1 事業概要
3月11日の東日本大震災における福島原発事故を踏まえ、島根原子力発電所に係る県民の安全・安心を確保するため、鳥取県の原子力防災体制の強化に必要な原子力防災対策事業等を行う。
2 事業内容
鳥取県が新たに島根原発に係る原子力防災対策について国交付金(10/10)を活用し、国が専門的立場から提示する原子力防災対策資機材(防護服、放射線測定器等)の整備方針(配備数など)等に沿って計画的に整備を進めていく。
※資機材等の維持管理費は、平成25年度以降の交付金事業として要求予定
【国交付金の対象外事業】
○地域防災計画改訂維持(常勤職員の人件費)
・広域災害や復旧の長期化への対応を踏まえた、避難計画の正式見直し
・モニタリング体制の強化
・改正原災法に基づく立入検査や中国電力との安全協定締結に基づく現場確認等の実施体制の構築(@地理的要件から西部総合事務所の協力が不可欠 A専門的知見が必要なため全庁的な体制構築が必要 B専門的人材の確保・養成が必要)等
3 背景・目的
○国は、原子力災害対策特別措置法を4月に改正し、環境省に原子力安全庁(仮称)を設置するとともに、規制の独立性を担保する監視機関として原子力安全調査委員会(仮称)を置く。 ※改正原災法では、鳥取県も関係周辺県として位置付けられる見込み。
○併せて「防災指針」も改定し、現在内閣府原子力安全委員会が行っている、「原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方」が示され、EPZを見直し、UPZ(緊急時防護措置準備区域(概ね半径30キロ))とすることなどについても反映される見込み。(「原子力安全庁(仮称)」で更に検討される。)
○国の平成24年度防災対策予算案には、原子力安全庁(仮称)及び文部科学省がUPZの導入を前提とした予算要求を行っており、本県への具体的な配分額は一部不明ではあるが、島根原発に係る原子力防災対策事業を国負担により実施できるよう。
4 所要経費
要求額:206,635千円
【原子力緊急時安全対策事業】
(1)原子力発電施設等緊急時安全対策交付金(国10/10)
・SPEEDIネットワークシステム改修費 926千円
・原子力防災ネットワークシステム(TV会議等
の情報共有システム)改修費 6,240千円
・放射線測定器の校正委託、修繕 461千円
・職員の知識・技能の向上研修参加 2,268千円
※原子力安全庁(仮称)所管
【環境放射線監視等事業】
(2)放射線監視等交付金(国10/10)
・平常時モニタリング機器(空間放射線等の測定用、浮遊じ ん採取装置、降下物採取用装置)整備 4,758千円
・モニタリングシステム改修整備業務委託
(気象観測装置等の追加整備) 165,299千円
・原子力防災専門家会議費、校正費等 688千円
・放射能分析業務研修 160千円
・その他(非常勤職員人件費) 2,448千円
○報酬 161,700円×12ヶ月=1,940,400円
○通勤費 15,000円×12ヶ月=180,000円
○共済費 2,120,400円×153.81/1000=326,138円
(うち本人負担2,120,400円×6/1000=12,722円)
※文部科学省所管
(3)原子力施設等防災対策等交付金(国10/10)
・非常用通信設備(衛星電話)整備 23,387千円
※原子力安全庁(仮称)所管、24年度限り
〔課題〕
(1)原子力防災に対応できる専門職員の配置等の職員人件費は交付金の対象外。※立地県は核燃料税で財源確保
(2)交付規則に基づき、島根原発に係る鳥取県への交付金には限度額がある。
※(例)放射線監視等交付金:約1億7千8百万円
これまでの取組と成果
これまでの取組状況
○平成23年4月28日、島根原発避難計画策定プロジェクトチームを、6月6日に島根原発避難計画策定ワーキンググループを設置して、福島と同程度の規模の災害を想定した実効性のある避難計画を策定するため、全庁・横断的な取り組みを開始。
○平成23年5月、鳥取県、島根県、両県関係市町と「原子力防災連絡会議」を設置し、広域避難の課題検討と避難シュミレーション等の検討を実施。
(第1回)5月24日 福島原発の避難指示等をそのまま島根原発に置き 換えて検討(半径30km圏を想定した大規模避難)
〜 作業部会を6回開催 〜
(第2回)9月14日 中間報告の取りまとめ
これまでの取組に対する評価
○新たなUPZ(緊急時防護措置準備区域)やPPZを踏まえた原子力防災安全対策を実施するため、生活環境部(緊急モニタリング対策)、福祉保健部(被ばく医療)、県警察本部と連携しながら、具体的で実効性のある原子力防災対策の推進を図っているところ。