1 概要
わらべ館は、本県出身の音楽家を顕彰する県立童謡館と89‘鳥取世界おもちゃ博を顕彰する鳥取市立鳥取世界おもちゃ館の複合施設として、平成7年7月に設置された。
しかし、設置から15年が経過し、施設設置当初の基本理念に加え、「県民・市民のための施設」、「交流の場」、「地域資源の個性を生かした施設」などの役割を求められるようになり、様々な役割を果たせる施設として必要な展示替えを行う。
2 経緯
平成17年度決算審査特別委員会(平成18年9月議会)において、「わらべ館のあり方を総括的に、かつ早急に検討すべきである。」と文書指摘を受け、平成19年度に、わらべ館あり方検討委員会(委員長:鳥取大学地域学部地域教育学科准教授 塩野谷斉)を設置し、「今後のわらべ館のあり方に関する提言書」が提出された。
提案された基本コンセプト及び具体的な提言について、内容及び実現性等を、県・鳥取市・指定管理者(財団法人鳥取童謡・おもちゃ館)の担当者によるワーキンググループを組織し検討を行い、整備案を作成した。
3 展示替えの実施体制
(1)実施主体
県立童謡館の指定管理者である財団法人鳥取童謡・おもちゃ館が設計から施工まで行う。
(2)財源
財源については、鳥取県立童謡館基金(指定管理料の余剰金積立)を充当し、不足する部分について県が補助金を交付する。
現在の基金残高:24,101,000円
4 展示替えの基本方針
提言書に示された4つの基本コンセプトを実現するために、以下の基本方針により整備案を作成した。
@体験コーナーの充実
整備例:
○新しい子どもの歌→新:わらべシアター(演奏、実演、上映などができるステージを整備)
○遊ぼう広場(トイポケット(靴を脱いで遊べるスペース)の充実)
A調査研究結果を活用した展示の充実
整備例:
○大正の部屋→新:童謡展示室(これまでに収集した資料により、時代を追って童謡唱歌に関する変遷や取組を紹介するコーナーを整備)
○鳥取の音楽家たち(岡野貞一、田村虎蔵、永井幸次の3人に特化したコーナーとする)
B県民、市民、観光客が楽しめる施設(昭和レトロな雰囲気の演出)
整備例:
○遊部屋(3階)の整備(夕暮れ時の路地裏を再現し、昔の遊びを体験できるコーナーを整備) ※鳥取市専有部分
提言書に示された基本コンセプト
○顕彰する施設
童謡・唱歌の作曲をはじめとする郷土出身の音楽家及び‘89鳥取世界おもちゃ博覧会の成功を『顕彰する施設』
○県民市民のための施設
県民、市民が楽しめる同時に、県外からの観光客も楽しめる『県民・市民のための施設』
○交流の場
県民交流の場、異世代交流の場、そして周辺施設をはじめとするさまざまな交流拠点としての『交流の場』
○地域資源の個性を生かした施設
童謡・唱歌、おもちゃなど『地域資源の個性を生かした施設』
5 要求内容
○合計要求額:12,947千円
全体
経費 | 県
負担額 | 財源 | 市
負担額 |
基金 | 県補助金 |
90,272,385 | 36,635,575 | 23,689,229 | 12,946,346 | 53,636,810 |
○展示替え事業費
1階
コーナー名
(主な整備内容) | 区
分 | 県
負担額 | 財源 |
基金 | 県補助金 |
茅葺民家、木造教室
(唱歌教室などを引き続き実施するための備品の更新など) | 県 | 4,263,000 | ○ | |
鳥取の音楽家たち
(岡野貞一、田村虎蔵、永井幸治に特化したコーナー) | 県 | 390,000 | | ○ |
企画展示スペース
(童謡唱歌のコーナーを面積を小さくし、企画展示スペースを確保) | 県 | 1,245,000 | ○ | |
現:大正の部屋
→ 童謡展示室
(時代を追って童謡唱歌の変遷を紹介) | 県 | 3,601,250 | | ○ |
現:新しい子どもの歌
→ わらべシアター
(演奏、実演、上映などができるステージを整備) | 県 | 5,793,000 | | ○ |
松本英彦コーナー
(順路の最後へ移設) | 県 | 2,175,000 | ○ | |
レストスペース
(休憩できる人数を増やすためイス、テーブル等を追加設置) | 共 | 1,165,500 | ○ | |
エントランス
(館全体の案内板の設置、モニュメントの更新) | 共 | 3,218,100 | ○ | |
案内サイン
(順路、コーナー名、展示物のキャプションを設置) | 共 | 750,000 | ○ | |
小計 | | 22,600,850 | 12,816,600 | 9,784,250 |
2階
コーナー名
(主な整備内容) | 区
分 | 県
負担額 | 財源 |
基金 | 県補助金 |
あそぼう広場、おもちゃ工房
(トイポケット(靴を脱いで遊べるスペース)の拡大) | 共 | 4,636,625 | ○ | |
スロープ壁面
(ポスターを貼る掲示板を整備) | 共 | 150,000 | ○ | |
案内サイン(順路、コーナー名、展示物のキャプションを設置) | 共 | 300,000 | ○ | |
小計 | | 5,086,625 | 5,086,625 | 0 |
○その他経費
内容 | 県
負担額 | 財源 |
基金 | 県補助金 |
設計費、管理費など | 8,948,100 | 5,786,004 | 3,162,096 |
※区分欄の「県」は鳥取県専有部分、「共」は鳥取市との半分ずつの共有部分
6 今後のスケジュール
平成23年のゴールデンウィーク前のオープンを目指して、工程を作成。
時期 | 項目 |
22年9月中旬 | ・プロポーザル方式で業者選定、契約(基金分のみ)、実施設計開始 |
22年10月上旬 | ・予算要求作業、議会上程 |
22年10月中旬 | ・県、市補助金分追加契約 |
22年12月上旬 | ・実施設計完了、(展示物等)工場製作 |
23年2月〜3月 | ・現場工事(わらべ館休館) |
23年4月〜 | ・リニューアルオープン |