これまでの取組と成果
これまでの取組状況
これまでの当所における実態調査結果において、以下のことが明らかとなった。
・黄砂観測日には、アルミニウム、鉄、カルシウムといった土壌由来の元素濃度が上昇することが確認され、黄砂飛来の判定に有力な指標とできる。
・大気汚染物質である硫酸イオン・硝酸イオンが高くなる場合があり、汚染物質の長距離輸送が考えられる。
・マンガン、ニッケルといった重金属類も黄砂観測日に上昇する。
・黄砂観測日には微小粒子状物質の濃度上昇が観測された。
・パイロット試験では黄砂観測日の真菌数が非黄砂日と比較してやや多い傾向にあった。
・パイロット試験では黄砂観測日の粉じん量と花粉アレルゲンとの相関は弱く、黄砂によって引き起こされるアレルギー症状と花粉アレルギー症状を分類できる可能性がある。
これまでの取組に対する評価
・黄砂による健康影響について、鳥取大学医学部のアンケートによる影響調査と当所での化学分析等による原因究明を同時に実施している事例は今のところ見られていないことから、先進的な取組と考えられる。(喘息患者、健常者も含め)