(1)背景
ア 災害対策基本法の一部改正
「災害対策基本法の一部が改正され(平成24年6月)、 「東日本大震災から得られた教訓を生かし」、以下の観点
で災害対策の強化を図るよう示された。
(ア)大規模広域的な災害に対する即応力の強化
○国・地方公共団体による積極的な情報の収集・伝達・共有
の強化(努力義務として地理空間情報の活用、情報の共有 や市町村が報告できなくなった際の県による情報収集等)
○地方公共団体間の相互応援等を円滑化するための平素 の備えの促進
(イ)大規模広域的な災害時における被災者対応の改善
○市町村の都道府県に対する物資等の供給に係る要請等
イ 各都道府県のシステム導入状況
このような防災情報システムは、全国的にも導入が進み、 平成23年度末現在で40都道府県で導入されている。
ウ 災害情報の電子情報システム導入に係る監査意見
平成23年度決算に係る監査意見として、「災害情報につい
て県や市町村等の行政機関が共通で活用できる電子情報シ ステムを構築し、行政機関における情報の収集、共有化を 効果的に行うとともに、収集情報の整理や多様な媒体を活 用した情報提供が自動的に行われるような体制づくりを検討 されたい」という意見を受けている。
(2)課題・問題点
○大規模災害が発生した場合、以下の事由から迅速・的確な 情報集約・対策判断・応急活動の推進に支障がある。
・被害・対応状況等の覚知や状況把握・共有が遅延
(第1報覚知の遅れ等により初動対応が遅延)
・災害情報や支援要請、過去の訓練・災害対応ノウハウ等 を関係機関間で情報共有が困難
・各部署で情報集約に多大な時間・人的労力がかかる。
・情報(判断材料)集約の遅れにより意思決定に支障発生
・地図上で災害現場の特定や現場へのルート設定・把握に 多くの時間を要する。
・住民等への情報提供業務量が多い、伝達手段が限定