1 概要
住民参加型市場公募債発行に係る、鳥取県公債管理特別会計に対する一般会計からの繰出金である。
2 要求額 112,470千円
うち元金相当額 100,000千円
- うち利子相当額 3,000千円
- うち公債諸費相当額 9,470千円
3 発行概要
発行予定 平成23年9月または10月下旬頃
償還年限 5年債
償還方法 満期一括償還
発行総額 10億円
発行利率 発行時点の金利状況による
4 発行スケジュール(想定)
6月 予算提案・議決
7月上旬 早期協議の実施・事務受託金融機関の選定
8月中旬 金融機関と受託契約の締結(内定)
9月下旬〜10月下旬 住民参加型市場公募債の発行
※スケジュールは現時点での想定(今後金融情勢など見極めたうえで詳細を決定する予定である)
経費分析(トータルコスト)
住民参加型市場公募債とその他の調達を行った際の経費比較
発行手数料 9,325千円
その他経費 145千円
発行コスト計 9,470千円
(参考)その他の調達方法
→調達条件が異なるため、単純比較できない
- 縁故債(10年債借換方式)
→住民公募債と比べ償還期間が4倍である。
→金利変動リスクがある(試算では変動リスクがゼロで積算)
発行手数料 830千円
その他経費 0千円
発行コスト計 830千円
発行意義
住民参加型市場公募債の発行により次の様な効果が見込まれる。
- 資金調達手段の多様化により、金利上昇や景気変動のリスクを緩和できる
- 県民の県政参画手段の提供
- 利息の地産地消
- 償還年限の短縮化による総利払い額の抑制
→一方で、住民参加型市場公募債には短期的な公債費負担や発行手数料の増大を招くというデメリットもあり、発行意義(メリット)とデメリットとを勘案しつつ、発行額を見極めていく必要がある。
発行方式別のトータルコスト比較(詳細)
| | 発行条件 | メリット | デメリット |
5年債 | 住民参加型市場公募地方債(5年債) | ・5年満期一括償還(借換なし)
・利率は5年国債と同程度
(3月時点0.600%)
公債費 207,989千円/年
【トータルコスト】39,947千円
うち利息等 30,000千円
発行コスト 9,947千円 | ・トータルの償還期間が短い(5年)ため、総利払いを抑制できる。
・県民が県政に参加する機会を提供できる。
・利息がすべて県民に支払われるため、利息の地産地消につながる。 | ・償還期間が短いため単年度の公債費が増大する。このため、発行可能額に上限がある。
・手数料等発行に伴うコストが割高である。 |
10年債 | 縁故債(10年債借換方式) | ・10年定時償還(3年据置、借換あり)
・利率は共同発行地方債と同程度
(3月時点1.296%程度)
公債費 57,548千円/年
【トータルコスト】150,972千円
うち利息等 150,142千円
発行コスト 830千円 | ・単年度の公債費を抑制できる。
・10年間金利が固定されており、金利変動リスクを抑制できる。
・長期に安定的な資金調達が可能なため、県財政の安定化を図ることができる。 | ・償還期間が長いため、総利払い額が多い。 |
※トータルコストには広告宣伝費など財政課要求分以外の経費を含んでおり、要求額と異なる
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<政策目標>
財政運営の誘導目標の達成
・22年度末の基金残高を、300億円以上確保
・22年度末の実質的な借入金残高を、18年度末(4,267億円)以下
<行財政改革の取組>
・当初予算、補正予算編成過程を通じた厳格な予算査定、
財政規律の維持
・サマーレビューを通じた事務事業の見直し(業務の集中化・
効率化、外部委託化)
・新たな財源確保の取組(ネーミングライツの導入)
・土地開発基金の取崩
・超長期縁故資金の導入など低利な借入の実施
※その他にも予算編成のペーパーレス化(データベース化)、シーリングの撤廃、公共事業の一件審査、標準事務費の導入、予算編成過程の公開、トータルコスト予算分析の導入など他県に率先した取り組みを実施済
また、平成23年度当初予算編成より鳥取県発政策主導型予算編成システムを導入している。
<現時点での達成度>
・H22基金残高見込み 345億
・H22年度末の実質的な借入金残高見込み 3,875億
(誘導目標達成見込み)
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
交付税削減等により地方財政が逼迫する中、もともと財政誘導目標数値はかなり高い目標であったが、不断の行財政改革に取り組んできたことや、ここ数年の地方再生対策費等の交付税の拡充措置等もあり、何とか誘導目標達成できる見通しとなった。
ただし、平成20年度及び21年度の国の緊急経済対策に伴い多額の交付金等の財政措置があったが、今後は政権交代やねじれ国会の影響から地方財政が不透明感が増していることから、引き続き行財政改革に取り組むとともに、財政規律を堅持し、厳しい態度で財政運営に臨んでいくことが必要。