現在の位置: 予算編成過程の公開 の 平成24年度予算 の 福祉保健部の障がい者就労継続事業所工賃3倍計画(仮称)事業【既存施策分】
平成24年度予算
当初予算 一般事業(公共事業以外)  一般事業要求      支出科目  款:民生費 項:社会福祉費 目:障がい者自立支援事業費
事業名:

障がい者就労継続事業所工賃3倍計画(仮称)事業【既存施策分】

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福祉保健部 障がい福祉課 障がい者就労担当  

電話番号:0857-26-7889  E-mail:shougaifukushi@pref.tottori.jp
  事業費(A) 人件費(B) トータルコスト
(A+B)
正職員 非常勤職員 臨時的任用職員
24年度当初予算要求額 19,719千円 8,046千円 27,765千円 1.0人 0.0人 0.0人
23年度6月補正後予算額 13,967千円 7,988千円 21,955千円 1.0人 0.0人 0.0人

事業費

要求額:19,719千円  (前年度予算額 13,967千円)  財源:国1/2、単県 

事業内容

1 「小規模作業所等工賃3倍計画事業」の実績

 平成20年4月に「小規模作業所等工賃3倍計画(以下「工賃3倍計画」という。)」を定め、小規模作業所等で働く障がい者の平均工賃月額を平成18年度実績(約11千円/月)の3倍(約33千円/月)とすることを目標に23年度まで取り組んでいるところ。

     平成22年度の実績は、14,429円/月と計画目標の半分にも届いていない状況であるが、現下の著しい経済状況にあって他県では工賃が伸び悩んでいるところも多い中で、本県においては毎年着実に工賃が向上しており、事業の効果は一定程度成功しているものと考えられる。

2 「小規模作業所等工賃3倍計画事業」の評価(現段階での工賃3倍計画検討委員会での評価案)

 「障害者自立支援法」(以下「新法」という。)施行以前の身体障害者福祉法等の旧法による施設及び法律に基づかない小規模作業所は、新法によるサービス事業所の指定を受けること(以下「新体系移行」という。)が最優先課題とされたため、工賃向上にすべてを注力できなかった背景があると考えられる。
 新体系移行が23年度で完了するため、24年度以降が「障がい者就労系事業所」としての真価が問われる時期であろうと考えられる。
 工賃3倍計画の理念(「障がい者が地域で自立して生活するための最低収入の確保(工賃と障害基礎年金を合わせて10万円)」)は達成していない現状から、障がい者の収入確保のための支援は今後も必要である。

3 「事業棚卸し」結果・総括

評価結果: 【改善継続】
  • 施設が障がい者の居場所から働く職場へと変わっている。これに対応して、事業所は施設運営をビジネスとして自立させるための改革を進める必要がある。
  • そのために、競争意識を持った運営、事業所間のネットワーク化の検討など、従来の枠を超えた取り組みが必要である。また、鳥取県障害者就労事業振興センターの更なる能力向上に期待したい。
【対応方針】
 障害福祉サービス事業所の製品のみの見本市の他に、商工会議所主催の商談会等に参加する事業を行い、一般市場をターゲットにしたビジネス展開を支援。⇒【工賃3倍計画事業(既存施策分)】
 就労系障害福祉サービス事業所には小規模作業所等から移行したところも多く、まだ「居場所」的な感覚で就労支援を行っている事業所も見られることから、「就労・労働の場」として意識づけるための研修を新たに開催する。⇒【工賃3倍計画事業(既存施策分)】
 鳥取県障害者就労事業振興センターには、県外研修への参加経費の上積みを行い、職員のスキルアップを図ることとするとともに、就労系障害福祉サービス事業所のトータル支援機関となるべく、個々の事業所のカルテ及びベンチマークを作成・管理する事業を委託。⇒【振興センター運営支援事業Database '24年度当初一般事業(福祉保健部)', View '0002障がい福祉課', Document '障害者就労事業振興センター運営支援事業'、工賃3倍計画事業(新規施策分)

4 事業内容

(1)新事業展開等支援[1,820(6,699)千円]
   [継続]ビジネス力等強化支援事業
内容
 アドバイザー派遣

(ア)就労系障害福祉サービス事業所(以下「就労系福祉事業所」という。)への派遣
 中小企業診断士、デザイナー等の経営系及びパテシエ等の技術系の専門家をアドバイザーとして委嘱し、これら専門家を就労系福祉事業所に派遣

  • 就労系福祉事業所からの相談申込に基づく支援
  • 県の訪問調査への同行による課題の把握
  • 個々の課題に対応した相談支援(電話・訪問)
  • 集合研修に参加できない就労系福祉事業所に対する出前研修の実施

(イ)企業への派遣
 企業の経営ノウハウと福祉事業所の実態の両方を知る振興センターのアドバイザーを企業へ派遣し、企業と就労系福祉事業所の協働による新たな事業開拓・展開を図る。
要求額
1,820(4,943)千円
実施主体

