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平成23年度予算
9月補正予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業調整      支出科目  款:農林水産業費 項:農業費 目:農業総務費
事業名:

農医連携モデル事業/機能性ハーブティー開発による中山間地農業の活性化

将来ビジョン関連事業(力をつなげ、魅力あふれる地域を創る/新しい発想による新産業等の創造)

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農林水産部 西部農林局 大山農業改良普及所  

電話番号:0859-53-3721  E-mail:seibu_nourin@pref.tottori.jp

トータルコスト

  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト(A+B) 従事人役
既査定額 0千円 2,396千円 2,396千円 0.3人
補正要求額 1,750千円 0千円 1,750千円 0.0人
1,750千円 2,396千円 4,146千円 0.3人

事業費

要求額:1,750千円    財源:単県   追加:1,750千円

事業内容

1 事業概要

 農医連携による新たな商品開発のため、平成23年から実施しているメディカルハーブ・エキナセアの機能性効果確認について、新たに「花粉症緩和作用」を確認するため、以下の2項目の事業を実施する。

     1)臨床医学的検証(鳥取大学医学部へ委託)

     2)治験用サプリメント剤の製造(大山ハーブティー開発研究会に委託)
     調査項目等     試験受託機関または協力機関予算区分
    機能性成分分析鳥取大学農学部 生物資源環境学科当初予算
    抗ウイルス活性鳥取大学医学部医学科 ウイルス学分野当初予算
    花粉症緩和作用鳥取大学医学部医学科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野9月補正
    治験用サプリメン試作大山ハーブティー開発研究会9月補正

2 目的

 エキナセアの花粉症緩和作用について臨床医学的・薬学的試験データを取得し、開発する特産品の商品価値の強化と販売力の増強を図る。平成24年秋の商品販売、全国展開を目指す。

3 背景

(1)エキナセアは欧米では風邪対策のサプリメントや医薬の原材料として最もよく利用されるハーブであるが、日本ではほとんど認知されていない。エキナセアの生産とその製品化は、日本での新たなビジネスチャンスであり、今後の産業化が期待される。
(2)現在、H23年度当初予算事業において、鳥取大学で薬効成分の分析と抗ウイルス活性の調査委託を実施している。
(3)大山山麓でのエキナセアの栽培面積はH22年が3アール、H23年には一気に150アールに拡大、生産者数も5名から12名に増えた。これによって、商品化に必要な生産量も確保できる見込みが立った。
(4)エキナセアは抗ウイルス作用の他に花粉症にも緩和作用があるとされ、欧米では花粉症に対する補完代替医療に用いる健康食品として近年注目されている。
(5)我が国においても花粉症患者は増加しており、医学的検証で効果が確認されれば開発する新商品の販売力を増強することができる。

4 効果

(1)エキナセア新開発商品の販売力向上 → エキナセア原材料の買い取り価格の高水準維持 → 農業者の所得向上
(2)県内食品業界への新たな機能性食材の提供 → 「食のみやこ鳥取」への貢献 → 食品加工業者の所得向上
(3)補完代替医療素材の提供による県内健康産業の活性化

5 事業期間

平成23年度〜平成24年度(2カ年)

6 事業内容

(1)スギ花粉症患者に対するエキナセアの発症緩和作用の臨床評価試験(経口投与試験)

  〈鳥取大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科分野に研究委託〉
  〈事業経費: 1,500千円〉
(2)上記治験用エキナセアサプリメント剤の試作
  〈大山ハーブティー開発研究会に事業委託、同会保有のエキ  ナセア原材料を使用し、県内のサプリメント製造業者に外注〉
  〈事業経費: 250千円〉

7 補正要求に至った経緯

(1)H23年度当初予算により、エキナセアの抗ウイルス作用評価のため成分分析および薬理作用調査を開始

(2)エキナセアの新たな効能や機能性に関する情報を収集

(3)花粉症緩和作用をエキナセアは示し、その機能性を応用した商品開発が欧米等で行われていることが分かった。また、スギ花粉症患者の多い我が国でも、輸入エキナセアを利用してハーブティーやサプリメントなどの花粉症対策の健康食品を複数の業者が販売していることが分かった。

(4)鳥取大学と西部総合事務所との意見交換会(7月26日)において、エキナセアの花粉症緩和効果についての委託研究を議題の一つとして協議。大学側は関連分野の研究者が興味を持てば対応できる可能性はあると回答。

(5)鳥取大学の産官学連携コーディネーターより、医学部の耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野において協力できる可能性があるとの連絡を受信(8月3日)。

(6) 医学部鼻咽喉・頭頸部外科学分野と大山農業改良普及所で委託試験について協議し、大学側は臨床検査を行うことが可能と回答(8月11日)

