１．事業の内容
（１）ＩＳＯ１７０２５認定維持
【要求額：６０９千円 （前年度予算額：７４４千円）】
衛生環境研究所が平成１７年度（平成１８年３月）に取得した試験所認定の国際規格ＩＳＯ１７０２５の維持を継続し、試験検査精度の信頼性の確保と向上を図る。
○維持審査（認定審査委託）
○教育訓練及び精度管理（研修、技能試験の受講）
（２）県内試験検査機関精度管理支援事業
【要求額：１７９千円 （前年度予算額：１０５千円）】
ISO１７０２５認定検査機関としてのノウハウを生かし、県内検査機関の分析技術及び精度向上のための支援事業を行う。
○技術研修会の開催（２回／年程度）
分析操作研修、分析機器研修、精度管理研修等の開催。
○技術相談及び指導（随時）
県内試験検査機関から、難しい分析や日頃の業務で困っていることなどの相談を受け、課題解決のための助言や指導を行う。
○精度管理試験（１〜２回／年）
当研究所と精度管理試験参加検査機関が、同一試料を用いて検査を行い、検査結果の正確性の検討を行う。
２．事業の必要性・効果
（１）ＩＳＯ１７０２５認定維持
●検査業務における技術的な信頼性の確保システムを継続し、認定対象外の試験についてもシステムを構築することにより、検査体制の維持及び検査精度の向上を図る。
●当所は検査機関であるとともに、他の検査機関を指導する立場にある技術的中核的機関であることから、継続して検査精度の確保を図る。
※平成２１年度（平成２２年３月）に更新審査を受け、認定期間が平成２５年度（平成２６年３月）までの４年間であり、期間中は毎年１回、維持審査を受ける必要がある。
（２）県内試験検査機関精度管理支援事業
●当所が実施している行政検査の外部委託による効率化を進めるためには、受け皿となる県内検査機関の技術レベルの確保と日頃の精度管理が重要。
●県内事業場が法に基づき実施する自主検査等についても、県内検査機関も多く受託しており、その検査結果については極めて重要。
●当所が培ってきた技術、ノウハウ等を県内試験検査機関に還元し、県内検査機関の技術向上と検査結果の精度確保を図る。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○Ｈ１７年度に認定取得以降、品質システムや体制等の見直しと改善を行い、また、研修や技能試験の実施等を行いながら、当所の検査精度の向上に努めてきた。
○ＩＳＯ１７０２５認定範囲以外の検査についても、検査手順書の整備等を順次進めているところである。H２３年度中に作業書の整備を完了し、H２４年度末までに適切な品質管理を実施予定。
○県内の民間検査機関を対象とした精度管理技能試験を実施（Ｈ２３年度は、県内の環境分野検査機関８機関中５機関が参加）。
○検査マニュアルや分析技術に関する相談を受け、当所のノウハウを生かして助言等を行ってきた。
これまでの取組に対する評価
○行政検査については外部委託による効率化を進めているところであり、当所が緊急時に対応できるような検査水準の確保、受け皿となる民間検査機関の技術レベルの確保が必要となるが、以下の事業実施により一定の成果がでているものと考えている。
→ＩＳＯ１７０２５のシステム等を活用することで、認定範囲及びそれ以外の検査項目の技術維持及び向上に役立っている。
→技術相談、技能試験等により県内民間検査機関の検査精度向上の一助となっているものの、各検査機関の精度管理の実施レベルには差があり、ある一定の技術レベルの確保のためには、引き続き支援を行っていく必要がある。