目的
砂防えん堤からの落水等、活用されていないクリーンエネルギーの有効を利用し、マイクロ水力発電施設を建設することにより、地球温暖化対策に貢献するとともに、公園利用者を通じてエコ政策に関する県民への啓発、PRや地域振興につなげる。
また、当該施設をモデル箇所として市町村、住民、団体等へ広くアピールし、環境先進県を目指して新エネルギー導入促進を図る。
現状・背景
○水力発電は、河川などの「地域資源」を活用したクリーンエネルギーであり、中山間地等でその活用が期待されている。
○環境先進県を目指して、県民との協働により環境活動を一層推進する「環境先進県に向けた次世代プログラム」を策定(平成20年5月7日)。ここで、地球温暖化防止のための自然エネルギー等の一つとして掲げられ、率先導入することとなっている。
○平成21年9月15日に「とっとり発グリーンニューディール」が公表され、次世代へつながる本県の社会成長を実現するため、マイクロ水力発電等の新エネルギー導入促進が掲げられている。
○国土交通省の基本方針として、地球温暖化への対応が重点項目として位置づけており、その対応の一つとして「砂防えん堤における小水力発電の推進」が掲げられている。
○治山・砂防関係事業に係る関係市町との意見交換会(サマーキャラバン)(7〜9月で実施)において、候補地選定や実施立候補等の積極的な協力を依頼し、若桜町、智頭町、三朝町、南部町は前向きな姿勢。
要求内容
○事業箇所 : 大父木地親水公園(矢筈川)
(東伯郡琴浦町大父木地)
○事業内容 : マイクロ水力発電施設 1基
○年間発電電力量 : 9,986kWh
○要求事業費 : 発電施設設計費 5,000千円
発電施設建設費 30,000千円
○発電用途 : 照明灯、炊飯棟・トイレの照明、送水ポンプ
【大父木地親水公園の概要(H20年度実績)】
・年間利用者数 1,800人
(キャンプ、学校遠足、日帰利用者等)
・年間使用電力量 2,961kWh
・年間電気代 72,329円
効果
○マイクロ水力発電は二酸化炭素排出量ゼロの新エネルギーであり、地球温暖化対策に貢献するとともに低炭素社会構築に向けて有効。
○当該箇所はキャンプ施設等が併設された砂防親水公園であるため、砂防事業のアピールや環境・防災教育のイベントの場として有効。
○マイクロ水力発電がアピール材料となり、施設利用者数が増加すること等により、地域振興に貢献。
H21事業の成果(調査状況)
H21事業の成果(調査状況)を踏まえた施策展開として、
@市町村、住民、団体等の行う発電の支援(GND基金の活用)
A県による発電施設整備と活用(当該要求)
その他
○【将来ビジョン】での位置付け
U.つながる
(2)県民、企業、NPO、住民団体等が、自由にかつ連携して、自らの地域づくりに取り組む「真の協働連携社会」の実現
(4)中山間地域の住民生活の安全・安心を確保した「持続可能な地域づくり」
○【中山間地域振興条例】での位置付け
第7条(重点的に取り組む施策)(4)イ
地域資源を活用した新しい産業の創出を図る
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
■砂防えん堤潜在エネルギー活用検討事業として、平成21年度に砂防えん堤を活用したマイクロ水力発電の導入に向けた調査を実施中。
■今後、候補地9箇所の調査概要について、市町を訪問説明し、モデル箇所を1箇所選定。モデル箇所について詳細調査を実施し、市町村等へのPR、事業化へ向けて啓発活動を行う。
■鳥取発グリーンニューディール推進本部の新エネルギー技術開発・導入WGの一員としてマイクロ水力発電の導入促進を積極的に検討。
■産業技術センターでは、県内企業等による低コストの発電機の製品化に向けた研究開発を実施中。
これまでの取組に対する評価
■砂防えん堤潜在エネルギー活用検討事業の中間調査内容を踏まえ、市町村等が実施主体となるものはGND基金を活用し、砂防事業として効果が見込めるものを予算要求する。