1 事業概要
県内中小企業の新事業創出や販路開拓を支援するため、(財)鳥取県産業振興機構の企業支援及び体制整備に要する経費を補助する。
2 財政課長査定
項目 | 課長要求額 | 査定額 | 復活要求額 ( )内は前年度額 |
事業化育成支援事業 | 30,214千円 | ゼロ | 22,893千円(30,589千円) |
専門家派遣事業 | 6,290千円 | ゼロ | 6,290千円(6,290千円) |
販路開拓支援事業 | 53,675千円 | ゼロ | 52,962千円(58,556千円) |
支援体制整備事業 | 99,930千円 | ゼロ | 103,149千円(96,603千円) |
事務費
内 枠外978千円 | 1,204千円 | ゼロ | 1,204千円(1,493千円) |
| 191,313千円 | ゼロ | 186,498千円(193,531千円) |
※経営サポートセンター事業 課長要求額 172,501千円
※打って出る鳥取のものづくり支援事業 課長要求額 18,812千円
○(財)鳥取県産業振興機構については、近年、様々な事業に付随して非常勤職員が増大しており、労務管理面や業績評価の仕組みを抜本的に見直すことが必要と考えます。
○また、各種商談会・展示会について、県の経済成長戦略や北東アジア貿易などを踏まえた戦略や、出展後のフォロー体制について、これまでの効果検証を行った上で事業構築すべきです。
○したがって、改革の方向性が示されるまで、現段階での計上を見送ります。
3 部長復活方針
○民間主導による中小企業支援を継続して推進することができるよう、鳥取県産業振興機構の事業及び組織のあり方について中長期ビジョンを作成。一方、県施策における産業振興機構の位置づけを明確にし、必要な体制支援を行う。
なお、体制支援に当たっては、
@来年度から廃止、削減可能な事業には早急に対応し、機構全体の中から経費を捻出する。
A中長期ビジョンに基づき、優先度の低い事業について見直しを行い、段階的に廃止等を図っていく。
Bこれらの取組を総合的に実施し、機構の体制について改善、強化を図る。
○打って出る鳥取のものづくり支援事業のうち、情報発信事業は、産業振興機構に移管し、民間主導のもと販路開拓支援全体として効果が上がるよう事業を再構築する。
4 事業の概要
(1)事業化育成支援事業 22,893千円(30,589)
県内企業の製品企画等のアドバイスと経営革新計画の実現に向けた販路開拓などを支援する。
マネージャー(3名)を専門分野(電機・機械、食品、企画・広告)ごとに配置。
(2)専門家派遣事業 6,290千円(6,290)
外部専門家(経営革新アドバイザー)を県内中小企業に派遣
(3)販路開拓支援事業 52,962千円(58,556)
@受発注情報の収集提供 21,538千円(21,461)
県外企業からの受注開拓や県内企業へのあっせん等、商談会のフォロー等支援を行う。
・発注開拓コーディネーター 3名(東京、大阪、名古屋)
・企業取引コーディネーター 2名 (東部、西部)
A商談会等の開催 31,330千円 (37,001千円)
・商談会等の開催 5,588千円 (5,417千円)
・専門展示会への出展支援 21,671千円 (28,372千円)
・商談会等のフォローアップ 147千円(147千円)
・ものづくりカイゼン塾開催事業 2,724千円(1,970千円)
・自動車部品関連産業育成 1,200千円(1,095千円)
B取引条件改善講習会等の開催 94千円 (94千円)
(4)支援体制整備事業 103,149千円 (96,603千円)
本補助事業の実施に必要な管理運営体制の整備(人件費補助等)、新公益法人改革に対応するための経費等
(人件費の内訳)
県派遣職員4名、プロパー職員5名(うち、1名新規)、
理事長人件費、臨時職員3名
(理事長人件費は、退職給与引当金と給与増額分を含む)
(新)新公益法人改革に対応するための経費 2,699千円
・新公益法人制度検討委員会の設置
・新会計基準対応システムの導入
・顧問公認会計士の設置
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
経営サポートセンターとして中小企業に対し、次の支援を実施。
・中小企業の相談対応(ビジネスプラン、マーケティング等) 延べ1,677件(H20)
・法律相談 1件 (H20)
・専門家派遣事業 派遣回数 38企業、233回(H20)
・マネージャー、コーディネーターによる取引あっせん
取引成立件数 51件、取引成立額 94,810千円(H20)
・商談会開催 8回 取引成立件数 15件(H20)
・機構実施の専門展示会への出展 2回 H20は8社1団体出展 商談継続 160件。
・県実施の専門展示会は、H19年度以降13回出展し、共同出展企業
のべ41社(H19 3社、H20 19社、H21 19社)。取引成立、48件。
また、展示会終了後、見込み先に対し各社継続して商談が行われている状況。
・H21年度は、ものづくりカイゼン塾(8回開講)、自動車部品構造研究会を新たに実施。
これまでの取組に対する評価
本事業では、県内中小企業に対する起業化支援と販路開拓支援等を実施。経営サポートセンターとして、県内企業に広く認められ、相談件数が増加している状況を見るに、その活動は評価できる。
経営環境の悪化する中、県内中小企業を支援することを目的に、国事業にも積極的に取り組んできており、事業量は増加傾向。
地域資源活用や農商工連携等による新製品の事業化やビジネスプランの作成支援をはじめ、各事業により、新たな取組・製品が生まれている。
販路開拓支援では、マネージャー、コーディネーターの活動により新規取引が成立したり、大手メーカーに対する提案型商談会の開催や企業の提案力、生産管理意識の向上支援に取り組むなど、県内企業の経営に貢献している。
一方、専門性を有する非常勤職員増強にたよった事業の拡大により、管理部門が弱体化していることが問題。平成25年に期限のくる公益法人改革に向けても、組織としての基盤固めが必要であり、中長期ビジョンを作成し、組織・事業のあるべき姿を検討し、組織強化を図る。