1 事業概要
米子市中心市街地活性化基本計画の核となる“にぎわいトライアングルゾーン”のにぎわい再生の「顔」ともなるモデルエリアとして、四日市町周辺地域が官民連携により整備・開発されることとなっており、鳥取県として、この地域内にある旧加茂川の環境整備を行うことにより、四日市町エリアの活性化に資するものである。
2 事業内容及び所要経費
【 全体C = 8,000千円 】
○河川整備概略設計 C=5,000千円
[治水能力検討、施設構造(デザイン)検討、既設護岸評価等]
○現地測量 C=1,500千円
[河川縦横断測量]
○地質調査 C=1,500千円
[施設規模を想定するための調査ボーリング]
3 整備内容及び効果
整備費用合計C=30百万円
(1) オープンデッキ化(C=12百万円)
旧加茂川の河道を覆って、広場として利用する。にぎわいトライアングルの動線のたまりとしての休憩スペースや、イベント用への利用でにぎわいを創出することができる。
(2) 通り抜け道(C=2百万円)
四日市商店街の店舗内に設置されている通り抜け通路を駐車場とつないで、複数の通路を確保することによりにぎわいトライアングル動線の強化が図られる。
(3) 歩廊の設置(C=16百万円)
旧加茂川の水面の見える空間としての利用と、にぎわいトライアングル動線と交差する四日市エリアの回遊動線になり、同エリアのにぎわいを増幅が図られる。
4 県が整備する理由
四日市町エリアにおいては、中心市街地活性化を図るため民間施設に係るものは民間で行っており、米子市や県においても、これらの民間事業を支援し、中心市街地活性化に資するため、自らの管理施設の整備事業を行う必要がある。
県が管理する旧加茂川に関しても、民間や米子市の事業の進度に合わせて、河川整備を行う。
5 事業の目的、背景、効果等
旧加茂川は、昔から商工業で栄えた米子の町の水運などに利用され、人々の生活と深く関わっており、現在でも当時からの川沿いの土蔵や商家の出入り口、橋のたもとに祀られた地蔵などが残っている。
地元住民も、これらの施設を保存しつつ、旧加茂川を初めとしたこれらの施設を活用した町活性化のための独自の取組みを行っている。
○旧加茂川・寺町周辺地域街並み環境整備事業(地区住民、米子市)県ではこれの支援事業として、H21に旧加茂川の護岸整備を行う。
○笑い通り協議会(地区住民)の笑い庵、加茂川・中海遊覧及びカッパ像
○四日市プロジェクト(若手商店主)の個性的店舗整備
四日市町周辺地区においても、四日市町駐車場の複合開発事業[※]が計画されており、この事業を支援するため、旧加茂川について、同駐車場と商店街の回遊動線の確保及び河川親水性の向上等を図るための河川整備の方法を検討する。
※(1)当事業を推進するため、官民の関係者からなる委員会(四日市町駐車場複合開発コンセンサス形成委員会事務局:米子商工会議所)を設立し、開発の方向性の地元合意形成を図った。
(2)西部総合事務所では、所内にプロジェクトチームを組織し、所内の意見を集約して同委員会に参画し、同事業に対する諸提言を行った。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○米子市中心市街地活性化基本計画(H20.11米子市策定)に位置付けられている民間事業の実施に向けた検討委員会に当事務所も参加した。
○参加に当たって、所内各課局を横断するプロジェクトチームをつくって意見を出し合い、同会での具体的な整備手法の議論に加わった。
○民間が進める事業展開に対して、県の役割分担として公共施設(旧加茂川)の整備による支援を行い、官民一体となったまちづくり手法を実践した。
これまでの取組に対する評価
○検討会の中で、旧加茂川について四日市のまちづくりにふさわしいいろいろな整備内容が提言されたが、今後は河川管理や技術面も含めて、県としての実施可能性を具体的に検討していく必要がある。