1 事業概要
モンゴル中央県との交流を推進するため、農業技術研修員及び行政実務研修生の受入、交流協議団の派遣を行う。
2 事業の目的・背景・効果等
○本県とモンゴル中央県は1997年の覚書締結以来、農業、行政分野を中心に交流をすすめているところ。
○2007年の10周年記念事業で締結された覚書では、農業技術交流や行政実務研修生の受入を今後も継続するとともに、新たに実務レベルの協議会を開催することで合意。
○覚書に基づき、農業技術研修員、行政実務研修生の受入及び農業専門家、交流協議団の派遣を行う。
3 事業内容
(1)農業技術研修員受入及び農業専門家派遣事業
2,638千円(2,770千円 ※前年度は海外協力推進事業に計上)
モンゴル中央県から農業指導者である公務員を受け入れ、野菜の生産技術の更なる向上を図る研修を行うほか、本県の農業施策や効率的な指導方法を習得させる。
また、園芸試験場等の農業専門家を中央県に派遣し、研修員とともに農業指導講習会を開催し、中央県の農業レベルの底上げ、鳥取県の知名度向上を図るとともに、研修員の指導に関する自立を支援する。
@農業技術研修員の受入
○実施時期:7月〜8月(2ヶ月程度。農業専門家帰国に受入日をあわせる)
○受入人数:1人(既に基礎知識・技術を習得している者)
○研修内容:生産技術及び指導技術の向上を目指した実習
○費用負担:日本国内での費用及び渡航費用は鳥取県負担、モンゴル国内の移動費用及び査証取得費用は中央県負担とする。
A農業専門家の派遣
○実施時期:7月(1週間程度)
○派遣職員:農業専門家1名、交流員1名
○派遣内容:受入研修員とともに中央県の農業部署、一般農家等を対象に農業指導講習会を開催するほか、現地の農業事情について理解し助言を行う。
(2)農業交流以外 1,375千円(1,375千円)
@行政実務研修生受入事業
モンゴル中央県、市町村の行政職員を受け入れ、本県の行政制度についての研修を通じて両県の行政資質向上を図るとともに、本県との交流において中心的な役割を担う人材の育成を図る。
○実施時期:12月中旬(1週間程度)
○受入人数:3名
○研修内容:税務制度、組織人事、議会制度、施策広報、情報公開、登録制度等の分野について説明をし意見を交わす
○費用負担:日本国内の研修に係る費用は鳥取県負担、その他渡航に係る費用は中央県負担
A交流協議団派遣事業
今後の農業交流のあり方や新規医療分野での協力のほか、高校生交流(外務省の”21世紀東アジア青少年大交流計画”で2008年度、2009年度は23名のモンゴル高校生を受入)など新たな交流に向けた協議を行う。
○派遣期間:6日間
○派遣場所:中央県ズーンモド市
○派遣人数:2名(うち1名は交流員)
(3)その他
○覚書にある医療研修については、今年度JICAの“草の根技術協力事業”で助成申請中(中央病院事業)。これまで力を入れてきた野菜生産に栄養改善(野菜の消費)、医療技術を組み合わせることで高い相乗効果が期待される。
○昨年度のモンゴル中央県交流推進事業及び海外協力推進事業を一本化し、モンゴル中央県交流推進事業とした。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
・平成7年度よりこれまで19人の技術研修員を受け入れ、研修を行っている。
・そのうち農業研修員の受入は平成10年度から開始し、今年度の研修員が16人目。
・農業研修員の受入も10年が経過し、中央県でも野菜栽培が普及し、ある程度野菜の生産ができるようになった。このことから、平成20年度に、それまでの半年間の基礎研修を、2ヶ月間の質の向上(より大きく作る技術や収穫量を増やす技術習得)、指導技術の向上を目的とした研修内容に変更。
・平成9年度より行政実務研修生を受入を開始し、これまで37名の研修生を受け入れ、税務、法務、登録制度といった分野で研修を実施。
これまでの取組に対する評価
・過去の農業研修員の多くは、鳥取での研修成果を活かして地域の指導的立場で農業発展に奮闘している。
・研修員は帰国後に各分野で活躍し鳥取県とのパイプ役となっている。また、農業研修員については、野菜作りが一般的でなかった初期の研修員が現地で経験を積みながら地域の指導者として成長している。
・一方で、農業専門家、交流協議団の派遣等により明らかとなった、各種資材の不足、管理不徹底による病害の発生、人気のナス科野菜(トマト、ピーマン、ナス)栽培による連作障害等の懸念といった、中央県の農業課題解消策を、引き続き農大での研修等に取り入れながら実施していく。