事業費
要求額:3,956千円 (前年度予算額 4,105千円) 財源:単県
事業内容
1 事業の内容
次の視点を踏まえながら、近年特に重要であると指摘されている生態系に着目して湖山池の汚濁機構を検証し、今後の水質浄化手法の検討に資する。
【視点】
○ マクロ的視点(生態系全体の健全性の検証)
○ ミクロ的視点(カビ臭原因プランクトンの増殖特性の把握等)
○ 現場の視点(地域住民等からの情報収集・整理)
○ 先例事例の視点(参考となる効果的対策事例)
【内容】
○ 過去からの生態系構成要素に係るデータ収集
○ 現状の水質・プランクトン発生状況の把握
○ カビ臭原因プランクトンの増殖特性把握及び抑制策の検討
○ 生態系回復目標および再生手法の検討
2 事業の背景及び必要性
○ 水質管理計画に基づく浄化事業の実施にもかかわらず、水質改善が進展していない。
○ 現在、汽水湖の再生を目指して、塩分導入試験を実施中。
○ 近年、カビ臭原因プランクトンの発生やヒシの大繁茂等の新たな事象が発生。
○ 従来の汚濁要因個別の検討だけでは、汚濁機構の全体像を捉えることは困難。
○ 汚濁機構に置ける生態系への着目は最近であり、生態系を踏まえた汚濁機構解明の手法は未確立。
3 事業の効果
○ 湖山池における生態系回復目標および再生手法の検討を行い、今後の水質浄化手法の検討に資する。
○ カビ臭原因プランクトンの増殖特性把握を行うことにより、増殖抑制策の検討に資する。
○ 解明手法が一定程度確立されれば、他湖沼にも応用可能。
4 平成23年度要求額の内訳
内訳 | 要求額
(単位:千円) |
委託料 | 2,541 |
旅費 | 119 |
需用費 | 440 |
役務費 | 100 |
使用料及び賃借料 | 756 |
合計 | 3,956 |
5 事業期間及び経費
区分 | 事業内容 | 事業費
(千円) |
平成
22年度 | ○生態系構成要素に係るデータ収集
○水質・動植物プランクトン・底生生物調査
○藻類増殖の潜在能力(AGP)試験
○アレロパシー効果の検証
○中間とりまとめ | 4,105 |
平成23年度
要求 | ○基礎情報の収集・整理
○水質・動植物プランクトン・底生生物調査
○カビ臭原因プランクトンの増殖特性把握試験
(窒素・リン比、種間競争、カビ臭物質生成能等)
○藻類増殖の潜在能力(AGP)試験
○底質コアデータ収集による過去の湖内環境検証
○ヒシ帯と貧酸素領域との関係の検証
○生態系回復目標および再生手法の検討 | 3,956 |
6 用語説明
【藻類増殖の潜在能力(AGP)試験】
藻類の増殖に必要な物質、欠乏している物質を特定するために行う。
【アレロパシー】
他感作用と言い、一部の水草は、ポリフェノール類を放出することでアオコの増殖を著しく抑制することが知られている。湖山池に自生するヒシにもアレロパシー効果があると言われている。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
上半期は現場調査に重点を置き、以下の知見を得ている。
(1)ヒシ帯が水質へ与える影響について
○ヒシ帯の中は夏場に貧酸素化が進行し、さらに、ヒシ帯の外側へ貧酸素領域の広がりを確認した。
○ヒシ帯では溶存酸素の消費が起こりやすい状況にあることが示唆された。(大量の植物体の残渣が沈積、湖水が滞留しやすい)
○ヒシ帯と湖心の湖水ではカビ臭原因プランクトンの増殖能力に顕著な差は見られず、現場レベルではヒシのアレロパシー効果は確認できないか、あっても寄与率は極めて低いことが予想される。
(2)カビ臭とアオコ発生の関係について
○いずれも植物プランクトンの異常発生によるものであったが、主原因となるプランクトンは異なっている。
(3)カビ臭原因プランクトンの増殖能力特性について
○湖水水質では特定の栄養塩要求は見られていない。
これまでの取組に対する評価
ヒシ帯での貧酸素化及びヒシ刈取りによる貧酸素化の回復の可能性について、行政関係機関へ提言した。
今後の水質浄化施策に資するため、これからの成果についても他機関より強く望まれている。
工程表との関連
関連する政策内容
環境の保全・再生と活用に資する調査研究
関連する政策目標
湖沼の水質浄化や保全・再生に資する研究成果
要求額の財源内訳(単位:千円)
区分 |
事業費 |
財源内訳 |
国庫支出金 |
使用料・手数料 |
寄附金 |
分担金・負担金 |
起債 |
財産収入 |
その他 |
一般財源 |
前年度予算 |
4,105 |
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4,105 |
要求額 |
3,956 |
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