1 事業内容
DV防止法第2条の3に基づく県の基本計画「配偶者等からの暴力防止及び被害者基本計画(鳥取県DV被害者支援計画)」(平成20年2月改定)により、DV被害者の保護及び支援の充実・強化を図る。
(1)婦人相談所を中心とした関係機関との連携を強化するためのネットワークの整備
ア DV関係機関連携強化事業[1,871(1,871)千円]
【事業主体】県
【事業内容】
○DV被害防止事例検討会の開催(全体会2回、圏域別各2回)
○「配偶者等からの暴力防止」関係機関連絡会の開催
(全体会1回、圏域別各3回)
イ DV被害者支援推進会議[873(207)千円]
【事業主体】県
【事業内容】
○「鳥取県DV被害者支援計画」の取組状況の進捗管理及び当面必要な課題に対応するための有識者、関係機関の職員等による推進会議の開催。
○(臨)「鳥取県DV被害者支援計画」の改定年度となる(平成20年2月に改定。改定後3年間を計画期間としている。)ため、当該計画を再検討し、今後の取組等をまとめ改定する。(推進会議において計画改定をおこなうこととする。)
(2)暴力を許さない社会を実現するための教育・普及啓発の実施[1,113(1,302)千円]
【事業主体】県
【事業内容】
○「女性に対する暴力をなくす運動」期間中の街頭キャンペーン、講演会の実施
○市町村等が開催するDV研修への講師派遣
(3)被害者への適切な対応を行うための研修体制の充実
ア 支援者の養成とスキルアップの実施[532(532)千円]
【事業主体】県
【事業内容】DV被害者の保護や支援に関わる担当職員等を対象に、DVに関する基本的知識から電話応対、面接技法等の技術を習得するための研修を開催(基礎・応用研修各1回)。
イ 外国人DV被害者支援員(通訳者)の養成
[330(330)千円]
【事業主体】県(外国人DV被害者への支援を行っている団体へ研修実施を依頼。)
【事業内容】外国人DV被害者支援員養成研修の開催(年1回)。
※研修受講修了者は、県の外国人DV被害者支援員として、外国人DV被害者への相談場面等で通訳をしていただく。
(4)DV相談支援センターの強化
ア DV被害者心のケア事業[4,012(4,012)千円]
【事業主体】県(福祉相談センター・西部福祉保健局)
【事業内容】
○婦人相談センターに心理療法担当非常勤職員の1名配置に必要な人件費、活動費
○西部心と女性の相談室の心理療法士(県職員)の活動費
【活動内容】
○DV被害者への心理面接
○DV被害者の心身の健康状態等の理解と本人への情報提供等の援助心理療法等
○婦人相談所職員、DV被害者支援団体スタッフ等への助言
イ DV被害者支援体制強化事業[277(277)千円)
【事業主体】県
【事業内容】
区分 | 実施内容 |
ア)ケース検討会の開催 | 施設等の職員、スタッフの対応が困難な事例について、精神科医、臨床心理士等による助言を加えながら評価・検討を行い、適切な処遇を行うことができるよう支援する。
【対象】
・社会福祉施設及び民間支援団体の職員等 |
イ)心のケアの実施 | 支援者の二次受傷、燃え尽き防止のため、施設等の要請に応じて随時実施する。
【対象】
・社会福祉施設及び民間支援団体の職員等 |
(5)DV加害者電話相談の実施
[596(596)千円]
【事業主体】県
【事業内容】
○加害者更生のため、臨床心理士等によるDV加害者電話相談を毎月1回実施(第3金曜日:18時〜21時)
○DV加害者相談電話を受ける相談員の研修の開催(年1回)
2 前年度からの変更点
○鳥取県DV被害者支援計画の改定
H20年2月に改定した「鳥取県DV被害者支援計画」の改定年度となるため、「DV被害者支援推進会議」において計画の改定を行う。(推進会議の開催 例年2回→5回)
3 背景・目的
「鳥取県DV被害者支援計画」(平成20年2月改定)に基づく諸施策を推進することを通じて、女性の人権擁護に対する意識を社会に浸透させ、女性に対する暴力を許さない社会の実現を目指すとともに、未然防止や被害者支援体制の充実を図ることを目的とする。
所要額 9,604(9,127)千円
(単位:千円)
事業区分 | 対象経費 | H22要求額 | 財源内訳 | 国庫 | その他 | 一般財源 |
関係機関連携強化事業 | 報償費、旅費等 | (1,871)
1,871 | 国1/2
県1/2 | (407)
407 | (0)
0 | (1,464)
1,464 |
DV被害者支援推進会議 | 委員謝金、旅費等 | (207)
873 | 単県 | (0)
0 | (0)
0 | (207)
873 |
