1 事業概要
古民家等の空き家の調査・価値評価・活用方法の検討を、市町村・自治会・大学・NPO等と連携して、全県レベルで実施する。
また、空き家古民家の調査だけでなく、地域のニーズの高い以下の2つを追加。
○敷地内で空き家となっている部分建物も活用の対象になることから、一人住まいの住宅なども調査の対象とする。
○個人情報の壁があり、市町村にもなかなか情報が寄せられないことから、地域を特定して外観調査を実施。
2 古民家の活用例
@ UJIターンの居宅として活用
・県外からのUJIターン移住者に対する空き家情報の提供
・所有者と相談の上、UIJターン移住者の居宅として活用
A まちづくり・交流の拠点として活用
・奈良市のNPOが運営する「奈良町物語館」
・鳥取市の旧綿商家を改修した「城下町とっとり交流館・高砂屋」
B ギャラリーとして活用
・智頭町の町家を利用の「ギャラリー・風人洞」
C 宿泊施設として活用
・八頭町徳丸の農家民宿「グリーンツーリズム・やまだ」
・島根県松江市のNPOが運営する古民家活用の「縁の宿」
D 物販施設・レストランとして活用
・日野町根雨のまちづくり会社が運営する「そば道場・たたらや」
・山形県萩生の農家のお母さん達が作る農家イタリアンレストラン「エルベ」
E 福祉施設として活用
・広島県鞆町の大型町家を再生した地域グループホーム「鞆の浦さくらホーム」
3 現状と課題
○当県は、戦災にほとんど遭わず、バブル経済の影響もほとんど受けなかったため、街並みや風景には戦前のよさが残っているところも多い。中山間地域だけでなく市街地も古民家の街並みが見られ、中には、今では手に入らないような素晴らしい部材が使用されるなど、大変魅力のある古民家も少なくない。
○しかし、現在、古民家の中には、空き家として放置されているものが多く見受けられる。
空き家の古民家は、資源として十分に有効活用されていないにとどまらず、今後、景観上及び防災・防犯の支障をきたすおそれが多分にある。
○一方、県・市町村のUJIターン事業において、移住を考えている人から、空き家情報を求められることが多いが、空き家の提供が少ないことから、対応できていないケースが多く、この事業が、UJIターンの促進に役立つものと考えられる。
○空き家ではないが、1人住まいで建物の管理もままならず、老朽化している建物もあり、居住しながらの空き家部分の活用も検討すべきとの声が市町村や地元からあがっている。
○市町村担当課であっても、空き家情報は個人情報等の関係もあり、なかなか把握できなのが現状。また、活用等についても地域全体で考えた方が良いとの声が市町村や地元からあがっている。
4 所要経費
評価委員会経費 | ○報償費221千円
@9,200×8人×3回
○特別旅費105千円
8人×3回 |
建物調査費・外観調査費 | ○委託料390千円
13,000円×30件 |
標準事務費 | ○280千円 |
合計 | 996千円 |
5 廃止理由
市町村等がUIJターンのため同様に空き家収集を行っており、二重作業の状況となっていることから、県としての取組は取りやめる。
今後は市町村が収集した情報の中から活用できる古民家について既存制度の活用等で市町村の支援を行う。