1.事業の概要
近年、人々の健康意識の高まりから機能性食品などの健康に良いとされる食品へのニーズが高まっている。そこで抗酸化作用、眼病予防等の健康作用が期待されるルテインを多く含む地域未利用資源(ブロッコリーの葉、マリーゴールド花がら)を鶏に給与し付加価値の高い鶏卵、鶏肉生産を目指し特産化を図る。
2.目的、背景
(1)高齢化社会により、欧米同様日本でも失明につながる加齢黄斑変性症などの眼病の患者数が増加している。
(2)ルテインは抗酸化作用、眼病予防等の健康作用が期待されており、地域未利用資源であるブロッコリーの葉やマリーゴールドの花に多く含まれている。
(3)ブロッコリーの葉やマリーゴールドの花の給与試験を本県地鶏を対象として行い機能性を持つ付加価値の高い鶏卵、鶏肉生産を目指し特産化を図る。
3.事業効果
(1)地域未利用資源利用による安心、安全な鶏卵、鶏肉の生産と「地産地消」の推進につながる。
(2)ルテイン含有植物給与による鶏卵、鶏肉等の付加価値を高め、新たな地域の特産品(ブランド化)の創出が期待される。
(3)放置しておくと環境負荷物質となる可能性のある収穫後残渣を有効利用することにより、環境保全の面でも有用性がある。
4.事業の内容
(1)収穫後のブロッコリーの葉、マリーゴールドの花を地鶏(GSR、ピヨ)に給与し、体重の増加量、飼料要求率、産肉量、産卵成績に及ぼす影響を調査し、適正給与量を検討する。
(2)試験区はブロッコリーの葉、マリーゴールドの花について高濃度添加区と低濃度添加区の各2区、対照区1区で実施する。
(3)肉および卵のルテイン移行含量の分析を行い、ルテイン含有植物給与による効果を検証する。
(4)(独)食品開発研究所と連携し抗酸化度の調査、加工方法を検討する。
5.事業期間、総事業費
事業期間 < H23〜24 2年間の試験研究のうち2年目 >

区分 | 
事業内容 | 
事業費 |

23年度 | 
精肉調査(肉量、肉質の調査)、産卵前期調査(産卵率、卵質の調査) | 
879 |

24年度 | 
産卵後期調査(産卵率、卵質の調査) | 
677 |
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<政策目標>
高付加価値の鶏卵、鶏肉生産
<取組>
・試験鶏を計画的に作出。
・給与試験(前半)に必要なマリーゴールドの花、ブロッコリーの葉
を確保、調整中。
・鶏卵、鶏肉の抗酸化度測定方法の検討。
<現時点での達成度>
・試験鶏の作出、選抜。
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
・試験鶏作出選抜、マリーゴールドの花、ブロッコリーの葉を確保調整し11月に開始する給与試験体制を整えた。
・鶏卵、鶏肉の抗酸化度測定方法について関係機関と検討した。