1 補助の理由
鳥取県厚生事業団が所有する「皆生みどり苑」が平成23年度に解体撤去が完了したので、平成17年3月31日に締結した契約書に基づき、施設解体費の補助を行うものである。
○根拠・・・鳥取県立社会福祉施設移管契約書
※補助金は解体完了の翌年度から交付
○当該補助については、平成17年度に債務負担行為で計上済
2 債務負担行為の議決内容
「利用者のより快適な生活に繋がる改築を促す仕組み」が基本
@債務負担行為の期間・・・平成18年〜平成40年度
A補助対象経費・・・解体に要する経費から国庫補助金等を除いた金額に県立施設であった期間を施設の耐用年数で除した割合を乗じた額
※施設の耐用年数は39年と設定
3 移管契約書(抜粋)
鳥取県立社会福祉施設移管契約書
(支援措置)
第3条 略
2 甲(鳥取県)は、乙(鳥取県厚生事業団)に対、経営の安定化を図るため、次の表の交付等の限度額の欄の額を限度として、交付、貸付け又は補助(以下「交付等」という。)を行う。
区分 | 区分 | 交付の限度額 | 交付等の年度 | 備考 |
略 | 略 | 略 | 略 | 略 |
略 | 略 | 略 | 略 | 略 |
施設解体費
補助 | 補助金 | 県立施設であった年数を耐用年数で除した割合に応じた額 | 解体の翌年度 | 詳細は解体時に別途定めるところによる |
4 補助対象経費積算
(1) 解体撤去費・・・54,848千円
いずれも契約書ごとので契約額から積算
(単位:千円)
工事年度 | 工事(解体撤去費)費 | 設計・管理委託料 等 | 計 |
平成21年度 | 9,500 | 798 | 10,298 |
平成22,23年度 | 41,475 | 3,075 | 44,550 |
計 | 50,975 | 3,873 | 54,848 |
(単位:千円)
負担者 | 負担率(利用年数/耐用年数) | 積算(解体撤去費×耐用年数) | 負担額 |
鳥取県 | 29/39 | 54,848×29/39 | 40,784 |
鳥取県厚生事業団 | 10/39 | 54,848×10/39 | 14,064 |
※補助対象経費については、工事内訳書等の実績を精査して、補助対象、補助対象外経費を整理の上、補助金交付要綱を作成する
5 その他
社会福祉法人鳥取県厚生事業団は、県立社会福祉施設を管理するため、昭和45年3月に県が出資して設立した団体である。
平成17年4月、管理委託していた14施設のうち、11施設を移管、残り3施設については、指定管理者とした。
現在は、県の一定の関与(交付金等)を残しつつも、県から独立した団体として、自主的な経営基盤の確立など、主体性を尊重することされている。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
【厚生事業団に対する助成の目的】
平成17年4月1日に社会福祉法人鳥取県厚生事業団へ移管した元県立施設の運営の安定と、独立採算制へスムーズに移行できるよう、様々な財政的な支援を行った。
移管施設(11施設)
三津白寿苑、巌城はごろも苑、皆生みどり苑、厚和寮、友愛寮、つばさ園、あさひ園、 白兎はまなす園、羽合ひかり園、西部やまと園、境港通勤寮
※つばさ園は、平成18年7月1日にあさひ園に統合
※鹿野かちみ園、鹿野第二かちみ園、皆生尚寿苑は、指定管理(H18〜)で、将来的に厚生事業団に移管予定である旨、議会に説明済。
1 建物・土地等の無償譲渡・無償貸与
○無償譲渡(平成17年度)
移管施設の建物、設備及び備品 障害者福祉センター一帯(厚和寮、友愛寮、つばさ園、あさひ園)の土地無償貸与(H17〜H26)
○無償譲渡の土地以外の移管施設の土地
皆生みどり苑、白兎はまなす園の土地は、県が借上げて事業団に無償貸与
土地借上料(H19予算)皆生みどり苑:15,103千円、白兎はまなす園:3,036千円
2 退職手当差額貸付金(平成16年度)
平成16年度末退職者の退職手当(早期退職制度による退職手当の割増分)に係る貸付金・・・375,532千円
※償還方法 無担保・無利息、2年据置8年償還(H18〜H25)
3 経営安定化支援交付金(H17〜H19)
職員人件費激減緩和、修繕費のための交付金
[年度別の経営安定化支援交付金] ・・・720,432千円
H17:321,931千円 、H18:239,000千円、H19:159,500千円
4 経営安定化支援貸付金(平成17年度)
移管当初の運転資金に係る貸付金・・・600,000千円
※償還方法 無担保・無利息、2年据置6年償還(H19〜H24)
5 施設解体費補助金(債務負担行為:解体の翌年度)
移管施設の解体時における解体費用の補助
※補助金は、解体費用を県立施設であった期間で按分し算出
6 その他補助等
(1)羽合ひかり園職員加配経費補助(H17〜)
臨時職員16人分
(2)皆生尚寿苑運営費補助(H18〜)
これまでの取組に対する評価
鳥取県厚生事業団は、県の様々な財政的な支援を受けながら、下記のとおり、移行後も施設運営の安定と独立採算を目指し、一定の成果を上げている。
(1) 経営基盤の確立
ア 経営分析等による経営努力
法人の資金収支、事業活動、財務状況等を分析し、経営上の課題を改善し、経営の更なる効率化を図っている。
イ 障害者自立支援法に基づく施設体系の見直し
障がい者施設において、施設ごとに日中活動及び居住支援のあり方、社会資源の確保、 採算性など多角的に検討を行うことで施設体系を見直し、円滑な体系移行を目指している。
ウ 中長期的経営ビジョンの検討
障がい者施設の体系見直し、老朽化施設の改修や活用方法、借入金の返済など、福祉と経営を念頭においた中長期的経営ビジョンを策定すべく検討を行う。
(2) 福祉施設サービスの向上
サービス評価の向上(リスクマネジメント、苦情解決、権利擁護等含む)第三者評価の結果をふまえサービスの自己評価等を実施している。
(4) 地域ケアシステムの構築
相談支援事業、障害者就業・生活支援センター事業、職場適応援助者支援事業等の機能をシステム化、各種関係団体との連携を図り、就労、生活両面でのバックアップ及びセーフティーネット体制を構築している。
(5) 人材育成
各種施設種別に基づいた研修等を実施。
(6) 情報公開
・財務等に関する資料の情報公開
・ホームページ等による情報発信
(7) 個人情報の保護の徹底
社会福祉法人鳥取県厚生事業団個人情報保護規程について、研修会等を通して職員に周知徹底を図り、個人情報の保護に努めている。
(8) 苦情、要望等への対応
法人事務局に苦情解決委員会を設けるほか、施設ごとに苦情解決検討会で対応している。