事業の背景・目的
○ これまで人工林では長伐期施業を中心に実施されてきており、県内のスギ・ヒノキ林は現在8〜11齢級に集中しているため、齢級構成に偏りのある状態となっている。
○ 将来の安定的な木材供給や二酸化炭素吸収能力の高度発揮の観点から、老齢化したスギ・ヒノキ林の若返りと齢級構成の平準化を図ることが必要である。
○ 一方で、材価の低迷に加え、再造林にはそれに伴う下刈り等の保育が必要なため、皆伐した材の販売収入では再造林・保育コストが賄えず、短期間での齢級構成の平準化は見込めない。
○ このため、低コスト再造林の採算性を実証することにより、再造林の必要性とともに、持続可能な森林経営について普及と推進を図る。
事業の内容
人工林を皆伐し、大苗の植栽等による低コスト再造林をモデル的に実施するとともに、その採算性について実証する。
(1)事業主体 県
(2)事業規模 1施行地0.5ha程度 × 5箇所
(3)事業内容
【現地施行(総合事務所)】
1. 皆伐・搬出
・ 作業道整備と併せ、高性能林業機械による集材・搬出
2. 植栽
・ 大苗、コンテナ苗、耐雪性品種等の導入
・ 疎植による植栽本数の削減と作業効率化
3. 下刈り
・ 坪刈りによる下刈り面積の削減
・ 下刈り施行年数の短縮、隔年施行等
・ 植栽木への植生保護管設置によるシカ等の食害防止と下刈りの省力化
4. 雪起こし
・ 耐雪性品種の導入による雪起こし省略
【実証調査(林業試験場)】
1. 現地施行に係るパターン設計
2. 功程調査
3.コスト計算、採算性の実証
(4)事業費
【現地施行に係る委託料】
H24施行単価 : 2,581千円/ha(皆伐〜植栽)
※H25以降は保育のみ
施行面積 : 0.5ha × 5箇所 ≒ 3ha
H24事業費 : 2,581千円 × 3ha = 7,743千円
(5)事業実施期間
平成24年度〜平成30年度(7年間)
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
これまで人工林では長伐期施業を中心に実施されてきており、県内のスギ・ヒノキ林は現在8〜11齢級に集中しているため、齢級構成に偏りのある状態となっている。
これまでの取組に対する評価
従来の造林方法では、皆伐した材の販売収入では再造林・保育コストが賄えず、短期間での齢級構成の平準化は見込めないため、低コスト再造林の採算性を実証し、森林所有者等への普及推進を図ることが必要。