1 事業概要
平成3年に整備した地上系の防災行政無線は耐用年数を大幅に経過し、保守部品の入手が困難となっており、故障時の復旧にも時間を要する状況となっているため、衛星系や情報ハイウェイのネットワークを活用し、必要最小限の範囲で、2カ年(H23〜24年度)かけて更新整備を行う。
2 基本計画
次の項目を鑑み基本計画を決定した。
・災害に強いネットワーク
・鳥取県の特性に適したネットワーク
・コストパフォーマンスの高いネットワーク
以上のことから、2つの回線ルートを確保しつつ、基幹となる多重無線は簡易多重無線方式(一部近距離の区間はFWA〈専用の無線LAN〉)とした。
3 更新内容
・ヘリテレ映像、雨量や河川水位等のテレメータデータの収集伝送に必要な8中継局と本庁、総合事務所間に限って、IP(電子化情報)対応の地上系無線を整備。
・ヘリテレ映像、テレメータデータ、電話・FAXをIP(電子化情報)化し、情報ハイウェイを代替ルートに利用。
4 必要経費
H24年度分177,985千円は債務負担行為済
○整備工事費438,923千円
○工事監理費 7,101千円
計 446,024千円
5 整備スケジュール
H23.4〜12 機器製作
H24.1〜6 各総合事務所更新
H24.4〜6、10〜12 無線中継局更新(移動系無線が使用できなくなるため、衛星携帯電話の配備を別途要求予定)
年度別 工事監理 計
H23機器費 263,771千円 4,268千円 268,039千円
H24据付調整175,152千円 2,833千円 177,985千円
※H24に移動系無線(現在46台)に代わる衛星携帯電話の費用を追加予定。(県土整備部が使用している68台の移動系無線についても、それに代わる必要な台数の衛星携帯電話の配備を別途要求予定。)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
平成4年度から各市町村、総合事務所、防災関係機関及び災害現場への連絡手段として、災害時不通となる一般の公衆回線のバックアップとして専用の回線である防災行政無線回線を整備し、管理運用している。この回線にはヘリテレ映像、電話・FAX、、一斉FAX、テレメータデータなどの情報に利用している。
平成17年度に映像情報を含む衛星系の防災行政無線が整備され、地上系で利用しているのはヘリテレ映像収集、電話・FAX、一斉FAX、テレメータの情報を総合事務所と県庁間で利用している。
これまでの取組に対する評価
災害発生時に迅速・的確な対応をすることは、県民の生命、身体、財産を守るために重要である。迅速・的確な対応のためには、被害情報等の収集、伝達が必須であり、防災行政無線(地上系、衛星系、ヘリテレ)はその基盤となるシステムである。この整備には多額の経費が必要であるが、平成12年に発生した鳥取県西部地震では、地震発生時の初動時の輻湊による通信回線規制の中、ヘリテレ映像とともに防災無線が有効に威力を発揮し、効果的な初動対応をすることができた。
ヘリサットが実用化されていないことから、地上系のヘリテレ更新を含めると高額となるが、複数ルートを備えた柔軟なIP化に対応した機器に更新するなどにより、効果的な整備を行うとともに、維持管理に努め、いざという時に的確な情報(ヘリテレを含む)収集・伝達ができるようにしていく必要がある。