(NPO法人鳥取県障害者就労事業振興センターへ業務委託)
財源
国1/2

  企業との協働連携支援事業   0(1,756)千円
     企業への専門家派遣については、ビジネス力等強化支援    事業の中で継続して実施する。
      新たに、企業への助成金を支給する制度を設け、事業の
    拡充を図る。(新たな助成事業は、別途要求

(2)人材育成・体制整備[1,310(1,686)千円]
    ア トップセミナー
    内容
     就労系福祉事業所の施設長等に対するトップセミナーの開催
    • 対象 : 法人の理事長、施設長等のトップ
    • 回数 : 3回(各障害保健福祉圏域)
    • 内容
      ・就労系福祉事業所における支援力の必要性、ビジネス力(経営力)の必要性に関する講義
      ・目標工賃達成事業所、利用者の欠席が少ない就労系福祉事業所の施設長による成功例の発表等
    要求額
    423(1,172)千円
    実施主体

    (NPO法人鳥取県障害者就労事業振興センターへの業務委託)
    財源
    国1/2

    イ 事業所職員研修
    内容
    就労系福祉事業所の職員(職業指導員、生活支援員等)に対する研修を開催

    (ア)各障害保健福祉圏域研修

    • 内容 :企業との交渉を行う際に最低限必要なマ    ナーを習得するための研修の開催
    • 回数 :各障害保健福祉圏域で1回ずつ

    (イ)全県研修
    • 目的:
      就労系福祉事業所で働く障がい者を支える事業所の職員に対し、就労系福祉事業所を“就労・労働の場”として意識付けるための研修
    • 必要性:
      就労系福祉事業所は、日中活動的な作業を行っていた小規模作業所から移行したところが多く、“就労・労働の場”としての意識が育成されていないところも見受けられる。
    • 回数 :全県1回
    要求額
    887(514)千円
    実施主体

    (NPO法人鳥取県障害者就労事業振興センターへ業務委託)
    財源
    国1/2

(3)販路・受注拡大推進支援[10,815(5,088)千円]
    ア 販路拡大事業
    内容
    企業等が必要とする製品・サービス内容を分析・調整した上で、就労系福祉事業所に対し作業内容に適合した形式で情報提供することで、就労系福祉事業所における販路、受注拡大を図る。
    また、新たな取組として、商工会議所等が主催する商談会等へ参加する就労系福祉事業所を支援し、更なる販路拡大への取り組みを図る。
    • 企業の訪問による発注可能作業の把握
    • 福祉事業所の訪問による状況把握、企業情報の提供
    • 見本市の開催及び各種商談会(商工会議所主催など)への参加支援
    • ハートフルワークフェアの開催
    • 企業及び福祉事業所への企画商品の提案、斡旋、販売企画
    要求額
    1,805(1,668)千円
    実施主体

    (NPO法人鳥取県障害者就労事業振興センターへ業務委託)
    財源
    国1/2


    イ 振興センター機能強化事業
    内容
    NPO法人鳥取県障害者就労事業振興センターに工賃向上のための職員を配置(東部、西部に各1名)
    要求額
    9,010(3,420)千円
    実施主体

    (NPO法人鳥取県障害者就労事業振興センターへ業務委託)
    財源
    国1/2
(4)目標工賃達成助成事業[3,000(0)千円]
内容
平均工賃月額を前年度の20%以上増加させることを目標に掲げた就労系障がい者事業所が目標を達成した場合に補助金を支給する。(H21〜H23は障がい者自立支援対策臨時特例基金事業として実施。)
  • 補助額(次の工賃増加割合による)
    ア 30%以上 10千円(15千円)×利用定員
    イ 20%〜30%未満 
              5千円(7.5千円)×利用定員
       *( )内は、前年度補助単価
要求額
3,000(0)千円
実施主体
財源
単県
(5)検討委員会[976(494)千円]
目的
 現行の工賃3倍計画に関する総括とりまとめ及び新計画に定める工賃向上の着実な推進のための助言、評価をいただくため、検討委員会を開催する。
内容
  • 就労系福祉事業所における課題の整理、利用者の工賃水準を高める方策の検討、助言、提言
  • 工賃達成状況の点検及び評価
  • 計画終了後も事業所が自主的に工賃向上に取り組めるような仕組みについての検討等
  • 開催回数:5回(先回計画の総括含む。)
要求額
976(494)千円
実施主体
財源
国1/2
(6)就労系障害福祉サービス事業所支援員[1,798(0)千円]
内容
 就労系障害福祉サービス事業所の製品・サービス等を紹介している「は〜とふるTOTTORI」の情報管理及び工賃の集計・分析等を行うため、障がい福祉課に非常勤職員を配置。
要求額
1,798(0)千円
実施主体
財源
国1/2

