1 事業概要
鳥取市福部町で多大な被害を与えている「梨赤星病」の被害軽減対策に対して支援する。
2 事業内容
(1)適期防除支援事業
事業主体:鳥取いなば農協福部支店
●発生予察
防除適期を把握するため、ビャクシンの冬胞子及び梨のさび胞子形成状況を調査(生産部、JA、市、農林局、病害虫防除所)
●ビャクシンに対する薬剤防除
胞子形成が行われる前(3月下旬〜4月上旬)の一斉防除に要する経費助成 (補助率:県1/3、市1/3)
●梨に対する薬剤防除
・発生予察に基づく防除指導 (生産部、JA、市、農林局、病害虫防除所)
・防除適期の広報 (生産部、JA、市)
・追加防除(5月上旬・3回目)に要する薬剤経費助成 (補助率:県1/3、市1/3)
(2)品目転換支援事業
事業主体:鳥取市
・ビャクシンにごく隣接した梨園に対して、ブドウ等への品目転換について助成(単市事業)
(3)地域住民や苗木業者に対する啓発活動
・ビャクシンを植えている施設、所有者、住民への説明と防除の実施についてお願い (市、生産部、JA、農林局)
・赤星病に対する理解とビャクシンの新たな植栽を行わないよう啓発 (生産部、JA、市、農林局、生産振興課)
・ビャクシンの販売業者等に対する販売自粛のお願い(実施中)
(生産部、JA、市、農林局、生産振興課)
(4)防除効果の検証
・2年間の防除効果の検証により既存のビャクシン類の樹種転換の必要性を検討 (生産部、JA、市、農林局、病害虫防除所)
3 要求額
事業内容 | 補助対象経費 | 補助率 | 補助金額 |
ビャクシンに対する薬剤防除 | 防除経費(専門業者へ委託) 1,627千円 | 1/3 | 543千円 |
梨に対する薬剤防除 | 3回目の薬剤経費(10a当たり1,800円) 738千円 | 1/3 | 246千円 |
合計 | | | 789千円 |
※鳥取市も同額を助成予定
※補助事業開始は3月下旬、終了予定は5月下旬のため、平成22年度へ予算繰越 → 22年度当初予算で計上
4 背景
【現状】
▼ 県内の梨赤星病は過去の撲滅運動等により大きな問題にはなってないが、近年福部町の観光梨園を中心に被害が多発している。
▼ 赤星病:中間宿主であるビャクシン類から胞子が飛散して梨に感染し、落葉、変形果を発症させる病気。収量減、品質低下を招く。
<考えられる原因>
▼ 梨園と近接して中間宿主となるビャクシン(貝塚伊吹)が植えられており、越冬胞子の発生源となっている可能性大
▼ ビャクシンが生垣として植えられている新興住宅地が増加
▼多発園では梨の適期防除ができていない。また、ビャクシン類への防除は所有者の理解が必要なため勝手に防除できない。等
【目標】
福部町内における赤星病菌発生農家 → ゼロ!(H25)
(参考)福部町梨農家 赤星病発生率調査結果(H21.6.18 生産部、普及所調査)
農家数25件 → 多〜甚:13件 中:3件 無〜小 9件
5 財政課長査定結果
ビャクシンに対する薬剤防除の2回目及び梨に対する薬剤防除の実施時期が22年度となることから、ビャクシンに対する薬剤防除の1回目も含めて22年度当初予算で要求して下さい。