○水産物流通改革チャレンジ支援事業補助金
(1) 流通改革・消費拡大の発展型チャレンジ(新規)
【事業のねらい】
水産物の流通チャレンジに積極的に取り組んでいる漁業者等の更なるステップアップや、漁協・加工業者・流通業者等が行う、水産物の付加価値向上への波及効果が高い発展的な取り組みを支援
対象事業 | インターネットを活用した消費者への魚食の提案と直接販売、産地と小売店・飲食店との直接取引、魅力的な加工品づくりと学校給食への拡大など、水産物流通の新たな取り組みのうち、本県水産物の付加価値向上に波及効果が期待できる発展的、モデル的な活動 |
事業主体 | 漁業者、漁業協同組合、加工業者、流通業者、またはそれらをメンバーに含む任意団体 |
補助率 | 1/2(上限1,000千円) |
補助件数 | 2事業 |
選定 | 公募に対し応募のあった申請の中から、外部審査委員会による審査により選定 |
(2) 漁業者による流通チャレンジ(既存事業を修正)
【事業のねらい】
水産物流通対策チャレンジ支援事業(平成20〜22年度)等をきっかけに広がり始めている漁業現場のチャレンジを更に推進していくため、漁業者等が自ら行う流通改革の取り組みを引き続き支援
対象事業 | 漁業者や漁業者を含むグループが行う産地直送・販路開拓、鮮度向上、地域ブランド創出支援、加工品づくりなどの新たな取り組み |
事業主体 | 鳥取県内の漁業者または漁業者を含む任意団体(過去に当事業による補助を受けていない者) |
補助率 | 1/2(上限300千円/箇所) |
補助件数 | 2事業 |
選定 | 公募に対し応募のあった申請の中から、特に新規性・チャレンジ性が高く、他への模範となる取り組みを、外部審査委員会による審査により選定 |
○本県では、水産物流通の見直しや付加価値向上に、現場の漁業者等が自ら取り組むきっかけづくりを行うことを目的に、平成20〜22年度の3ヵ年を事業年度として、「水産物流通対策チャレンジ支援事業」を実施してきた。
○当事業による支援を通じ、「インターネットによる消費者への直接販売」、「流通業者と連携した水産物の産地直送」、「加工業者と連携した未利用海草の加工品づくり」など、生産現場における魚価向上への取り組みが少しずつ広がり始めている。
(これらの取り組みによる魚価向上の例)
・インターネットによる直接販売では、漁業者が鳥取県産の水産物の魅力を直接消費者に伝えることで、リピーター(固定客)を確保し、一定の価格(セリで買い叩かれるのではない、自らが決めた価格)で継続的に水産物を提供
・水産物の産地直送では、県外の小売店と事前に契約を結ぶことで、雑魚を含む漁獲物を安定した価格で供給(小売店とは全量買取を、流通業者とは市場価格の1〜2割増での買取を条件に契約)
・未利用海草の加工品づくりでは、これまで地元では売り物にしてこなかった天然資源を活かして商品開発
(1) より波及効果の高い取り組みへの支援
○過去の事業では、生産現場からのチャレンジを支援するため、事業主体を漁業者や漁業者を含む任意団体等に限定していた。この場合、本業である漁業を営みながらの取り組みであり事業規模が限定されることから、上に例示したような魚価向上の効果も主に事業者やその周辺に限られていた。
○流通チャレンジで取り組む事業が、本県水産物の付加価値向上や魚価向上につながるようにするには、積極的に取り組んでいる漁業者等のチャレンジのステップアップを図ると共に、対象事業の規模や実施主体を拡大することで、より地域全体への波及効果が高い取り組みを促していく必要がある。
(2) 漁業者による流通チャレンジの導入支援
○流通チャレンジに取り組む漁業者等への支援は、「水産物流通対策チャレンジ支援事業」として行ってきた。これにより、上で紹介したような成果が出てきたほか、平成22年度は6漁業者・グループが取り組むなど新たなチャレンジも生まれている。
○県が支援を行うことで、漁業者等が流通チャレンジに取り組むきっかけをつくるという目的は、こうした過去3ヵ年の事業により果たしてきており、今後の広がりについては、基本的に漁業者等の努力に期待したいところである。
○ただ、魚価の低迷や消費者の魚離れなど水産業を巡る環境は厳しい状況が続いており、せっかく生まれてきたチャレンジの芽が絶えることのないよう、導入への支援を続けていくことも行政の重要な課題である。
○そのため、特に新規性・チャレンジ性が高く、他への模範となる事業(対象は審査会で選定)に絞り、引き続き漁業現場における取り組みについても支援を行うこととする。