1 事業内容
株式会社SC鳥取へ出資し、山陰初のJリーグチーム誕生を支援する。
(1)出資金額 20百万円
(2)出資の時期 平成 22年12月
(3)財源 バードスタジアム国際交流基金
○バードスタジアム国際交流基金とは、とりぎんバードスタジアムを活用し、サッカーを通じた子ども達の国際感覚の醸成と国内外への情報発信を行うことを目的に、平成7年に鳥取県・鳥取市により造成。
○造成額 400百万円(内訳:鳥取県200百万円、鳥取市200百万円)。
○基金残高 337百万円(運用益を除く)。2002FIFAワールドカップのエクアドル代表チームの招致経費として、平成14年度に元金63百万円の基金の取り崩しをしている。
○運用益 4百万円(普通預金利息)。
*参考情報 平成22年9月9日、株式会社SC鳥取より20百万円(400株)の出資要請有り。
2 出資理由
(1)株式会社SC鳥取(ガイナーレ鳥取)は、「ホームタウンに根ざし、ホームタウンと共に成長する」という公益性が高いクラブ理念を有している。
(2)全県をホームタウンとしており、全県民に多様な波及効果が期待できる。
*期待される波及効果
県民・地域の一体感形成、賑わい創出、全国への情報発信・イメージアップ、スポーツ振興、経済効果など
(3)株式会社SC鳥取(ガイナーレ鳥取)が、Jリーグ゙で持続的に活動するためには財務基盤の強化が必要。(社)日本プロサッカーリーグからJリーグ入会予備審査において「より長期的な視野をもって、財務基盤の強化など、健全な経営環境の整備に不断の努力」を行うよう求められている。
3 金額根拠
(1)J2入会に必要な資金
債務超過額53百万円+安定的経営必要資金55百万円
=108百万円
○安定的経営必要資金55百万円の内訳
J2入会金20百万円、オフシーズン中の運転資金35百万円(キャンプ費、コーチ・選手報酬、グッズ・印刷費等)
(2)増資計画
地方公共団体70百万円+民間60百万円=130百万円
○地方公共団体70百万円の内訳(目標値)
鳥取県20百万円、鳥取市20百万円、米子市20百万円、倉吉市5百万円、境港市5百万円
(3)他クラブの状況
J2入会後の年間事業規模は、500百万円と想定。同規模クラブとしてFC岐阜、愛媛FC等がある。その他各自治体の出資状況は下記のとおり。
<地方自治体のJ2クラブへの出資状況(単位:百万円)>
クラブ名 | 県の出資 | 市町村の出資 |
FC岐阜 | 20 | 20 |
愛媛FC | 30 | 30 |
ヴァンフォーレ甲府 | 80 | 60 |
徳島ヴォルティス | 100 | 27 |
(4)まとめ
出資については、各クラブの成立過程により差があり、目安となり得る基準はない。今回の出資金額20百万円は、株式会社SC鳥取の債務超過解消及びオフシーズン中の運転資金として、安定経営をする為に必要とされる金額である。
4 J2入会要件
2011年シーズンよりJリーグ入会を目指す株式会社SC鳥取のJ2入会要件は、下記のとおり。
【J2入会要件未達成項目及び達成時期】
○ファン・サポーター … 現在の平均入場者数3,413人。残りホームゲーム3試合で、合計3,214人の入場者で達成。
○法人 …債務超過額53百万円。今回の要求により達成(増資による財務基盤の強化)。
○競技 …プロA契約選手2名、公認B級以上のコーチライセンス保有者1名。シーズン終了後達成。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
公益性の高いクラブ理念のもと、全県的に多様な波及効果が期待できる「ガイナーレ鳥取」への支援を通じて、県内スポーツの振興はもとより、県・地域の一体感形成、地域の賑わいと経済効果の創出、本県のイメージアップと全国への情報発信等を図る。
【支援面】
1 県からの既出資状況
○担当課 商工労働部
○出資の額 10,000千円 (200株)
○出資の日 平成19年8月30日
○財源 一般財源
2 ガイナーレ鳥取JFLアウェイゲーム遠征事業(H20〜)
○担当課 教育委員会
○補助額 平成22年度14,600千円(前年度14,009千円)
○補助対象経費 遠征に係る交通費、宿泊費、荷物運搬料
○補助率 2/3
3 ガイナーレサッカースクール運営事業(H20〜)
○担当課 教育委員会
○補助額 平成22年度2,902千円(前年度1,950千円)
○補助対象経費 広告宣伝費、保険料、使用料、消耗品費、印刷製本費、通信運搬費、人件費、旅費
○補助率 1/2
【活用面】
1 介護予防体操普及員派遣事業(H20〜H21)
○担当課 福祉保健部
○補助額 平成22年度要求なし(前年度1,913千円)
○補助対象経費 介護予防事業に要する旅費・報酬費、介護予防体操の普及・広報に要する経費
○補助率 介護予防事業に要する旅費・報酬費(10/10)、介護予防体操の普及・広報に要する経費(1/2)
2 子育て応援プロジェクト委託事業
○担当課 商工労働部
○委託金額 2,622千円
○委託期間 平成22年4月1日から平成23年3月31日まで
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
【支援面】
1 県からの既出資状況
ガイナーレ鳥取の支援と企業等による出資の呼び水となることを期待して、平成19年に1千万円を出資。昨シーズンの活躍によりクラブの認知度アップ、J入会の期待が高まったことにより、今シーズンに入り企業等の出資が着実に増えクラブ経営の改善に繋がっている。しかし、債務超過や財政基盤強化という課題への対応が必要な状況。
○今シーズンの資本金額 91百万円(09末)
○現在の資本金額 120百万円
2 ガイナーレ鳥取JFLアウェイゲーム遠征事業
多くの県民が誇り・郷土愛を持ってガイナーレ鳥取を応援する機運を盛り上げるとともに、鳥取で生まれた山陰発のプロ球団の県外遠征費を支援することで、鳥取県を全国に発信。
3 ガイナーレサッカースクール運営事業
県内の子ども達の競技力・技術レベルの向上を図るとともにトップ選手とのふれあいを通して、協調性を養い、健全な青少年を育成。
【活用面】
1 介護予防体操普及員派遣事業
高齢者の健康づくりのために介護予防体操の普及をガイナーレ鳥取に委託。選手やスタッフ等を普及員として公民館や老人クラブに派遣。
○参加された高齢者数5千人超
琴浦町老人クラブ、希望の家、伯耆町介護予防教室、県民総合福祉大会等
2 子育て応援プロジェクト委託事業
親子のコミュニケーション、子供同士の仲間づくり、親同士の悩み相談を行える場を提供し、安心して子供を育てることが出来る環境の整備。
<改善点>
当県のように大企業スポンサーの獲得が難しく、地域経済も疲弊する状況においてはチームの財政基盤の強化という課題に対し、増資という形で支援を行う。