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平成23年度予算
当初予算 一般事業(公共事業以外)  政策戦略事業要求      支出科目  款:商工費 項:工鉱業費 目:中小企業振興費
事業名:

【経済・雇用振興キャビネット】素形材産業高度化支援事業

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商工労働部 商工政策室   

電話番号:0857-26-7538  E-mail:shoukou-seisaku@pref.tottori.jp

トータルコスト

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
23年度当初予算額(最終) 0千円 0千円 0千円 0.0人 0.0人 0.0人
23年度当初予算要求額 100,492千円 799千円 101,291千円 0.1人 0.0人 0.0人
22年度当初予算額 0千円 0千円 0千円 0.0人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:100,492千円  (前年度予算額 0千円)  財源:単県 

政策戦略査定:補正予算時検討 

事業内容

1 概要

鳥取県経済成長戦略がハイテク産業中心の戦略である点について、商工団体等との意見交換や企業訪問等で意見があり、ものづくりを支える基盤産業についての振興策がないとの意見や緊急円高・デフレ調査結果から、素形材の産業界において、先行き不安が増大しているとの現場の声から、経済・雇用振興キャビネットを緊急開催し、以下のとおり施策を構築した。

2 事業内容

新興国が生産拠点からマーケットに変貌する中で、日本メーカーの調達戦略の変化や電気自動車(EV)への取り組みによる部品点数の減少など事業環境の変化に対応するため、新技術の開発による部品供給体制の構築に取り組む。

    新素材・代替資源に着目した技術開発への支援
      新興国が求める日本でしかできない付加価値の高い技術への研究開発を促進するため、成長分野を意識し、新素材の成形のために必要な研究要素(軽量化・耐久性・耐食性)の向上を図る。
     〔補助事業の概要〕
      新規性が高く、中長期的な成長分野を見据えた新素材等の成形に向けた技術開発計画を公募し、新規性の極めて高い計画に対して、補助事業で支援
    【対象企業】県内中小企業
    【対象業種】素形材産業(鋳造、鍛造、金型、金属プレス、熱処理等)
    【素材対象】チタン、モリブデン、マグネシウム、カーボン、タングステン等
    【対象事業】(1)基礎研究、(2)応用研究、(3)実証研究
    【補助金】上限20,000千円×5件(企業)・・・最長平成25年3月末まで
    【補助率】3分の2以内
    【外部審査関係経費】492千円(審査及び事業評価)

    予算額;100,492千円 (100,000千円+492千円)
      

3 事業の必要性

リーマンショックによる景気後退は、本県の素形材産業にも多大な影響を与えた。過去の景気後退期では、20%程度が最大であったのに対し、50%以上もの落ち込みを経験した。本県素形材産業にとっても百年に一度のインパクトを与えたと言える。こうした状況下において、いち早く回復を示したのが、中国、インド、ブラジルを代表とする新興国であり、その位置づけは、製造拠点からマーケットに変貌し、日本からの工場の流出が懸念されている。同時に、電気自動車への注目が集まっている。電気自動車の普及に伴い、自動車産業のモジュール化が進展し、製造業の強みである垂直統合モデルが崩壊する可能性さえある。さらには、再生可能エネルギーの全量買取価格制度や地球温暖化対策税の導入の可能性など、多大な負担増が想定される。
 このような状況下において、日本からものづくり拠点が無くなり、同時に垂直統合モデルの中核を担う素形材産業にも大打撃が与えられるのではないかという不安が県内素形材産業界が感じている。さらには、昨年末に発表された国の成長戦略に、ものづくりが位置づけられず、道筋が不透明で、県内素形材産業界は、戦略を構築しない国の姿勢に強い不満を抱いている。
 また、県内にものづくりの下支えしている素形材産業が海外移転等により、消滅することは、本県製造業の立地の必然性がなくなることであり、危機的状況である。
 こうしたことから、打開策としてキャビネットを開催し、当面の緊急対応と新興国では、成形できない新素材の探求といった取組により、この難局を乗り越えようと各業界を代表する委員は、決意したことから、今回の事業を通じて、県内雇用の確保に全力で取組むこととした。

