1 現状
災害及び事故の多様化、大規模化等、消防を取り巻く環境の変化に伴い、消防学校の教育内容はますます専門高度化を求められている。また、団塊世代の大量退職に伴い、初任科学生の大量入校が始まっており、消防学校ではいかに効率的に水準を確保した初任教育を行うのかが課題となっている。さらに、地域の防災力を高めるため、消防団員教育及び自主防災組織を中心とした県民教育をより充実したものにする必要がある。こうした中、初任科学生の大量入校に対応するため、平成23年度から支援教官を配置している。
2 支援教官の必要性
平成22年度から初任科学生の大量入校が始まっており、今後、平成30年度までの間は、初任科学生の大量入校(30人超)は続き、入校性の指導・管理の充実を図るため、教職員が増員が必要となっている。このことは、「鳥取県消防学校のあり方に関する検討結果報告書にも提言されており、初任科教育の各種実科訓練は安全管理及び効率化を考えると、教官1名につき学生8名程度の体制が適当であり、学生を4班〜5班に編制する必要がある。しかし、消防学校の教官は3名であり、その不足分を支援教官に頼る必要がある。また、初任科教育以外においても地域の防災力を高めるため消防団員教育及び自主防災組織を中心とした県民教育をより充実したものにするため、支援教官に頼る必要がある。
3 支援教官の必要数及び担当業務
(1)初任教育分
年度(H) | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
初任科学生数 | 37 | 29 | 42 | 31 | 43 | 33 | 28 |
班編制 | 5 | 4 | 5 | 4 | 5 | 4 | 4 |
現状の教官数 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
支援教官数 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 | 1 |
(2)消防団員教育及び県民教育
消防団員教育 | 基礎教育 | 専科教育(警防科) | 専科教育(機関科) | 幹部教育 | 特別教育(女性団員教育) | 特別教育(消防操法指導科) | 特別教育(消防操法科
) | 現地教育 |
県民教育 | 自衛消防組織員教育科 | 応急手当普及員講習 | 応急手当指導員講習 | 市町村消防防災関係職員指導科 | 自主防災教育 | 一日入校 | 出前講座 | |
4 派遣期間
1年間
理由 初任科学生の支援においては、各種実科訓練における安全管理及び効率化である。実科訓練は毎年4月の中頃から始まり、9月の卒業まで続く。年度を通して安全管理及び効率的な実科訓練を行うためには、教官相互で事前に十分な協議を行う必要があるため年度当初からの派遣が必要である。また、初任教育修了後においては、従来、人数不足で出来ていなかった消防団教育の現地教育や、県民の要望に充分に対応出来ていなかった一日入校が対応出来るようになる。
5 支援教官が行う業務
(1)初任教育の実科訓練において行う業務
教科目 | 時間数(H) | 実施時期 |
訓練礼式 | 62 | 4月〜9月 |
救助訓練 | 92 | 5月〜8月 |
消防活動応用訓練 | 99 | 9月 |
消防活動訓練 | 92 | 4月〜8月 |
機器取扱訓練 | 50 | 4月〜7月 |
体育 | 70 | 4月〜7月 |
※時間数については、H23の実績
(2)消防団員及び県民教育において行う業務
教育種別 | 主な業務内容 | 時間数(H) | 実施時期 |
消防団員教育 | ・訓練礼式 ・火災防ぎょ活動訓練 ・ポンプ運用訓練 ・消防操法審査要領等 | 53 | 4月〜3月 |
県民教育 | ・規律訓練 ・普通救命講習 ・消防防災に関わる座学
・初期消火訓練
・救出訓練等 | 105 | 4月〜3月 |
※時間数については、H23の実績
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<鳥取県消防学校のあり方に関する検討結果報告書に提言された内容の実施>
初任科学生の大量入校に対応するため、現在の教官数では実科訓練において、安全管理及び効率的な教育が実施出来ないため、平成23年度から初任教育期間中、2名の支援教官の配置が認められた。1名については、消防局からの派遣対応であり、1名は公募による非常勤職員となった。消防局からの派遣1名については、確保出来たが、非常勤職員については、半年間の雇用期間ということもあり、応募者はなかった。
これまでの取組に対する評価
平成23年度の初任科学生は42名あり、予定していた2名の支援教官の確保が出来なく、1名の支援教官となったため、実科訓練においてはやや非効率となった。また、3名の教官では消防団員の教育及び県民教育を行ううえで充分な状態となっていない。