現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成22年度予算 の 農林水産部の弓浜砂丘地野菜の栽培技術の改善と特産品開発
平成22年度予算
当初予算 一般事業  課長要求      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:園芸試験場費
事業名:

弓浜砂丘地野菜の栽培技術の改善と特産品開発

将来ビジョン関連事業(ひらく/食のみやこ鳥取県)

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農林水産部 農林総合研究所園芸試験場 弓浜砂丘地分場  

電話番号:0859-45-4616  E-mail:engeishiken@pref.tottori.jp

トータルコスト

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
22年度当初予算額(最終) 350千円 5,648千円 5,998千円 0.7人 0.3人 0.0人
22年度当初予算要求額 350千円 5,648千円 5,998千円 0.7人 0.3人 0.0人
21年度当初予算額 350千円 5,800千円 6,150千円 0.7人 0.3人 0.0人

事業費

要求額:350千円  (前年度予算額 350千円)  財源:単県 

課長査定:計上   計上額:350千円

事業内容

概略説明

 弓浜砂丘地域の特産野菜である人参の高品質・安定生産技術の確立およびサツマイモのブランド化に向けた高品質化(良食味)など経営安定化技術の確立に取り組む。また、鳥取県の代表的野菜となったブロッコリーの端境期(4月)の解消を図り、有利販売に向けた周年出荷体系の確立が求められており、小積雪地帯における4月どり栽培技術の確立に取り組む。

1 試験の必要性


(1)

ニンジン
  夏まきニンジンでは、播種時期が1ヵ月程度遅くなり(播種時期:8月下旬〜9月上旬、葉たばこの完熟収穫の取り組みによる)、これまでの11月初旬からの本格出荷が可能な早期肥大性品種‘β−312’が導入された。しかし、発芽不良や年明け以降の出荷に不向きなどの栽培上の問題が発生しており、高品質・多収品種の選定が強くの求められている。また、通称「ケロイド症」と呼ばれる表皮がミミズ腫れ状になる原因不明の症状が発生し、品質低下が大きな問題となっており、原因解明と対策の確立が求められている。。
  春まきニンジンでは有利販売を目指した出荷時期の前進化(6月初旬→5月中旬)が求められており、花をつけにくい(晩抽性)早期肥大性品種の選定が急がれている。
  さらには、肥料等農業資材の高騰を受け、経営安定に向けた低コスト施肥技術の確立が求められている。

(2)

サツマイモ
  「浜かんしょ」ブランドの確立を目指し、遊休農地を利用した面積拡大などの取り組みがなされようとしている。しかし、品種‘金時’では栽培地域間や生産者間の食味(甘さ)のバラツキが大きく、販売単価が200円/kg程度と低位安定化している。栽培条件に左右されにくい美味しいサツマイモの栽培法や品種の選定が望まれている。

(3)

ブロッコリー
 近年、栽培面積・販売額が増加し、白ネギ・スイカに次ぐ品目となり、「食のみやこ鳥取県」をPRする中で主要な品目となっている。さらなる有利販売を目指す上で、端境期である4月どりを技術開発し、周年出荷体系を確立することが強く望まれている。

2 22年度の試験内容


(1)

ニンジン
・夏まきニンジンの高品質・多収品種の選定(年内どり、年明けどり)
・「ケロイド症状」の原因解明と対策
・春まきニンジンの高品質・多収品種の選定
・低コスト施肥技術の確立

(2)

サツマイモ
・良食味品種‘クイックスイート’の早掘り栽培および普通堀栽培における年次変動の確認と現地適応性の確認

(3)

ブロッコリー
・適品種の選定と栽培法の確立

3 試験の効果


(1)

ニンジン
・高品質化、作期拡大による有利販売
・収量の安定化と低コスト化による経営安定

(2)

サツマイモ
・高品質化による有利販売
・産地評価の向上と「浜かんしょ」ブランドの確立

(3)

ブロッコリー
・周年出荷体系の確立、産地力強化による有利販売
・ブロッコリー経営の安定化

4 これまでの成果


(1)

ニンジン
・出荷期に根部を食害する害虫を特定し、防除法を確立した。
・各作型における品種特性を明らかにした。
・肥料成分の溶出を調節した肥料を用いた全量元肥施肥は、コスト低下に有効であったが、根部の初期肥大が不十分であり、収量は劣った。
・「ケロイド症状」の発生要因として、生育初期の土壌水分が関係していると考えられた。

(2)