4 現状と課題

【素形材産業を取り巻く事業環境】
〔急激な生産水準の低下〕
・リーマンショックにより、50%〜60%まで減少。※過去の不況では、マイナス幅は、約20%程度
・現在でも、過去の景気後退期と同程度の生産レベル
〔新興国市場の変化〕
・新興国は、生産拠点・輸出先からマーケットに変貌
・日本メーカーの調達戦略の変化等により、部品調達は新興国にシフト
〔電気自動車への注目の高まり〕
・従来車と比べ、電気自動車では部品点数が大幅に減少。(約3万点⇒1万点)
・自動車のモジュール化が進展し、強みである垂直統合モデルが崩壊する可能性あり
〔地球温暖化問題への対応〕
・地球温暖化問題への対応の中で検討されている再生可能エネルギーの全量買取制度や地球温暖化対策税が導入された場合、多大な負担増

【想定される課題意識】
(1)新興国需要の取込と国際競争力拡大を踏まえた事業者の競争力確保
(2)人材・資金面において、単独では競争力確保に必要な設備投資、研究開発等の余力が不十分
(3)中小企業における省エネ対策の遅れ
(4)事業発展に欠かせないユーザーへの提案力・営業力

5 現場の声

キャビネット委員等の声

〔現状〕
・円高によるメーカーの海外移転加速による受注減が心配。素形材産業は、物流コスト面で他産業より高いので、新興国等への輸出は難しい。(全委員)
・80円台の円高継続では、輸出している分野も海外で生産するしか対応できない。(金型企業)
〔競争力強化について〕
・受注確保に向け、生産技術の高度化など生産性向上が急務であり、県が工場診断に基づく改善計画を策定するなど、今までにない大胆な施策が必要。(鍛造企業)
・生産性向上応援隊の構成員には、デンソーやアイシンなどメーカー出身の生産技術が理解できるハイレベルな専門家による診断が有効で、生産技術の高度化に対する研究開発とパッケージでプロジェクト化すれば施策ニーズがある。(全委員)
〔成長分野への検討〕
・新興国ではできない新素材、鉄の代替材料などへのチャレンジしか、国内生産の生き残る道はない。(全委員)
・水ビジネス、原子力、医療用機器、航空機、ロボットなどが素形材産業としての成長分野であり、それに向けては、軽量化、耐久性、耐食性に対する新素材のイノベーションが重要。(全委員)
・基礎研究、応用研究、実証実験に到るまで、人件費込みで、2千万が目安。新素材の研究開発は、中長期的視点であり、ハイリスクであるため、新規性の高い研究開発計画を推し進める上で、委託研究として実施すべき。(全委員)
・新規性の高い研究開発における採択審査会は、外部委員を入れると技術情報が漏れるため、行政内部で行うべき。(全委員)
〔その他の要望〕
・鳥取県がものづくりで戦うには、研究開発に対する投資が行政として必要。(全委員)
・ものづくりの中核である素形材産業は、危機的状況であり、崩壊すれば、鳥取県にハイテク産業も立地する必然性がなくなり、産業を形成できなくなる。(全委員)
・県内企業の一部では、リーダー格の技術者が突然いなくなり、中国等で働いている。技術の流出防止策を講じるべき。(鋳造、金型企業) ⇒ 国要望検討
・素形材産業は、光熱費等のコストが高く、地球温暖化対策税の導入や再生可能エネルギー全量買取価格制度導入に反対。成長へのシナリオなきCO2削減計画はやめるべき。(全委員)
⇒ 国要望検討

6 今後の展望

〔自動車産業の戦略に歩調を合わせた対応が基本〕
素形材産業の最大ユーザーが自動車産業であり、欧米を中心にEV等が普及、一方、新興国では、低価格な内燃機関自動車が伸びていく。
(1)エネルギーの有効利用の観点から軽量化・省エネ化が必要
(2)次世代自動車に必要な部品(モーター、バッテリー関係)への研究開発が必要
〔新たな成長分野への展開〕
リーマンショックの経験から、自動車等の特定産業に過度に依存せず、リスクヘッジとして、成長分野への取り組みなどバランスのとれた事業構造に変革する必要がある。
(1)環境・エネルギー(原子力発電部材、省エネルギー設備等)
(2)医療・福祉(生体材料、医療機器、生活支援ロボット等)






財政課処理欄

 
リスクのある研究課題に対して補助するスキームですが、補助実施後のビジネス化に向けた進め方が明確化させていません。審査の基準に盛り込むなど練り直してください。

要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 0 0 0 0 0 0 0 0 0
要求額 100,492 0 0 0 0 0 0 0 100,492

財政課使用欄(単位:千円)

区分 事業費 国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
査定額 0 0 0 0 0 0 0 0 0
保留 0 0 0 0 0 0 0 0 0
別途 0 0 0 0 0 0 0 0 0