事業概要
河川区域、海岸保全区域等を定期的に巡視し、異常事象、違反行為等を監視する土木監視員に要する経費
主な監視事項
護岸陥没、洗掘、護岸崩落、護岸破損、海岸侵食、不法投棄、不法占用、海岸漂着物
監視員増員の必要性
・台風12号等による記録的な豪雨により河川管理施設に甚大な被害が発生したが、水防上、重点的に監視すべき区域である「重 要水防区域」以外の区域での被害が多数発生。河床洗掘や堤防 浸食等、既存施設が脆弱化している箇所の総点検を実施し、重要水防区域の追加指定を行う必要がある。
・平成20年度に災害査定基準が改正され、被災箇所について、巡視・点検等に基づく維持管理が適切に実施されていないと認定された場合、災害復旧負担法(国庫負担)の対象外となり、県として財政面で大きなリスクを抱えることとなった。
・平成21年度に海岸漂着物処理推進法が施行され、海岸巡視業 務が増加しており、23年9月の台風12号による流木等の大量漂 着に関しても、災害対応で正職員の手が割けない中、補助事業採択のための調査等に監視員が大きな役割を果たした。
・直轄河川と比べて巡視体制が貧弱であることから、20年度には 都道府県管理河川の3割が見回り不足との新聞記事も掲載され、県民の防災意識が高まる中、管理水準の向上が求められている。
・ほぼ必ず一般住民等の目が行き届く道路等と違い、河川は人家 のない場合も多く、護岸等の異常箇所を把握するためには、一定の経験のある監視員による巡視が必要不可欠。
・河川管理道は幅員も狭い箇所が多く、車を運転しながらの目視では異常の発見等監視が不十分となり、監視に気を取られ、脱輪して河川への転落する等の事故の危険性があることから、1班2名体制が必要。
配置・要求状況
24年度以降、緊急雇用基金の対象外となるため、3名を基金事業から振替要求し、加えて、1名での監視は、効率・安全面で問題があることから、各総合事務所の監視を1班2名体制とするため、3名を増員要求するもの。
総合事務所 | 現員
(単県) | 現員
(緊急雇用) | 現員計 | 要求
(増員) | 要求人員計 |
東 部 | 2名 | 1名 | 3名 | 1名 | 4名 |
八 頭 | 1名 | | 1名 | 1名 | 2名 |
中 部 | 1名 | 1名 | 2名 | | 2名 |
西 部 | 1名 | 1名 | 2名 | | 2名 |
日 野 | 1名 | | 1名 | 1名 | 2名 |
計 | 6名 | 3名 | 9名 | 3名 | 12名 |
必要とされる巡視頻度と現状
県が管理する一級・二級河川の管理は国の法定受託事務であり、可能な限り直轄河川の体制に近づけることが目標であるが、本県の現状では、監視員1人当たりにつき、直轄河川の5〜7倍もの延長を巡視する体制となっている。
全国的に、都道府県管理河川においては、約6割の河川で月1回以上の巡視を行っていることから、当面は、これが確保できる体制を構築することを目標とする。現状(緊急雇用基金による人員含む)では、概ね1班1名体制により全河川(山間部を除く)を巡視するのに、中部総合事務所で約1ヶ月半、その他の事務所で約1ヶ月を要している状況であるが、大部分は1名体制による車上巡視であり、十分な巡視ができているとは言えない。
管理延長等
・県管理河川(右岸+左岸) 2,606km
・海岸保全区域(河川局所管) 65km
・砂利採取場 11箇所
・採石採取場 53箇所
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
モデル河川の指定による河川巡視頻度の向上
○平成19年度
4河川をモデル河川として指定「河川維持管理実施計画」を作成。
○平成21年度
モデル河川を1河川追加。(日野に土木巡視員1名増員)
○平成21年度以降
モデル河川から毎年2河川を選定し、国土交通省と河川課合同で維持管理状況定期調査(現地調査)を実施
○平成22年度以降
海岸漂着物に係る業務量増などにより、緊急雇用基金を活用して、東部、中部、西部に土木監視員各1名増員
これまでの取組に対する評価
○モデル河川を選定し、維持管理実施計画を策定し、巡視を行っているが、1名の土木監視員で広範囲の管理区間を担当しており、1名による車を運転しながらの目視による巡視が中心とならざるを得なかった。
○平成21年度に海岸漂着物処理推進法が施行され、海岸巡視業務が増加しており、23年9月の台風12号による流木等の大量漂着に関しても、災害対応で正職員の手が割けない中、補助事業採択のための調査等に監視員が大きな役割を果たした。