1 事業概要
(1)鳥取県警察では、PSDシステム(地域警察デジタル無線システム(国費整備))の導入(平成23年4月)を契機に、ITを活用した効果的な業務運営を図るため、平成23年5月に「鳥取県警察情報システム高度化推進検討委員会」を立ち上げ検討を行っている。
(2)先進県においては、警察活動の基盤となる情報を集約・共有化し、PSDシステムや事務パソコンから各種システムを横断的に検索することにより、警察活動に大きく寄与している。
(3)先進県での効果等を踏まえ、鳥取県警察においても同様なシステムを構築し、警察業務の効果的な運営を行い、より迅速な初動警察による県民の安全・安心の確保を図るためにも警察情報システムを高度化しようとするもの。
(4)警察情報システム高度化については、平成24年度から概ね5か年計画で整備しようとするもので、平成24年度はPSDシステムから鳥取県警が保有する情報を照会可能にするWebサーバを整備する。
※「鳥取県警察情報システム高度化推進検討委員会」
警察情報システムの総合的な整備、充実を図ることにより、情報システム全体の高度化及び情報の共有化を行い、効果的な業務運営に資することを目的とする。
2 平成24年度予算要求(債務負担行為要求)
(1)Webサーバの導入
現在、盗難車両や盗難自転車等の照会は無線により行っているが、通話輻輳時や重大事件等の発生時はその通話を優先するためタイムリーに照会できない状況である。このため、Webサーバを整備し、併せて、PSDシステムから盗難車両、盗難自転車等の情報をタイムリーに照会できるシステムを構築し、犯罪の予防及び被害の早期回復を図る。
※先進県では、PSDシステム導入前後で、照会件数が約6倍になった。(H20年:約364,300件 → H21年:約2,345,500件)
(2)保守込みリース期間 H25.4.1〜H30.3.31の5年間
債務負担行為要求額 50,670千円(10,134千円/年)
(3)標準事務費枠外で新規要求
3 平成25年度以降の予算要求予定
基盤となる総合情報管理システム、GISシステム、監視システムを構築後、犯罪統計システム等の個別システムについては、現行システムの更新時期に合わせて予算要求を行う。
予算要求年度 | 内 容 |
平成25年度 | (新規)総合情報照会システム
(新規)GISシステム
(新規)監視システム
(新規)ストリーミングサーバ
(更新)通信指令システム
(更新)交通事故管理システム
(更新)汎用コンピュータ |
平成26年度 | (新規)地域運用システム
(更新)犯罪統計システム |
平成27年度 | (更新)人事管理システム |
平成28年度 | (更新)放置駐車違反管理システム
(更新)警察安全相談システム
(更新)組織犯罪情報管理システム |
4 高度化へのキーワード
・ITを活用した業務改善
・情報セキュリティ対策の徹底
・情報システム全体の共有化及び最適化
・時代にマッチした情報システムの構築
・視覚的情報分析と情報提供
・大規模災害等に対応できるシステム構築 など
5 高度化の事例
(1)現在のカーロケシステムにPSDシステムを連携させ、警察官とパトカーの位置情報を把握し、より迅速な現場臨場を実現
(2)通信指令システムと警察安全相談システムを連携させ、ストーカーやDV等の被害者からの110番通報と思われるものは相談内容を検索・表示させ、迅速な現場臨場等の対応が可能
(3)事件の有力容疑者に係る情報を総合情報照会システムで横断的に検索することで早期検挙につながる
(4)犯罪発生状況を地図上に表示させ、分析を行い対策の検討及び事件分析図を県民へ情報発信
(5)交通事故発生状況を地図上に表示させ、分析を行い対策の検討及び事故分析図を県民へ情報発信
(6)災害時のハザードマップを作成し、迅速な避難誘導、適正な交通規制を実施できる