1 目的
利用者の多様なニーズへの柔軟かつ迅速な対応に配慮した管理運営サービスの向上を図り、また産学官連携や人材育成等の施設機能を最も効率的・効果的に発揮するためには民間手法の導入が不可欠であることから、平成23年4月に開設(予定)するとっとりバイオフロンティアに指定管理者制度を導入する。
このため、当該施設の管理運営業務を指定管理者に委託するための債務負担行為を設定する。
2 指定期間
3年(平成23年度〜平成25年度)
3 指定管理者の選定方法
指名指定による。
(指名先)財団法人鳥取県産業振興機構を想定
(理 由)同機構は、これまで県と連携してバイオ産業の振興に取り組んでおり、また、県内企業の起業化支援、産学官のマッチング、人材育成等の実施により蓄えた知識、ノウハウ等を有している。
(指定管理の手続きに係る主なスケジュール)
○平成22年10月:「設置及び管理に関する条例案」、「指定管理に係る委託料の債務負担行為」の議決〔9月議会〕
○平成22年12月:指定管理者審査委員会の開催(候補者選定)
○平成23年 3月:指定管理者の指定、「平成23年度管理委託料予算」の議決、協定書の締結〔2月議会〕
○平成23年 4月:開所
4 業務内容
(1) 施設等の利用許可及び利用許可の取り消し
(2) 施設設備の維持管理、運営
(3) 施設利用者の研究開発等の支援
(4) バイオ産業分野の人材育成
(5) その他知事のみの権限に属する事務以外の業務
5 利用料金
指定管理者があらかじめ知事の承認を得て定める料金をその収入として収受させる。
【参考】
収入見込みにあたり、利用料を2,800円/u(月額)とする。ただし、今回の指定管理期間(最初の3年間)は、施設の利用促進を図るため、1,400円/u(月額)に設定(減額)した利用料により収入を見込む。
6 限度額 198,993千円
※地元自治体から経費の一部が負担される見込み。
7 余剰金の取り扱い
委託料に余剰が生じた場合、全額を県に返納。返納された余剰金のうち、経営努力(複数年契約導入による節減額等)によらない額を控除した額の1/2に相当する額の範囲内で、指定管理者(指名)が公益事業の実施や当該管理施設の運営に活用することを目的として基金を設置する場合にその積立て経費として助成する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・「とっとりバイオフロンティア設置覚書」の締結(H21.5)
産学官の関係機関により、とっとりバイオフロンティアを拠点として、新産業創出や県内産業の高付加価値化を目指すための協力、支援、連携を確認する覚書を締結。
・地域産学官共同研究拠点整備事業に採択(H21.12)
とっとりバイオフロンティアにおける研究設備等の整備財源として、(独)科学技術振興機構の拠点整備事業に採択。
・とっとりバイオフロンティア推進室の設置(H22.2〜)
(財)鳥取県産業振興機構にバイオフロンティア推進室の設置、専門職員の配置を行い、とっとりバイオフロンティアを拠点とする事業化方策の検討や入居企業確保のための訪問など、ソフト面での事業推進の体制を整備。
・地域イノベーションクラスタープログラムの採択(H22.6)
これまでに鳥取大学の有するヒト人工染色体工学等の技術をベースにした研究事業(文部科学省、都市エリア産学官連携促進事業(一般型、H18〜H20))を実施。
この研究成果を活かして、ヒト人工染色体工学技術(ヒト型遺伝子マウス、食品等の機能性評価システム)の実用化研究を行う財源として、文部科学省の産学官共同研究事業に採択。
・とっとりバイオフロンティアの整備(H22.8〜)
施設設備の新築工事に着手(H22年6月補正予算)
これまでの取組に対する評価
・都市エリア産学官連携促進事業(文部科学省)等を通じて、産学が連携して地域産業に貢献する技術を開発する体制の基礎が形成された。
・さらに、とっとりバイオフロンティアの整備により、県内にバイオ産業の集積を形成するためのハード面での基盤は整いつつある。
・バイオ産業の集積の形成のためには、同施設のバイオ分野の研究開発や事業化の支援、専門人材の育成等の機能を、産学官が連携して十分発揮させることが不可欠。