1 事業概要
DV、ストーカー、自殺企図者等の相談に係る多種・多様かつ複雑化している相談情報をデータベース化したシステム(24時間運用)を構築し、組織的に情報の共有化を図り、迅速・的確な対応を取ることにより、相談者及び関係者の安全を確保しようとするもの。
2 補正要求理由
事前に相談を受けながら組織的対応の間隙をついたように、相談者等が殺害されるなどの事件等が全国的に発生しているため、警察庁においては、平成22年2月に相談を全件記録し警察署長等幹部が指揮監督するよう指示したところである。
本県においても同種事件の未然防止を図るため、警察安全相談システムを構築し、相談者等の安全を確保する必要がある。
3 要求内容
平成23年7月から運用開始するため、システム機器、プログラム開発等について、平成22年度中にプロポーザル方式により契約することから、企画提案書評価委員に対する報償費・旅費及び開発委託料に係る債務負担行為を要求するもの。
(1)報償費・旅費(別途要求)
39千円(内訳:報償費37千円、旅費2千円)
(2)システム開発委託料(機器・プログラム込み)
18,751千円
(3)その他
ア システム保守料は、プロポーザルの評価対象とし、今後要求予定
イ 端末、回線は既設設備を利用
4 22年度当初要求内容との相違点等
(1)22年度当初要求内容
ア 要求額(5年間保守込みリース) 25,095千円
イ 査定状況 ゼロ
情報を共有化し迅速に対応することで住民サービスの向上を図る手法としては、既存システム(警察LAN)においても可能であり、巨額を投じることによる費用対効果が疑問です。
(2)前回との相違点
ア 情報の共有化は既存システム(警察LANのノーツ)でも可能であるが、警察庁の指示及び個人情報漏洩を防止する観点からも、個人情報を扱うシステムにはアクセスログの採取及び画面コピーの禁止ができることが必須要件である。既存システムでは画面コピーの禁止ができないため、22年度当初要求どおりWeb方式で構築する必要がある。
イ 事業内容の協議により民間事業者の創意工夫が最大限に活用できるプロポーザル方式に変更し、予算の範囲内でかつ品質の良いシステムを構築するもの。
5 現状と問題点
(1)警察安全相談件数
区 分 | H21年中 | H20年中 | H19年中 |
警 察 本 部 | 1,081件 | 1,056件 | 1,104件 |
警 察 署 | 6,895件 | 7,938件 | 8,892件 |
計 | 7,976件 | 8,994件 | 9,996件 |
※H22年2月、警察庁からの全件記録化の指示以降、本県でも相談件数が増加している。
(2)問題点
ア 現在、相談内容は相談処理簿に記載し、関係部署にFAX等を行っているが、組織として相談情報の共有が十分ではなく、必ずしも迅速・的確な対応ができない場合がある。
イ 相談内容や経過措置をデータベース化していないため、類似相談等に対する対処方策の検討に時間を要する。
ウ 現在設置している警察庁相談システムは、統計を中心としており、人定項目、相談詳細内容、処理経過(指導内容等)及び継続相談の内容等が含まれていないため、相談内容を記録化した紙ベースの相談処理簿を作成する必要がある。
6 目的と効果
(1)データベース化した情報を警察LAN端末で照会・検索することにより、組織的に情報の共有化を図るとともに、迅速・的確な対応を行い相談者等の安全を確保する。
(2)随時、業務責任者(警察本部担当者、警察署長・課長)が相談内容及びその後の対応を監視(確認)することで、担当者に対してアドバイスが可能となるだけでなく相談に対する対応の滞りを排除できる。
(3)相談内容や経過措置のデータベース化により、類似相談等に対する対処方策を検討でき、宿日直時等担当者不在時でも専門的な対応が可能で相談業務の効率化が図れる。
(4)当該システムに入力することで相談処理簿と警察庁相談システムへデータが自動作成され、警察官の負担を軽減することができ、事件捜査に振り向けられる。
(5)削減効果による延べ時間
9,065件(22年見込件数)×45分(削減時間)=6,798.75時間
7 構築スケジュール
区 分 | 内 容 |
平成22年9月末までに | 仕様書作成、他部局との協議 |
平成22年10月〜12月上旬 | 調達公告、評価委員会開催 |
平成22年12月中旬〜 | 業者と交渉、契約 |
平成23年1月〜5月中旬 | システム設計・開発 |
平成23年5月中旬〜6月 | 試験運用、改修 |
平成23年7月〜 | 本運用開始 |