5 国の「工賃倍増計画」に関する現在の検討状況

 24年度厚生労働省概算要求には、「障害者への就労支援の推進」の中に「工賃向上のための取組の推進」として、5億円が計上されている。
4 障害者への就労支援の推進
(2)工賃向上のための取組の推進
 「工賃倍増5か年計画」について、各都道府県でのこれまでの取組の検証を踏まえた見直しを行った上で、経営改善や商品開発、市場開拓など、工賃引上げに資する福祉施設に対する安定期な仕事の確保に向けた取組を実施する。

 なお、未確認情報ではあるものの、国においては現在の「工賃倍増計画」を24年度以降も実施することとし、「工賃向上計画(仮称)」に名称変更し、平成26年度までの3か年計画とすることを検討中の模様。

これまでの取組と成果

これまでの取組状況


<目標平均工賃:平成23年度>
 月額33,000円
 目標工賃は、あくまでも県全体としての目標
 各福祉事業所は、当該目標工賃を目安に、作業の量や質、利用者の意向、地域性などを参考に、独自の工賃引き上げ計画を作成

<これまでの取組状況>
○平成19年度に計画を策定、次の取組みを実施
・販路・受注開拓員の配置による職域開拓、販路拡大等
・品評会・商談会の開催による、製品の一般市場での評価・一般市場で の販売促進
・研修会の開催によるトップ、就労系福祉事業所職員に対する意識改
 革・啓発
・相談体制の整備による就労系福祉事業所の課題への対応

<現時点での達成度>
○平均工賃月額実績
 平成22年度平均工賃月額 14,429円
 平成21年度平均工賃月額 13,437円
 平成20年度平均工賃月額 12,782円
 平成19年度平均工賃月額 12,641円
 平成18年度平均工賃月額 10,983円
  *就労継続支援A型事業所除く

[平成22年度の平均工賃の分布] 
 1万円未満          37事業所 
 1万円以上1万5千円未満 37事業所
 1万5千円以上3万円未満 27事業所
 3万円以上           5事業所
 (うち3万3千円以上      4事業所)    

○工賃支払対象者数
平成22年度 1,882人
 平成21年度 1,717人
 平成20年度 1,610人
 平成19年度 1,445人
 
○年間工賃支払総額
 平成22年度 325,896千円
 平成21年度 276,882千円
 平成20年度 246,888千円
 平成19年度 219,192千円

これまでの取組に対する評価


○就労系福祉事業所が安定した経営を行い、障がいのある方が生きる喜び(就労による喜び、役立ち感)を感じながら地域の中で自立した質の高い生活を送ることができるよう支援を実施することが県の役割。

○就労系福祉事業所の多くは、家族によって設立された小規模作業所から成り立っており、職員体制に余裕がなく、福祉支援力、ビジネス力とも弱いのが実態。

○就労系福祉事業所が自力で工賃向上に取り組むためのシステムが構築され、軌道に乗るまでは、県の支援が必要。


○平成21年度に全就労系福祉事業所への訪問によるニーズ調査を行った結果、過去2年間の事業の実施方法が、工賃向上に積極的に取り組んでいた福祉事業所には有効だったが、それは全体の2割程度であることが判明。

○平成22年度に工賃向上に係る事業を活用した就労系福祉事業所の平均工賃は、全体の平均工賃より低いものの、工賃増加額は全体平均より高く、工賃向上への事業効果はあったと言える。
・工  賃  額  13,234円(平均:14,429円)
・工賃増加額 +1,322円(平均:+992円)

○一方で、工賃向上の必要性を感じながら、利用者の実態を考慮して、あえて内職型の受託作業を行う福祉事業所もある。

○平成22年度は就労系福祉事業所のニーズ、利用者の実態把握を行うための体制を強化し、個々のニーズに沿った支援を実施。
・個々の就労系福祉事業所の実態(課題、利用者実態)に合った支援 の実施
・一部の就労系福祉事業所に偏らない支援の実施
・就労系福祉事業所のニーズ、課題の把握に重点を置いた支援の実 施

○NPO法人鳥取県障害者就労事業振興センターに配置した専門家をアドバイザーとして福祉事業所へ派遣し、新商品の開発、販売及びパッケージの改良等を実施。
[専門家を派遣した事業所数]
・平成20年度    14事業所
・平成21年度    26事業所
・平成22年度    43事業所
・平成23年9月末   23事業所

○平成23年度は工賃3倍計画の最終年度。

工程表との関連

関連する政策内容

小規模作業所等の工賃水準のアップ

関連する政策目標

平均工賃月額が33千円





要求額の財源内訳(単位:千円)

区分 事業費 財源内訳
国庫支出金 使用料・手数料 寄附金 分担金・負担金 起債 財産収入 その他 一般財源
前年度予算 13,967 6,983 0 0 0 0 0 0 6,984
要求額 19,719 8,355 0 0 0 0 0 9 11,355