1 事業の概要
企業局西部事務所内の日野川工業用水道施設において実施予定である「大規模ソーラー発電パイロット事業」について、その経費の一部を電気事業会計から工業用水道事業会計へ支援する。
2 背景
(1)1997年12月の京都議定書採択以降、温室効果ガス削減の取り組みが活性化し、新政権下においても、CO2削減量を2020年までに25%減(1990年比)の目標が設定された。
(2)太陽光発電導入促進の助成制度が整備され、今年11月より「太陽光発電の新たな買い取り制度」もスタートし、また、鳥取県においても「鳥取県発グリーンニューディール」に太陽光発電の導入促進が掲げられており、導入への環境が整いつつある。
(3)大規模太陽光発電については、設置スペースの確保、採算性等の面から導入が進んでいない。
3 電気事業が同事業を支援する理由
(1)左記背景の中、温室効果ガス削減を目的とするクリーンエネルギー導入を目指すのは、本来電気事業の役割。
(2)この意味で、電気事業において温室効果ガス削減に大きな役割を果たす太陽光発電の導入を図りたいが、現行では、国、県の導入支援策が示されているものの採算性において難があるところ。
(3)このような状況の中、自家消費型の太陽光発電は、購入単価等で有利であり、日野川工業用水道における太陽光発電が採算性確保に最も近い存在。
(4)このため、電気事業としては、同計画を財政的に支援しパイロット的に事業化させることにより、将来的にはメガソーラー発電導入も考えられる県西部地区での実証データを得、将来の本格的太陽光発電導入に活用したい。
(5)また、太陽光発電での二酸化炭素削減により次の活用を検討する
ア 県庁率先計画削減目標への寄与
イ 「カーボンオフセット」または「グリーン電力」の証書化を行い イベント等への活用、ユーザー等への配布
4 所要経費
発電施設建設後20年間において見込まれる損失分を支援。
年度 | 太陽光発電事業費
(工業用水道会計) | 交付金
(電気事業会計) |
22年度 | 6,459千円 | 1,256千円 |
23年度 | 191,886千円 | 44,764千円
(電気事業会計の収支を勘案しながら支援する) |
24〜25年度 | − |
合計 | 198,345千円 | 46,020千円 |
5 電気事業会計への影響
電気事業会計では、今後の事業資産に対し投入する自己資本報酬が過去10年平均で79,312千円/年発生しており、今後も同様に見込まれることから、同事業へ支援による経営への影響は少ない。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
平成21年度当初予算で、太陽光発電事業可能性調査として企業局西部事務所において概略検討を行った。
地域活性化・経済危機対策臨時交付金、地域グリーンニューディール基金等で予算要求。
これまでの取組に対する評価
検討の中で、採算性の確保が課題となっており、事業後のカーボンオフセット等への有効活用など検討したが市場規模がまだ熟していないため、当面は将来応用可能である電気事業からの補填する考えを採用した。