【目的】
「鳥取県がん対策推進計画」に掲げるがん検診受診率50%達成を目指し、平成21年度より「がん検診受診率向上プロジェクト」を展開。
平成24年度は、企業へのアプローチ、及び近年死亡者数の増加が顕著な乳がんへの対策を強化し、受診率全国1位を目指す。 あわせて、学校現場へのがん予防教育の普及を図る。
【現状と課題】
○本県のがん検診受診率は約25%と全国平均と比較し高く推移し、都道府県順位についても概ね上位の順位であるが、目標受診率には遠く及ばない状況。
■本県のがん検診受診率 (単位:%)
区 分 | 胃がん | 肺がん | 大腸がん | 子宮がん | 乳がん |
全 国 | 10.1 | 17.8 | 16.5 | 21.0 | 16.3 |
鳥取県 | 22.7 | 24.1 | 25.6 | 26.6 | 27.4 |
全国順位 | 2位 | 17位 | 6位 | 16位 | 8位 |
出典:平成21年度地域保健・健康増進事業報告(厚生労働省)
<企業等が実施するがん検診について>
○企業等が実施するがん検診受診率も、市町村がん検診と同様に受診率は概ね約25%程度に留まっている。
○企業の従業員に対する意識アンケートの結果
・がん検診に対する事業者、従業員の認識が低い。
・勤務時間内に職場でがん検診を受診したいとの声が多かった。
⇒従業員が受診しやすい体制整備
<女性特有のがん検診について>
○本県のがんによる死亡者数は全死亡者全体の約3割。がん死
亡者が年々増加する中、特に乳がん死亡者の増加が顕著。
■過去10年間の乳がん死亡者数 (単位:人)
部位 | H12 | H14 | H16 | H18 | H20 | H22 | |
対H12 |
乳がん | 35 | 37 | 39 | 57 | 42 | 72 | 206% |
出典:人口動態統計調査
○がんの罹患数も年々増加しており、特に近年、乳がん、子宮が
んの罹患者の増加が顕著である。
■過去10年間の罹患者数 (単位:人)
部位 | H8 | H10 | H12 | H14 | H16 | H18 | |
対H8 |
乳 | 118 | 130 | 130 | 156 | 236 | 275 | 233% |
子宮 | 63 | 66 | 106 | 116 | 125 | 146 | 232% |
出典:鳥取県地域がん登録
○女性特有のがん検診を受診できる医療機関が少ない。
乳がんマンモ検診 | 東部8、中部4、西部9 |
子宮がん検診 | 東部10、中部6、西部14 |
⇒女性が受診しやすい体制整備
『鳥取県がん検診推進企業アクション』 2,398千円(国補1/2)
⇒一般事業要求分 |
【事業内容】
1 企業へのアプローチ
『特定健診・がん検診同時受診体制整備事業』2,470千円(国補1/2) |
事業所等で特定健診、がん検診を同時に受診できる体制を整備し、特定健診、がん検診の相互の受診率の向上を図る。
この事業により、
[1]職場で実施される定期健康診断(労働安全衛生法)にあわせ、市町村が実施する各がん検診の同時受診が可能となる。
[2]パートなどの非正規従業員も、職場において特定健診、がん検診の同時受診が可能となる。
[3]がん検診未実施事業所へのアプローチによる、検診実施事業所の拡大が期待できる。
あわせて、がん検診未実施事業所へのアプローチを通じ、従業員に対し、検診の重要性を啓発する。
場 所 : 商業団地、企業等
内 容 : 検診受付(調整)及び検診費用の振分け事務
事業対象:原則、平成23年度内に職場内でがん検診未実施の事業所
実施主体:県内検診機関 |
2 乳がん検診受診率向上対策
《体制整備》
『レディース検診推進事業』 840千円(国補1/2) |
近年死亡者が増加傾向にある乳がんについては、受診可能な医療機関が少なく、特に子宮がん検診と同時に受診できる医療機関が少ないことが受診率低迷の一因となっている可能性がある。
平成24年度(単年)のモデル事業として、乳がん、子宮がん検診に特化した検診受診体制を強化する。
あわせて乳がん自己触診法の講習会を実施する。
開設日:7月〜2月までの毎月第1土曜日(受入年間約400名)
場 所:県内検診事業所
内 容:休日がん検診、乳がん自己触診法講習会、PRリーフレット
※県内の検診機関への委託 |
《普及啓発》
『乳がんピンクリボン運動推進事業』 2,603千円(国補1/2) |
各福祉保健局が中心となり、圏域単位で市町村及び乳がん患者会及び各種団体と連携した乳がんピンクリボン運動(乳がん検診普及啓発)を行う。
特に、乳がん自己触診の重要性を広くPRする。
開催期間:10月(乳がん月間)
開催場所:大型ショッピングセンター等
内容:乳がん自己触診モデル購入、まんがを取り入れた啓発冊子作成、啓発用パネル作成、その他、啓発のぼり等
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3 がん教育の推進
『出張がん予防教室 がん予防学校教育キックオフ事業
〜がんちゃんの冒険編〜』 899千円(国補1/2) |
がん予防については、成人はもとより、子供のころからの正しい知識の普及が重要であり、平成23年度より「出張がん予防教室」を開始したところであるが、学校現場での実施は、平成24年度から開始する予定である。
学校現場でのがん教育のキックオフイベントとして、著名な特別講師を招き、中学校生徒に対し、がん教室を実施する。
対象:県内中学生
講師:著名がん有識者、がん専門医、がん経験者等
内容:講師謝金、特別旅費、配布資料、会場費 |
4 マーケティング手法に着目した検診受診率向上戦略事業
《研修会開催》
『検診受診率向上戦略研修会』 400千円(国補1/2) |
民間企業で培われたマーケティング手法に着目した、がん検診受診率向上のための検診担当者向け研修会を開催。受診行動を誘引する効果的なアプローチ法について、他県の事例を理解し、今後の戦略の参考にしていただく。
対象:市町村及び各保険者等の検診(特定含む)担当者
内容:講師謝金、特別旅費 |
《事業支援》
『がん検診受診率50%超チャレンジ支援事業』3,600千円(単県、国1/2)
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検診受診率50%達成を目指した効果的な啓発について、専門家からの助言及び取組み支援が受けられるよう、市町村に対する支援を行う。
対象:受診率向上に意欲的に取組む市町村(3団体)
内容: [1]専門家による年間サポート費、特別旅費(国補1/2)
[2]市町村取組みに対する補助(単県)
※1団体500千円までを上限に県が1/2補助 |