1 事業の概要
さし木ヒノキ材と実生ヒノキ材の木材材質を比較検討することにより、さし木により増殖された、さし木ヒノキ材の木材材質を明らかにする。
2 期待される効果
さし木により生産されたヒノキの木材材質をいちはやく明らかにし、さし木苗による品質のよいヒノキ材造林技術の可能性を明らかにできれば、今後の県産材の品質向上につながる。
3 事業の内容
・毎木、形態調査
樹高、胸高直径を測定する。
樹形、通直性、完満性、枝の特性等の歩留まりに関係する項目を調査する。
・材質調査
年輪幅、含水率、容積密度、仮道管長等の成長、強度等に関係する項目を調査する。
・強度試験
非破壊による方法(縦振動法)と実大材による方法(実大強度試験)により行う。
・情報提供
調査結果を林家、森林組合等に提供し、県産ヒノキ材の品質向上につなげる。
4 これまでの成果
・樹高、胸高直径は、実生林に比べさし木林は変動が少なかった。
・生材含水率の水平変動は、髄からの距離4cm以降において実生林に比べさし木林は低い値で推移し、かつ変動が少なかった。
・容積密度数の水平変動は、実生林に比べさし木林は高い値で推移し、かつ変動が少なかった。
・丸太における動的ヤング係数は、実生林に比べさし木林は高い値を示し、かつ変動が少なかった。
・以上より、実生ヒノキ材に比べさし木ヒノキは品質的に安定していると考えられる。
5 今後の課題
さし木ヒノキ材の材質調査、強度試験等を行い、実生ヒノキ材の試験結果と比較することによってさし木ヒノキ材の特性を解明する。
6 その他
事業期間:平成20年度〜21年度(21年度で終了)