1 一般事業査定結果
ゼロ査定
(理由)
他県の状況などを鑑みれば、廃止も見据えた見直しが必要と考えます。本県独自に支援が必要な理由について再整理してください。
2 調整要求理由
家畜の予防接種に係る農家負担金の見直し(値上げ)が計画されていることから、畜産農家は負担増加となる見込み。予防接種事業は家畜の病気を予防するために非常に重要な事業であり、本県でも病気の発生の抑制に効果を上げてきたことから、畜産農家の経営悪化を防ぐために、県としても、予防接種事業と畜産農家に対する支援が必要である。
3 事業内容
家畜の伝染性疾病の発生予防のために、(社)鳥取県畜産推進機構が実施する予防接種事業の一部に対して、畜産農家が負担する経費の一部(獣医師のワクチン接種技術料)について助成する。
4 経費の負担区分
(単位:千円)
内容 | 事業
主体 | (前年度)
要求額 | 負担割合 | 事業費区分 |
国庫 | 県 | 事業
主体 |
予防接種技術料に対する助成 | (社)鳥取県畜産推進機構 | (2,720)
2,921 | 単県定額 | (0)
0 | (2,720)
2,921 | (7,150)
7,675 |
5 目的・効果
(1)地域全体で家畜の予防接種を推進し、流行が懸念される家畜の伝染病の発生予防を図る。
(2)獣医師の技術料の一部を助成することにより、畜産農家の負担増を抑制し、予防接種の推進が円滑に行われるための一助とする。
6 背景
(1)(社)鳥取県畜産推進機構が主体として実施している家畜の予防接種は、主要な家畜の疾病を予防するために重要。
(2)畜産農家の経営は厳しい環境下にあり、予防接種等の衛生対策費を含め、経費の増加は経営に大きな負担となる。
(3)予報接種を実施する獣医師の接種技術料は過去に単価の見直しを行っているが、まだ十分とは言えない単価で推移。
(4)畜産農家戸数、飼養頭数の減少により、接種対象頭数も減少、農家も散在化していることから、技術料収入についても減少傾向であり、遠距離を非効率に移動するため予防接種を行う獣医師の負担も増加し、協力できる獣医師も減少。
(5)鳥取県畜産推進機構は平成24年度から、事業事務費の赤字解消のため、農家負担額を値上げ予定。ただし、技術料分の値上げは予定なし。
(6)事業を推進する鳥取県畜産推進機構も技術料の値上げ分を自己負担することは困難であり、農家負担額を増加させることも困難。家畜の予防接種事業は鳥取県畜産推進機構のみが取り組んでいる事業であり、県の支援がなくなり、機構の負担が増えることで、予防接種事業の受け皿としての継続も困難となる。
(7)農家負担額のさらなる負担増は難しいが、家畜の病気を増加させたないために、予防接種事業の継続は必須。予防接種事業を減退させないためにも、県の支援が必要。
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
<政策目標>
家畜疾病の発生数の低減:目標数値は全国発生率以下
<行財政改革の取組>
・厳格な予算査定
・助成対象は必要最低限に限定
(実際の取組内容)
●家畜の予防接種事業の推進により、予防接種は順調に浸透し、家畜疾病の発生は抑制されている。
●獣医師の接種技術料の単価の増額を平成18年度に行ったが、助成による農家負担の増加を抑制。
(獣医師技術料単価:H17まで 牛250円/頭、豚113円/頭、H18から 牛300円/頭、豚135円/頭)
これまでの取組に対する評価
<自己分析>
・近年牛の伝染性疾病は大きな発生もなく推移していたが、最近、牛のアカバネ病の発生が中国地区で増加。通常ワクチン接種の対象としない肥育牛の発生が有り、対象牛の拡大が必要(通常は子牛を産む繁殖雌牛がワクチン接種対象)。鳥取県で発生が少ないのは、予防接種率が高いことも要因の一つ。
・獣医師の技術料の助成により、農家が負担する予防接種負担金が上昇せず、農家負担を軽減できた。ただし今後値上げが予定されているため、負担軽減措置が必要。
・豚の病気である豚丹毒の予防接種は浸透しているが、他県でも発生が多い病気で、ワクチンの効果低減が推察される。予防接種方法の見直し、ワクチン自体の効果検証が必要。
・予防接種を行わずに家畜防疫の対策を講じることは困難。予防接種事業の推進は今後とも重要不可欠。