本県には、民芸運動を提唱した柳宗悦(むねよし)に師事した民芸運動家 吉田璋也が育てた陶芸、木工、和紙、染織などが今も継承され、吉田が実践した新作民芸運動の精神は、現代にも通用する。
その精神が色濃く残る本県民工芸品は、一般的には知名度が低いが、愛好者からの評価は高い。
20から30代女性をターゲットに企画・デザインされた旅行本「山陰旅行 クラフトと食めぐり」では、民工芸が観光資源として、食やショップなどと一体化して紹介されており、関東・関西をはじめ、全国から多数の読者が来県し、宿泊・購入につながっている。
民工芸を通じた鳥取県観光PRは、可能性が高い誘客磁力である。
※鳥取の新作民芸運動とは
「用の美」を提唱した柳宗悦の審美眼を継承しつつ、現代生活に適応した新しい民芸品を開発し、流通させるため、吉田璋也自らプロデュースし、鳥取の職人たちが製作し、吉田が立ち上げた「たくみ工芸店(鳥取)」や東京支店(当時)を通じて、全国展開した。