8 事業の必要性と緊急性

【必要性】

(1)花粉症対策製品は巨大な市場があり、今後開発するエキナセア新商品の健康食品市場参入において、治験データの提示は商談に不可欠である。
(2)エキナセアの花粉症緩和作用については科学的調査研究が未だほとんど行われていない
(3)県事業として取り組むことで、県内の多くの関連事業者が商品開発に活用することができる。

【緊急性】
(1)臨床試験は、スギ花粉の飛散が始まる2月中旬の半月程度前から開始する必要がある。
(2)試験実施にあたっては鳥取大学医学部の事前審査が必要であり、少なくとも本年中に鳥取大学と協議しながら治験用サプリメント剤の試作を行わなければならない。
(3)生産量を確保できる見込みができた今、「大山のエキナセア」を全国ブランドに高めるには、一刻も早く花粉症緩和効果を確認し、H24秋の商品販売を行う必要がある。


これまでの取組と成果

これまでの取組状況

【H21年】
・ヒト新型インフルエンザや鳥インフルエンザ等の感染症対策に対し、農業分野から貢献する方策を検討し、エキナセア栽培が有望と着目
・栽培条件、薬効、市場情勢等の調査を実施

【H22年】
・茶業者を中心とした農業者グループ「大山ハーブティー開発研究会」の設立を支援
・上記研究会は農商工連携研究開発支援事業の採択を受け、エキナセアの栽培と機能性ハーブティーの開発に着手
・栽培面積3アール、生産者5名で上記事業をスタート
・栽培法およびハーブティー製法の基礎技術開発に目処
・ストレートティー、紅茶ブレンド、ほうじ茶ブレンドの3種の試作品が完成

【H23年】
・農医連携モデル事業(県単)により、抗インフルエンザ活性の評価研究を鳥取大学医学部へ、薬効成分分析を同大学農学部へ委託
・課題が残っていた育苗技術の効率化に成功
・栽培面積150アール、生産者12名に生産規模を拡大
・「メディカルハーブ・エキナセア産業化セミナー」を開催し、プロジェクト内容を報道公開
・大型乗用茶刈機を用いたエキナセアの自動収穫を報道公開
・ハーブティー新商品原料(1次加工品)の完成
・ハーブティー新商品のコンセプト(包材、ラベル、容量、食品表示等)が定まる。
・西部総合事務所と鳥取大学との意見交換会にて花粉症緩和作用の調査研究の可能性を医学部に打診し、協力可能との回答を得た。
・サプリメント試作品のコンセプトが定まる。

これまでの取組に対する評価

【大山農業改良普及所普及指導活動評価検討会での外部評価】

◇評価普及課題: 機能性ハーブ栽培による大山山麓農業の活性化
◇評価課題実施年度: 平成22年度
◇評価検討会開催年月日: 平成23年2月23日
◇評価員: 管内指導農業士および農業支援機関代表者(計11名)
◇評価結果:
 《活動内容》 大変良い:4名、良い:6名、問題無し:1名、努力不足:0名、悪い:0名
 《成果》 大変良い:2名、良い:5名、問題無し:4名、努力不足:0名、悪い:0名
◇評価員からの意見・要望等:
・大変面白い取り組みと思う。「エキナセアといえば大山」と言われるくらいに産地を育ててほしい。
・新しい発想でとても楽しみ。販売がうまくゆけば面白い。
・茶生産者のみに生産者を限定しないで、全町的な取り組みにしてはどうか。
・水田転作でも利用できれば、更に伸びてゆくのではないか。
・大山道の駅でハーブティーの試飲会を開催してはどうか。

【自己評価等】
・メディカルハーブ・エキナセアの魅力を農業者にしっかり伝えることができ、栽培面積を短期間で飛躍的に伸ばすことに成功した。
・農医商工金官の広域連携の構築により、農業者を包括的かつ機能的に支援する体制を整えることができた。
・機能性ハーブティーの商品試作や報道公開を通して、「斬新な試みでもやればできる!」という自信を農業者に感じてもらうことができた。
・今後、有望な販路を開拓する支援が極めて重要であり、本補正事業の結果が産地の発展に大きく影響するものと考えている。

工程表との関連

関連する政策内容

大山山麓の恵まれた条件を活用する高付加価値づくり

関連する政策目標

特徴のある大山ブランドの育成



要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
既査定額 0 0 0 0 0 0 0 0 0
保留要求額 0 0 0 0 0 0 0 0 0
復活要求額 0 0 0 0 0 0 0 0 0
追加要求額 1,750 0 0 0 0 0 0 0 1,750
保留・復活・追加 要求額 1,750 0 0 0 0 0 0 0 1,750
要求総額 1,750 0 0 0 0 0 0 0 1,750