サツマイモ
・良食味品種‘クイックスイート’は早掘り栽培および普通堀り栽培のいずれにおいても栽培上の問題がなく、有望品種と考えられた。
・‘金時’の施肥改善による食味の向上は不可能と考えられた。
・コガネムシ幼虫の畝立て一回のみの防除は効果が不安定で、生育中の追加防除が必要であり、防除回数の削減には繋がらなかった。

(3)

ブロッコリー
・品種‘SK3−084’を用い、9月下旬〜10月上旬播種、10月下旬〜11月上旬定植で4月収穫が可能であったが、花蕾の黄変など上物率は低かった。

5 要求額の内訳(千円)

内訳
要求額
旅費
25
資材等消耗品費
325
合計
350

6 年次別事業内容と事業費

試験研究期間:平成18年度〜22年度

年度

試験内容

事業費
(千円)

18



19

(1)ニンジン
  ・高品質品種の選定と施肥改善
  ・食味改善
  ・害虫の特定と防除法の確立
(2)サツマイモ
  ・良食味品種の選定と特性調査
  ・害虫の発生消長と新規農薬の有効性
(3)施設野菜
  ・良食味トマトの栽培法
  ・新規有望品目の検索

700
(350×2年)

20

(1)ニンジン
  ・早期出荷品種の選定と栽培法の確立
  ・施肥改善と食味栽培法の確立
(2)サツマイモ
  ・良食味品種の栽培特性
  ・防除方法と防除回数の削減
(3)ブロッコリー
  ・品種別播種時期と花芽分化期の確認

350

21

(1)ニンジン
  ・作期別高品質、多収品種の選定
  ・「ケロイド症状」の原因解明と対策
  ・低コスト施肥技術の確立
(2)サツマイモ
  ・良食味品種の特性と適作型の検討
(3)ブロッコリー
  ・品種別播種時期と花芽分化期の確認
  ・適品種の選定

350

22

(1)ニンジン
  ・作期別高品質、多収品種の選定
  ・「ケロイド症状」の原因解明と対策
  ・低コスト施肥技術の確立
(2)サツマイモ
  ・良食味品種の年次変動確認
  ・現地適応性確認
(3)ブロッコリー
  ・適品種の選定
  ・4月どり栽培技術の確立

350

合計


1,750


これまでの取組と成果

これまでの取組状況


<目標>
H21工程表政策目標 高品質果実・野菜生産技術の確立
・ニンジン、サツマイモの高品質・安定生産技術の確立、4月どりブロッコリーの作型開発

<取組内容>
(1)ニンジンの高品質・安定多収栽培技術の確立
・作型別高品質、多収品種の検索
・「ケロイド症」の原因解明と対策技術の確立
・低コスト施肥技術の確立
(2)サツマイモの高品質・生産安定技術の確立と品種適応性
・効率的害虫防除技術の開発
・良食味栽培技術の検討
・良食味新品種の栽培特性の解明
(3)4月どりブロッコリーの作型開発
・播種日、定植日の検討
・適品種の検索

<現時点における達成度>
(1)ニンジン
・根部を食害する害虫を特定し、防除法を確立
・各作型の品種特性を解明
・肥効調節型肥料は低コスト化に有効であったが、収量が減少
(2)サツマイモ
・施肥による食味の向上は不可能
・良食味新品種の栽培特性を解明
(3)ブロッコリー
・一部の品種により4月どりが可能であったが、花蕾の黄変などが発生

これまでの取組に対する評価


<外部評価>
平成20年度外部評価(中間)の結果(8月5日)
○評点 13.7(評点12以上で試験が実施できる)
○評価委員の主な意見
・効果を数字で示すことは困難に感じます。

<自己評価>
・近年、ニンジンでは「ケロイド症」と呼ばれる、表面がミミズ腫れ状になる症状が多発し、出荷量が減少している。発生原因の解明と早急な対策技術の確立が求められている。幅広く情報を収集し、対策を講じる必要がある。
・新しい品種が産地導入されると、これまではなかった問題が発生することが多い。品種試験を行う上で、様々な視点で観察し、試作栽培する必要がある。

<改善点>
・品種選定過程において、栽培上の問題手を併せ検討し、現地適応性の確認を行う。

工程表との関連

関連する政策内容

安全・安心、高品質な農産物の生産技術の確立

関連する政策目標

高品質果実・野菜生産技術の確立

財政課処理欄

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 350 0 0 0 0 0 0 0 350
要求額 350 0 0 0 0 0 0 0 350

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
査定額 350 0 0 0 0 0 0 0 350
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0