○要求内容
24年度は鳥取県の藻場の現状把握、これまでの藻場造成事業の効果把握のために調査を実施し、今後の展開を検討する。
また、今年度本県で開催された第31回全国豊かな海づくり大会を契機に、海の環境について漁業者のみならず県民全体の関心が高まっている。
そこで、県民全体の機運が高まっている今だからこそ、これまでの漁業者や環境NPO団体主体の事業から、一般県民が参画できる「県民参加型海の森づくり」活動へと事業内容を変更して実施する。24年度はその推進方策の検討を調査と併せて1年間実施する。
○24年度に事業を要求する理由
@藻場造成に対する漁業者の機運の高まり
今年度本県で開催された、第31回全国豊かな海づくり大会を契機に、現場の漁業者からは「もっと海域の環境をよくしたい、藻場造成を実施したい」との意見が聞かれる。
A県民の機運の高まり
また、23年度は実際に一般のダイバーがボランティアとして藻場造成に参加した地区があり、「ダイビングスポットに海藻が増えてうれしい」との意見が聞かれる。
Bダイバーの潜水技術の活用
これまで漁業者主体で藻場造成事業を実施してきたが、漁業者の中でも潜水技術を有する人は限定されるため、深場への藻場造成など実施できる範囲が限られていた。一般のダイバーと連携することにより、これまで限られていた移植の範囲を広げることができる。
また、これまでの藻場造成は漁場への海藻移植が中心であった。しかし、藻場には漁場にはならないが造成が必要な地点がある。このような地点は、一般県民による海藻移植を実施することによってカバーすることができる。
@海の森づくり事業
藻場造成実践活動経費 復活 2,233千円
漁業者やNPO団体が実施する藻場造成活動に対し、県が人件費以外の活動経費を負担する。また、漁業者と県民(一般ダイバーや高校の実習)が共同で藻場造成を行う場を設け、新たな協働体制の構築を目指す。
○藻場造成セミナー
・事業主体: 県
・参加者: 漁業者、一般ダイバー、高校生
・事業年度: 平成24年度(1年間)
○藻場造成実践活動
・事業主体: 漁業協同組合、漁業者、NPO団体
・補助率: 10/10(上限40万円/地区)
・事業年度: 平成24年度(1年間)
A アラメ・クロメ種苗生産及び中間育成委託業務
復活 1,096千円
・参加団体への造成技術の指導、実践活動において移植するアラメおよび技術開発試験に用いるクロメの種苗生産を(財)鳥取県栽培漁業協会に委託する。
・事業主体: (財)鳥取県栽培漁業協会
B 藻場造成効果調査・藻場現状把握調査、クロメ移植技術開発
計上 715千円
・かつて植生が豊かだったが、近年衰退したとされる地点などを対象に、植生状況を調査し、鳥取県における藻場の現状について把握し、磯焼けの有無を確認する。また、アラメ移植試験を実施した地点では、アラメ群落拡大が確認されているものの、移植したアラメがどの程度拡大しているかについては詳しく調べられてない。そこで、これまで実施してきた藻場造成の効果を明らかにし、今後の藻場造成の検討材料とする。
・アラメより深場に移植が可能なクロメについて、移植技術開発を行う。
・事業主体: 栽培漁業センター