1 事業内容
●河川の重要魚種であるアユの資源状況を把握し、資源回復プランの効果を検証するとともに、安定した資源確保のための規則改正に必要な資料を収集する。
●東郷池の重要魚種であるヤマトシジミの資源状況を把握し、安定した資源確保のための資料を収集する。
●また、コイ、フナ、ワカサギ、シラウオについては資源保護上規則改正が必要と思われる箇所について、産卵実態を把握する。
【調査内容】
●アユ資源生態調査・・・3河川において以下の調査を行う。
・遡上量の目視調査
・流下仔魚量のプランクトンネット調査
・電気ショッカーを用いた成魚の資源調査
・その他用水路への迷入、魚道効果のための電気ショッ
カーを用いた資源調査
・冷水病感染率調査
●ヤマトシジミ資源調査・・・東郷池において以下の調査を行う。
・採泥器によるシジミの分布調査
・池内飼育実験による成長、生残調査
・漁獲状況の把握
●コイ・フナ等産卵実態調査
・湖山池及び東郷池内と両池流入河川での産卵状況調査
2 概要・背景
●アユについては、平成16年に資源状況が悪化したのを受け、平成17,18年に資源回復調査を行い、資源回復プランを作成したところであり、現在このプランに沿って、魚道整備等の施策を展開中である。
●東郷池のヤマトシジミは、平成13年に激減し、その後回復基調にあるが、地元からは安定生産を要望されている。
●コイ・フナ等については平成19年から21年までの調査で、禁止区域、禁止期間等の変更の提言を行ったところであるが、規則改正に必要なさらなる調査を要望されている。
3 効果
内水面における重要魚種の資源生態を把握することで、水産振興策に対する資料を提供し、安定生産のための漁獲方法、規則改正について提言することにより、漁業の安定生産が図れる。
4 経費
●アユ資源生態調査(3,062千円)
報酬(測定等補助員) 565千円
備品費(電気ショッカー) 1,365千円
委託費(標識放流用アユ生産) 676千円
その他 456千円
●ヤマトシジミ資源調査(1,750千円)
報酬(測定等補助員) 594千円
その他 1,156千円
●コイ・フナ等産卵実態調査(168千円)
報酬(測定等補助員) 68千円
その他 100千円
5 その他
本事業は、平成21年度事業の魚の棲む豊かな湖沼河川再生調査及びあゆ資源回復対策事業を整理統合したものである。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
前年度までは東郷池について豊かな湖沼河川再生調査で、県内3河川の鮎資源についてはあゆ資源回復対策事業で対応し、各池、河川の重要資源の動向、回復策について対応してきた。
これまでの取組に対する評価
これまでは、湖沼、河川を別々のものとして調査してきたが、目的としては重要資源の動向、回復策について調査、研究するものであり、一つの事業として扱うのが妥当として、22年度から一事業とした。また、県としては、湖沼、河川の水産重要資源の動向を調査し、振興策を講じるためには、本調査事業は必要不可欠と考える。