概要
西部管内において、台風12号による記録的な豪雨によって、河川管理施設に甚大な被害が発生したところであるが、これまでに危険区域として把握している「重要水防区域」以外の区域での被害が多数発生。
管内の被災区域において、被災後点検を緊急に実施し、次期出水期(24年6月)までに、「重要水防区域の見直し」を図る。
台風12号による被災による管理上の課題
台風12号による西部管内河川区域の被災は、記録的雨量を観測した大山山系の中小河川に集中。被害の過半数が、佐陀川河岡地区をはじめとする、重要水防区域以外で発生。
佐陀川河岡地区では、下流の重要水防区域に関連し、周辺水防団等による迅速な水防活動により、人的・家屋被害はなかったが、水防対策において以下の課題。
重要水防区域外の
・河道の流下能力、護岸構造、堤防機能を再評価。
・新興住宅地等、周辺の地域開発への影響を検討。
・危険地区を緊急把握による、周辺住民への周知。
○ソフト対策:上記を総合的に評価し、「重要水防区域」を見直し、地域防災計画への搭載と、地域住民への周知を図る。
○ハード対策:河道内の脆弱区間を把握し、「重要水防区域」に編入することにより、早期の対策を実現。(自然災害防止事業債)
被災直後の緊急点検の実施
・現在の河川点検は、簡易な目視にとどまり、管内全域の点検に2ヶ月を要している。
・また、出水期前の点検では、植生繁茂、土砂堆積等により、異常が発見されても出水期までの対応が限定的。
・さらに、河道変状は日常出水とともに変化することから、異常部の点検は、洪水直後に緊急に実施する必要。
・このため、台風12号後の河川点検を、コンサルタント委託により緊急に実施し、@次期出水期までに「重要水坊区域」の見直し、A異常部の早期対策を図る。
要求内容
○11月補正要求
・重要水防区域外の、被災区間の点検調査
・52.1km×877千円/10km =4,569千円
(周辺に集落、地域開発が進む13河川17地区)
河川管理への反映
調査結果は、H22年度から運用している、河川台帳システムへの統合を図り、総合的な河川管理を目指す。