1 事業の概要
○遊休農地の解消の有効な手段として、和牛やヤギの放牧を推進するため、レンタルシステム運営支援と放牧実施地区の巡回・指導を行う。
2 事業内容
(1)レンタルシステム支援事業
ア 和牛
放牧可能な和牛のデータを一元的に管理し、耕種農家や畜産農家が連携して放牧に至るまでの事務や運搬の手配を行う。(委託)
イ ヤギ
貸し出し用ヤギを保有し、放牧馴致、貸出事務や運搬の手配を行う。(委託)
(2)フォローアップ
既に放牧を開始した地区への専門技術者による定期的な巡回指導、助言。(委託)
(3)新規拡大
新規に放牧に取組む地区の掘り起こし、地元説明支援。
(4)条件整備
ヤギの飼育頭数確保のため、飼育舎を整備する経費に対し助成。
(補助率1/2)
3 復活要求額
4 復活の理由
・平成20年〜21年度に実施した「〜どうぶつの守(もり)〜放牧で守る里・山・田んぼプロジェクト事業」により、東部地区において耕作放棄地解消対策の一手法として和牛及びヤギの放牧が急速に拡大。
・当該事業等により新たに放牧を始めた地区においては、まだ放牧の技術的な面や牛、ヤギの管理で未熟な点が多い。
・これら既に放牧を開始した地区への定期的な巡回によるフォローアップが必要。
・一方、耕作放棄地対策としての放牧に新規に取組む地区の掘り起こしも必要。
・牛、ヤギのレンタルシステムは放牧を進めていく上では不可欠でなものであるが、それ自体で儲かるものでないため、行政の支援が必要。
・ヤギについては、頭数不足で農家の要望に応えることができなかったことから、飼養頭数確保の条件整備が必要。
5 事業実施期間
平成22〜23年度
6 財政課長査定の結果と対応
<財政課長査定>
○鳥取県中山間ふるさと農山村活性化基金運用益での実施を検討してください。
<対応結果>
基金を管理する耕地課と協議した結果、放牧新規拡大事業の60千円は運用益での実施可能との判断から、運用益(財産収入)を充当。
それ以外は、充当困難との判断から一般財源で復活要求。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<政策目標>
・遊休農地の解消面積 23年度末65ha
<取組状況>
・事業により、和牛はH20、21に県東部地域で5ヶ所ずつ、ヤギはH20に5ヶ所のモデル放牧ほ場を設置し、放牧技術の普及と農地管理の有効性をPR。
・和牛は在団法人鳥取県畜産振興協会、ヤギは鳥取県畜産農協に業務委託し、レンタル放牧システムを創設。
・ヤギ放牧は問合せや要望が多いものの飼育頭数が少ないため、H21は放牧希望に応じられない状況。
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
・モデルほ場設置により、放牧の有効性が認識され放牧面積が拡大。
H19 H20 H21
和牛 12ha 20ha 25.4ha
ヤギ 0ha 4.6ha 2.1ha
計 12ha 24.6ha 27.5ha
・和牛放牧による飼養管理の省力化で、和牛繁殖雌牛の増頭。
(例:A農家 H19年 10頭 → H21年度 21頭)
・ヤギ放牧は県民に親しみやすく、「遊休農地」や「農地保全」に対する
興味、動機づけに有効。
・和牛を新規に放牧開始した地域では、まだ飼育管理に対する不安が
ある。また、小規模な放牧地では移動作業が大きな負担。
<改善点>
・関係機関の役割分担を整理。(フォローアップと新規拡大)
・和牛放牧継続地区への巡回指導の業務委託を追加
・ヤギの飼養頭数を確保するための条件整備