1 事業の必要性
特別養護老人ホームの待機者数(在宅待機者数)は、平成21年4月1日時点で558人であり、特に東部圏域で多い状況にある。 県としては、これらの待機者について、地域密着型の介護サービス(小規模多機能型居宅介護、認知症対応型グループホームなど)によって支えることとしているが、第4期市町村介護保険事業計画・老人福祉計画(H21〜H23)で整備する施設をもってもなお補えない(74人分)について、広域型施設サービスの整備を行い待機者の解消を図る。
鳥取県高齢者の元気と福祉のプラン(第4期県計画(H21〜H23))の変更に向けて、平成22年2月、県介護保険事業支援計画・老人福祉計画策定・推進委員会に意見を伺ったところ、了承が得られた。
現在、委員会の意見を踏まえ、第4期県計画を変更中である。
2 事業内容
特別養護老人ホーム70床の整備にあたり、特別養護老人ホームを新築又は増築する法人に対し、助成する。
1床あたり2,250千円以内(補助対象経費の2分の1以内)
3 公募条件
○県東部圏域での整備とすること
○在宅支援・施設環境の改善を推進すること
4 要求額
要求額 | 157,500千円 |
積算 | @2,250千円×70床 |
単価根拠 | ○平成17年度の特養創設又は増設における国交付金単価と同額
○平成18年度以降のユニット化改修及び改築の補助基礎単価と同額。 |
財源 | 全額起債
※「特別の地方債」に充当でき、元利償還金について後年度その100%を普通交付税の基準財政需要額に算入できる。 |
5 補正理由
第4期県計画における介護サービスの見込み・目標として、新たに平成23年度までに特別養護老人ホームの利用者数を70人増やすよう変更中であることから、施設整備の期間を逆算すると、平成22年度補正予算で対応する必要がある。
〔参考〕
平成21年4月1日現在の待機者数と第4期県計画(当初)中の整備定員見込み
圏域 | 特養
待機者数 | 老健
待機者数 | 待機者
数計
@ | 第4期整備定員見込みA | 差引
A−@ |
東部 | 305人 | 55人 | 360人 | 286人 | ▲74人 |
中部 | 82人 | 17人 | 99人 | 152人 | 53人 |
西部 | 171人 | 12人 | 183人 | 175人 | ▲8人 |
計 | 558人 | 84人 | 642人 | 613人 | ▲29人 |
※第4期整備定員見込み(A)は、すべて地域密着型施設(小規模多機能型居宅介護、認知症対応型グループホーム等)で第4期市町村計画に基づき整備される。
地域密着型(平成18年4月からの制度)とは、身近な市町村で提供されるサービスで、市町村が指定監督権限をもつ。
※地域密着型で補えない部分について、県が指定監督権限をもつ広域型施設サービスの整備枠を拡充する。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
鳥取県高齢者の元気と福祉のプラン(老人福祉計画・介護保険事業支援計画)は、老人福祉法第20条の9及び介護保険法第118条の規定により定めている。
第4期県計画(当初)では保険者である市町村等の意向を尊重しつつ、地域密着型サービス等での整備を基本とし、広域型施設は整備しない方針であった。
平成21年4月1日現在の施設待機者数を精査した結果、地域密着型サービスで支えきれない施設待機者に対して、喫緊の対応が必要であることが判明したため、広域型施設の整備枠の拡充について検討を進めてきたところである。
これまでの取組に対する評価
鳥取県高齢者の元気と福祉のプランにおいて、今後の高齢社会のあるべき姿、その姿を実現するための課題や取組の方向性、具体的な施策等を明らかにし、その実現に向けて各種施策を推進してきたところである。
第4期計画の途中ではあるが、第4期計画(当初)では施設待機者の円滑な解消が難しいことが判明したため、緊急的な対応として、広域型施設の整備枠の拡充を図ることとしたものである。