1 事業の概要
(1)イカ釣り漁船をチャーターして試験操業を行い、LED集魚灯によるスルメイカ漁の収益性の検討を行う。
(2)イカ釣り漁船の操業の効率化を図るため、本県沖合のスルメイカの漁場探索調査を実施する。
(3)省エネ型沿岸漁業への転換を促進するため、漁船用作業照明灯及び白イカ用集魚灯のLED化に対する支援を行う。
2 現状等
(1)燃油価格が高止まりする中、国の漁業経営セーフティネット構築事業の加入率が急増している。特に沖合底びき網漁業者にあっては、その傾向が顕著で、加入件数は前年比倍増(13件⇒26件)した。
(2)イカ釣り漁業者が自ら行う漁場・魚群探索が行えないなど、不効率な操業を強いられており、漁業者の自助努力ではどうにもならない状況となっている。
3 課題・ニーズ等
(1)近年スルメイカの水揚げ状況が芳しくなく、経営状況が著しく悪化している。
(2)的確な漁場形成・漁獲量情報をもたらす秋イカの漁場探索調査は漁業者の遠方漁場への出漁判断に有効であり、イカ釣り漁業者から強い要望がある。
<19トン型イカ釣り漁業者の声>
・異常な燃油高騰時(H21年)、県が実施した探索調査は非常に有り難かった。秋漁に合わせて再度実施してほしい。
(3)燃油削減効果が高く、漁業経営の効率化につながる漁船用作業灯及び白イカ用集魚灯のLED化は、コストが高いことから導入が進んでいない。
<LED化済の小型底びき網漁業者の声>
・県の支援があれば、LED化が進むと思う。
4 補正要求内容(新規)
(1)『浮魚資源変動調査(省エネ型イカ釣り漁業
実証化試験促進事業)』
(33,435千円)
・19トン型イカ釣り漁船用船料、漁船改造・設備費
(2)『浮魚資源変動調査(秋イカ漁場探索調査事業)』
(1,200千円)
・秋スルメイカ漁場調査委託(イカ釣り漁船用船料)
10トン未満 @ 90,000円×8日=720千円
10トン以上 @120,000円×4日=480千円
(3)『漁業経営能力向上促進事業(燃油高騰対策)』
(27,000千円)
・漁船用作業灯LED化経費(150隻分)
50千円×6個=300千円/隻
300千円×1/3×150隻 =15,000千円
・白イカ用集魚灯LED化経費(36隻分)
250千円(電源ユニット付集魚灯)×4基=1,000千円
1,000千円×1/3×36隻=12,000千円
5 関連事業及び今後の予定
<H24年実施事業>
・(国)漁業経営セーフティネット構築事業
・(県)沖底漁業生産体制存続事業
(県1/3、市町村1/6)
・(県)漁業経営能力向上促進事業
(県1/3、上限7,000千円)
<その他>
○軽油引取税の免税
・漁業用軽油の免税措置延長(H27年3月31日まで)
○石油石炭税の免税
・漁業用国産A重油の還付措置及び輸入A重油の免税措置延
長(H26年3月31日まで)
工程表との関連
関連する政策内容
経営が安定し、収益性の高い儲かる水産業を実現する。
魚を絶やすことなく、資源を大切(有効)に利用するための漁獲方法の開発(資源管理の推進)。
関連する政策目標
経営能力の向上。
沿岸漁業及びまき網漁業にとって重要な魚種であるマアジの資源回復を図る。