1 目的
○県内においては、鳥取自動車道や山陰自動車道などの高速道路や、米子空港滑走路延長などの広域・高速交通インフラの整備が進み、特に高速道路については、自家用車利用が順調な伸びを示している。
○高速鉄道インフラについては、山陰新幹線や中国横断新幹線、段階的整備としてフリーゲージトレイン導入を求めているものの、その実現の目途は全く立っていない。一方で、スーパーはくとの米子への延伸、スーパーいなばの倉吉への延伸、山陰本線の鳥取以東への特急増便、在来線の電化・複線化による高速化等、県内の高速鉄道網の充実を求める声は強いものの、近年鉄道利用者は減少している。
○一方で、全国に目を向けると、九州新幹線鹿児島ルートの全線開通による鹿児島−新大阪間の新幹線直通運行が間近に迫り、また中央新幹線(リニア計画)についても建設に向けた検討が始まるなど、新たな高速鉄道網の整備が進んできており、今後の高速交通需要は大きく変動することも予想される。
○よって、これら高速交通網のインフラ整備を踏まえた、長距離移動手段としての自家用車・高速バス・航空機・高速鉄道の需要予測、流動分配、役割分担を改めて検証し、鳥取県として具体的なビジョンを描けていない高速鉄道網について、中長期的に目指すべき将来像、その実現に向けた課題、当面取り組む整備方策等について整理する。
2 事業内容
学識経験者や観光・経済団体等を委員とする検討会を開催し、以下の検討を行う。
(1)検討内容
○県内外の高速鉄道網の現状、課題、ニーズ等の把握・整理
○県内外の高速道路や航空便等、他の高速交通網の将来計画、需要見通し等の整理・再検証
○今後の鉄道需要予測や新技術の開発動向を踏まえ、今後鳥取県が目指すべき高速鉄道網の将来像を提言
・中長期的な将来像の提言
・将来像を前提とした当面の整備目標の提言
○将来像を実現させるために解決すべき課題の抽出
(2)構成委員案
○学識経験者[3名]・・・研究者(公共交通、観光、経済関係)
○観光団体等[2名]・・・観光連盟、県内旅行業者
○経済団体[1名]・・・商工会議所等
○行政関係者[4名]・・・県及び市町村の交通・観光担当
※必要に応じ、鉄道技術開発担当者や鉄道事業者をアドバイザーとして招へいする
3 事業費
626千円
4 事業費積算内訳
○委員謝金、交通費 346,200円(民間委員6名分)
○アドバイザー謝金、交通費 279,280円(4名分)
計 625,480円
(会場借上費等は標準事務費内で執行)
5 部長査定結果と復活理由
【査定結果】 ゼロ査定
○鉄道のみではなく、総合交通政策の検討など必要とされる施策となるよう再整理してください。
【復活理由】
○高速道路については、鳥取自動車道の開通の見通しが立ち、また山陰自動車道や地域高規格道路などの整備計画が明確であり、今後は着実に整備を進めていく段階である。
○航空路線については、空港整備は米子空港滑走路延長をもって慨成し、今後は、現在就航している東京便、名古屋便、ソウル便の増便、新規路線就航の働きかけ等により利便性向上の実現を図っていくのが現実的である。
○よって、高速道路については現在の整備計画・需要推計を活用・再検証し、また航空便についても、就航路線の利用動向を推計するなど、これらの関連を十分に踏まえつつ、総合交通体系の視点を持って、インフラに関する将来像を持ちえていない鉄道に的を絞り、短期・中期・長期にわたり、それぞれの時間軸に応じた方策・ビジョンを検討したい。
【備考】
総務部長要求段階の事業名『県内高速鉄道網将来像検討事業』から名称変更
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○鉄道事業者との定例勉強会等を通じ、高速鉄道網の将来像について意見交換を実施している。
○高速道路整備の進ちょくや、昨今の特急利用者の激減などにより、将来の需要が見込めないとして、鉄道事業者との協議が進んでいない。
これまでの取組に対する評価
○需要予測や課題の整理により、将来の高速鉄道網のあるべき姿を具体的に鉄道事業者に示し、高速鉄道の整備充実を図ることが出来る。