女性に対する暴力防止普及啓発事業 | 報償費、旅費、啓発物品購入費等 | (1,302)
1,113 | 国1/2
県1/2 | (169)
169 | (0)
0 | (1,133)
944 |
支援者研修事業 | 報償費、旅費等 | (532)
532 | 国1/2
県1/2 | (39)
39 | (0)
0 | (493)
493 |
外国人DV被害者支援員養成事業 | 報償費、旅費、支援員活動費 | (330)
330 | 国1/2
県1/2 | (165)
165 | (0)
0 | (165)
165 |
DV被害者心のケア事業 | 心理療法担当職員人件費、活動費 | (4,012)
4,012 | 国1/2
県1/2 | (897)
897 | (13)
13 | (3,102)
3,102 |
DV被害者支援体制強化事業 | 報償費、旅費 | (277)
277 | 単県 | (0)
0 | (0)
0 | (277)
277 |
DV加害者電話相談事業 | 報償費、旅費等 | (596)
596 | 単県 | (0)
0 | (0)
0 | (596)
596 |
合計 | ![](/icons/ecblank.gif) | (9,127)
9,604 | ![](/icons/ecblank.gif) | (1,677)
1,677 | (13)
13 | (7,437)
7,914 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
「鳥取県DV被害者支援計画」(平成20年2月改定)に基づき、DV被害者の保護及び支援の充実・強化を進めている。
(1)本県では、平成12年度に「女性に対する暴力防止」関係機関連絡会を発足させ、各機関の取組状況や認識を相互に知り、課題を共有してきた。各圏域では、婦人相談所、中部・西部福祉保健局心と女性の相談室が中心となり、関係機関に対し定期的な研修や情報交換等を実施し、連携を図りながら組織的に被害者支援に取組んでいる。
(2)県民一人ひとりがDVについて理解を深め、暴力の潜在化を防ぐとともに、一人で悩んでいる被害者に相談窓口などの情報を提供できるよう、広報・意識啓発を進めており、毎年女性に対する暴力をなくす運動期間中(11/12〜11/25)には、街頭キャンペーンを実施し、DV相談窓口の書かれた啓発チラシ及びポケットティッシュを配布している。
<平成21年度実施状況>
11月12日(木)には鳥取・倉吉・米子各駅前、15日(日)にはジャスコ北店、パープルタウン、イオン日吉津店にて街頭キャンペーンを実施。啓発チラシ及びポケットティッシュを各3,000部配布した。
(3)平成21年度から、これまで各圏域で実施してきた研修について、全県でDV被害者支援に必要な知識や相談技術を体系的に習得できるよう、研修体制の見直しを行い、職員の質の向上を進めている。
(4)平成18年度から外国人DV被害者への相談、支援に対応するための通訳の確保を進めている。
<通訳登録者数 11名>
(5)被害者の相談や支援に当たる職員等の代理受傷等に対する心のケアを実施している。
(6)平成18年10月から、加害者からの相談を受ける電話相談窓口を開設し、自らの暴力を反省し更生の意思のある加害者の支援を実施している。
・平成18年度 7件
・平成19年度 1件
・平成20年度 2件
・平成21年度 1件(平成21年11月現在)
これまでの取組に対する評価
・平成22年度は、「鳥取県DV被害者支援計画」(平成20年2月改定)の改定年度(策定後3年間を計画期間としている。)となるため、当該計画を再検討し、改定版を策定することとしている。
※DV被害者支援推進会議の中で実施。
・平成19年7月にDV防止法が改正され、DV被害者支援の市町村の責務が拡大された。
「鳥取県DV被害者支援計画」(平成20年2月改定版)においても、市町村における基本計画の策定と支援窓口の一元化の検討を今後の重要な取組事項として、計画に盛り込み、市町村の担当職員との連携や職員資質の向上のための研修実施を行っているところであるが、市町村によって取組状況は様々。
・今後、市町村における計画策定の促進、DV相談支援センターの設置検討をし、身近な相談窓口、地域における支援体制の整備をしていくことが必要。
・県事業についても、計画改定にあわせ、これまで実施してきた事業の成果を含め、実施事業の継続性等についても、再検討することとしている。
<主要課題>
・研修体制の見直し。
・DV加害者電話相談事業の実施については、行政で実施する必要性について検討する必要がある。
・外国人DV被害者支援員の確保