1 事業概要
極東ロシアでの鳥取県産農産物のブランド化を推進するため、県内農産物を中心とした中国四国地域連携による周年輸出、ウラジオストクでの拠点づくり、及びハバロフスク等周辺地域への販路拡大を実施し、県内農業・農村の活性化や鳥取・ロシアの貿易振興を図る。
2 背景
○昨年6月に就航した環日本海貨客船を利用して、県産農産物 等のテスト輸出を実施し、県内産地からロシア・ウラジオストクま での農産物輸出ルートの確立を目指しているところ。
○しかし、産地出荷から現地販売までの間の品質低下や売れ残 り等のリスクから、少量少品目のテスト輸出にとどまっている。
○約58万人のウラジオストク(月額平均給与額:約6万円)だけで は、単一品目の大量消費は見込めない。
○ロシアでの農産物輸出ビジネスを実現するためには、県産農 産物を中心とした少量多品目の継続的な輸出を実施し、鳥取ブ ランドを確立する必要がある。
3 これまでの取組状況
<平成21年度のテスト輸出:単一品目>
○7月 県産スイカ
○9月 県産二十世紀梨
<平成22年度のテスト輸出:複数品目・他県産品目の混載>
○7月 県産スイカ・メロン
○9月 県産二十世紀梨、広島県産ピオーネ
○12月(予定) 県産富有柿・あたご梨、広島県産温州みかん
3 課題
ウラジオを拠点とした鳥取ブランドの推進
@ウラジオストクでの拠点づくり
○新規品目追加による継続的なテスト輸出
・新規作物:プリンスメロン、ピオーネ、幸水、豊水、新興、西 条、ブロッコリー、シンテッポウユリ
・新規農産加工品:アイスクリーム、らっきょう漬
○インショップの開設
・ウラジオ市内高級スーパーに県産ブース(販売期間中、D VD放映)を設置
○販売先の拡大
・ウラジオ市内高級スーパーの取引店舗数の拡大
(2→10店舗予定)
Aハバロフスク等周辺地域での販路開拓
○主要品目のテスト輸出(ウラジオからハバロに輸送)
・すいか、二十世紀、富有、あたご梨、タカミメロン
○新規販売先の掘り起こし
・ロシア輸入業者の取引先での販売(0→20店舗予定)
5 事業内容
1.県内団体の農産物輸出促進活動への支援(継続)
【補助率】 2/3
【事業主体】 農林水産業団体、農産加工団体等
【事業実施期間】 平成23年度〜24年度
【要求額】 3,980千円(H22 6,000千円)
○補助対象経費(テスト輸出6回相当)
・テスト輸出に係る販路開拓調査活動、農産物等販売促進活 動等(輸出に係る各種手続き・取得経費は対象外とする)
※国事業(補助率:1/2)を活用する
○補助対象経費の算定の見直し
・農業団体から、ロシアへの農産物輸出について、ビジネス ベースとして継続的に取り組めるような支援の要望があった ため、現行の「取組に要した経費から販売等による収入を 減じた額」から、「取組に要した経費」に変更
○補助率
【4月〜7月(国事業の公募・申請期間)】:県2/3
【8月〜3月(国事業の交付決定後)】
:国1/2、県1/6(国対象外のサンプル代は2/3)
2.鳥取ブランドの推進活動(新規)
【事業主体】 県
【事業実施期間】 平成23年度
【事業内容】
鳥取県産農産物の認知度向上に必要な映像機材の整備 (ロシア語版DVD制作費及び簡易DVD機器導入経費)
【要求額】 1,555千円
3.中国四国ネットワーク化の推進(新規)
○中国四国広域連携輸出促進会議(仮称)の発足
・事務局:鳥取県
・活動内容:輸出促進に関する制度改善要望の共同実施、
JA全農中国四国輸出促進会議(仮称)の活動支援
※事務費枠内で対応
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
〈政策目標〉
・農産物販売額1,000万円以上の農家数
850戸(H17)→1,000戸超(H22)
*農家数の把握は平成22年農林業センサス(5年毎の統計情報)で把握する予定
〈取組〉
・2年間で農産物のテスト輸出を5回実施。
・他県産農産物の混載を実現。
・行政機関、農産物輸入関係機関、及びマスコミ(新聞社、テレビ局)で 県産農産物のPR活動を実施。
・高級スーパーで県産農産物の販売促進活動を実施。
これまでの取組に対する評価
・出荷者が極東ロシア側のインポーターを確保したことにより、県内 産地からウラジオへの農産物輸出ルートが確立されつつある。
・テスト輸出の度に、ロシア側の通関手続に何日要するかわからない ため、出荷期間が限られ、鮮度が一番の農産物輸出はリスクは高い。
・ウラジオでの単一品目の大量消費は見込めない。(「甘くて美味し い」と好評を得るが、値段が高いという印象。販売率も6割程度)
・広島県内農業団体は県内農業団体との連携によるロシア輸出に 前向き。
・県産農産物の認知度はまだ低い。
〈改善点等〉
・少量多品目の継続的な輸出を検討。(県産農産物や中国四国広 域連携による新規品目の掘り起こし)
・ウラジオでの販路拡大やハバロ等周辺地域への販路開拓を検 討。
・県産農産物のPR方法を検討。