1 事業概要
○日露間のビジネス創出に向けた企業支援体制の整備を通じて商材取引創出を進め、環日本海貨客船航路の貨物確保による航路の安定化を図る。
○会員企業等のビジネス創出をサポートするため、(1)TOTTORI Trade Center(TTC)運営、(2)ビジネス情報受発信の2事業を実施する「環日本海経済活動促進協議会」に対する助成を行う(補助率:10/10)
○境港ロシアビジネスサポートセンター(RBSC)運営事業を実施する「とっとり国際ビジネスセンター(仮称)」に対する助成を行う(補助率10/10)
※貿易支援体制の見直しに基づき、運営先を変更(運営元:(財)鳥取県産業振興機構とする)
※なお、現在、新たな貿易支援組織について、関係機関と調整中であるため、決定するまでの間の県直営(委託)で実施することとする(平成23年4月〜)。
2 事業内容
(1)ウラジオストクビジネスサポートセンター運営事業<一部新規> 23,088千円
ウラジオストク市内に設置した(H22.1)TOTTORI Trade Centerの運営費助成を行い、ビジネスマッチングや企業サポートに関する現地との調整・連携を図る。また、地元企業が利用可能な物流拠点(倉庫、ストックヤード機能)並びにアンテナショップのウラジオストクへの設置、ロシアでのビジネス情報受発信を行うサイト運営委託を通じ、ロシアの大消費地への販路拡大に向けた物流体制を構築する。
【概 要】
ア ウラジオストクビジネスサポートセンター<18,000千円>
体制:ロシア人スタッフ3名(窓口兼通訳、ドライバーを含む)
役割:ロシア情勢等現地情報収集、バイヤー等人脈及び販路の開拓、現地輸出入関連手続サポート、訪露団等現地受入コーディネート 等
イ ビジネス情報受発信<3,600千円>(新規)
方法:鳥取県及びTOTTORI Trade Centerを中心としたロシア側での情報発信を通じて貨客船航路を活用した経済交流促進への取組への認知度を高めると同時に、ロシア側オファー情報の収集を図る。
ウ 事務費<1,488千円>
(2)境港ビジネスサポートセンター運営事業<継続> 7,000千円
境港市に設置した(H21.5)ビジネスサポートセンターの運営費助成を行い、ウラジオストクに設置するサポートセンターとの連携によるビジネスマッチングの促進に向け、国内での企業サポート機能に重点をおいた枠組みにて効果の促進を図る。
【概 要】
ロシアに興味のある日本企業へのアプローチ、海外ビジネス展開相談・アドバイス対応、軽易な通訳・翻訳サポート、ビジネスマッチング支援、輸出入関連手続サポート等を行う。
ア 境港ビジネスサポートセンター運営費<6,000千円>
イ 事務費<1,000千円>
3 背景及び目的
○環日本海定期貨客船航路の安定運航に向けた取扱貨物の早期確保の必要性
○ロシアビジネス関心企業が安心して取り組める総合的なサポート体制の構築
○世界経済危機により低迷していたロシア経済の回復基調
○複雑かつ煩雑な許認可手続等情報収集の強化、現地での企業サポートへのニーズ
4 事業経費
(1)TOTTORI Trade Center運営事業 23,088千円
(2)ロシアビジネスサポートセンター(RBSC)運営事業 7,000千円
合 計 30,088千円
5 助成期間
平成23年度まで(環日本海貨客船航路の運航から3年間)
6 その他(地元企業等の声)
・ロシア側との現地での直接やりとり、訪露時のサポートなどの円滑化、利便性が向上
・ウラジオストク等ロシアでの鳥取県の知名度が各段に向上
・TTCとRBSCの連携が十分に取れておらず、非効率
・webサイトを通じたビジネス情報発信、オファー情報集積の必要性(効率的な情報収集)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<目標>
・TTCとRBSCの円滑な連携による効率的なビジネスマッチングの促進
・有力なロシア側輸入者との協力関係構築による取引ルート形成
・日露ビジネス取引の成功事例の創出
<これまでの取組>
・環日本海経済活動促進協議会の立ちあげによる民間取引意識の醸成支援
・ロシア側地方行政府関係者、ロシア大使館、ロシア通商代表部等との協力関係醸成
・ロシア企業等招聘、受入による商談機会の創出
・境港を活用した輸出入環境整備への助成(小ロット鮮度輸送環境整備)
・TTC開設によるロシアでの情報収集(制度、オファー情報等)、情報発信の強化
・TTCとRBSCの連携による地域企業サポート体制の構築
・ロシアの有力な民間団体の組織、人脈を活かしたビジネスマッチングの促進
・ロシアの柱(ロシア企業家組織連盟)の境港進出支援
・ロシア側企業との連携による貨客船航路を活用した円滑な物流ルートの構築
<現時点での達成度>
・経済交流の当事者になり得る民間組織(ロシアの柱)との連携が進みつつある。
・現地での鳥取県、貨客船航路、ビジネスサポート等に関する認知度が各段に向上。
・トライアル輸出により、日露間取引の各種問題点が徐々に明らかになりつつある。
・日露双方ともビジネスに取り組む企業の裾野拡大が遅れている。
・ロシア側主導による日露間の物流形成への取組が進みつつある。
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
・ロシア人招聘を、より確度の高い商談案件及び円滑な物流形成に人脈形成が不可欠な案件に限定するとともに、商業ベースの案件についてRBSCの活用を進め、GOST局長、産業貿易省沿海地方代表、ロシアの柱など、日露間の物流形成において必要不可欠な要人との人脈形成が進みつつある。
・実際の取引に際しては、(1)複雑で煩雑な輸出・販売手続、(2)現地での品質管理体制の不備、(3)日露のビジネススタイルの相違、(4)ロシア語への対応などパートナー企業との意思疎通、関係醸成の困難さ、(5)ロシア極東市場規模の限界などの諸問題があり、企業へのサポートやフォローアップを実施しなければ、一筋縄には具体的な取引成立に至らない現状がある。
・今年度、TTCとRBSCを別の企業が受託したものの、意見の相違等により双方の連携が十分に図られたとは言えない状況が生じ、十分なビジネスマッチングの促進効果が図られておらず、今後、各組織の密接な連携と各機関の機能強化を一層図っていく必要がある。
・ロシアの柱の人脈を中心として、ロシア側で貨客船航路活用の動き、日露間の物流サービスの構築などに向けた自主的な取組が進みつつあり、具体的な商取引に着実に結びつけていくための効率的なサポートを継続し、境港の魅力向上と具体的な成功取引事例創出により、対露ビジネス関心企業の更なる裾野拡大と境港への取引貨物の集約を進める。
<改善点>
・実質的に県が主体となって動いている日本国内でのロシア企業受入、地元企業等とのビジネスマッチングのサポートの一部について、RBSCとして自主的な取組が可能な活動経費を追加し、民間主体での物流形成へのサポートへの取組の促進を図る。