上で重要である。
本事業の助成対象である県民に対し、木造住宅の普及推進を目的とした「木の住まいフェア」等のイベントは、本県が取組むCASBEEや鳥取エコハウスの概念とマッチした理念のもと行われるものであり、県施策のPRも期待できることから、県として支援したいと考える。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○一般社団法人鳥取県木造住宅推進協議会 開催
・木の住まいフェア開催(平成19年〜平成21年度)
講演会、県産材を使用した住宅施工事例の写真パネル展示、住宅相談会、体験型イベントや歴史的町並みを歩きながら、歴史的建造物や地元工務店が施工した木造住宅の見学を実施。
〔平成21年度実績〕
平成21年9月26日〜27日 :鳥取産業体育館
平成21年9月27日 :米子市文化ホール
平成21年10月17日 :倉吉市仲ノ町 打吹公園周辺
○『住まい・職人の技inくらよし』実行委員会 主催
・「住まい・職人の技inくらよし」の開催(平成20・21年度)
倉吉市の旧牧田家周辺において、木造住宅の良さや伝統技術の普及啓発を目的としたイベントを実施。
〔平成21年度実績〕
平成21年11月21日〜23日:倉吉市東岩倉町 倉吉淀屋(旧牧田家住宅)
これまでの取組に対する評価
・業界の県民に対する木造住宅の普及促進のPR手法に関するノウハウが蓄積できた。
・イベント来場者から、イベント開催後に見積依頼があり、受注に繋がったケースがあった。
・イベント来場者からは、県産材や木造住宅に係る情報収集、勉強の場として高い評価を得ており、9割の来場者からは、今後の継続開催を要望している。